破産とは、債権者が裁判所の力を借りて債務者の財産を処分し、公平に分配する制度です。
例えば、債権者が「あの会社、近頃売上ガタ落ちだけど大丈夫?」と思って債務者の財産を調べてみたところ、資産(現金・預金・売掛金・不動産など)に対して負債(借入金・買掛金など)の金額が異常に多く(つまり正味資産はほんのわずか)、このままでは近い将来倒産することがほぼ間違いないと判明したとします。その場合、会社が潰れるまで待っていたのでは、その間に現在残っているわずかな資産もなくなって、1円も回収できなくなってしまう恐れがあります。
そういう場合に債務者の資産がこれ以上目減りするのを防いで、なるべく多くのお金を取り戻すために、裁判所に対して債務者の破産を申し立てるわけです。
最近の有名な事例では、耐震偽装で話題になったヒューザーの例があります。あれはマンションの住民がマンションが取壊しになった場合の損害賠償金を保全するために破産を申請し、受理されています。
このように、破産は基本的には債権者が申し立てることを想定して作られた制度です。ただ、法律上は、債権者だけでなく、債務者自身なども破産を申請することが認められています。
近年は多重債務を抱えた債務者が、債権者の厳しい追及を逃れる目的で自ら破産を申請するケースが多くなりました。これを債権者が申請する従来一般的だった破産に対して自己破産と呼ぶわけです。
したがって、「個人だから自己破産」ということではなく、会社であっても自己破産はします。
以上ご参考までに ( ^^
お礼
お礼遅くなりすみません。 ご回答ありがとうございます。 とてもわかりやすい回答でした。 知識の少ない私にも近年の背景とともによく理解、納得できました。 この質問をきっかけにさらに自分で調べようと思えるような すばらしい回答だと思います。ありがとうございました。