あらためてスペクトラム・アナライザ(以下スペアナと呼びます)でGPS電波のスペクトラムが観測可能か、参考文献を引っ張り出して来て検討するのに時間がかかりました。
返事が遅くなって申し訳ありません。
先の#1で1575.42MHzにはC/Aコードしか乗っていないと誤解されそうな文章でしたがPコード(or Yコード)もこの周波数には乗っています。
さて、
C/Aコードで直接拡散方式(以下DSと呼びます)でスペクトラム拡散された電波成分の地上で受信される電波の電力は、0dBiのアンテナだと衛星が真上に来たときに -160dBW = -130dBm です。仰角5度だとこれより3dB下がります。
DSで拡散されていますからスペアナで見たとき広がった側波帯のメインローブの中心付近のレベルはこれより下がります。
何dB下がるか。その辺が私自身力不足でよく理解できていません。
おそらく四十数dBになると思いますが、もしそうなら-170dBm以下(-178dBm程度?)となります。
これに受信機としてのトータルの雑音指数(NF)と、ケーブルやコネクタの損失が加わります。
お使いのスペアナのノイズフロアレベル+α(信号を確認するにはせめて10dBは欲しい)とこの差は、アンテナ利得とアンプ利得で埋めることになります。
よほどアンテナで利得を稼がないと周波数変換しないストレートのアンプだけでは無理でしょう。
高利得アンテナとなるとあらかじめどの衛星が何時どの方角と高度にあるかを求めて(このソフトは色々あります)その方向に正確に向けられる架台も必要になってきます。
ちなみにGPSの電波は右旋回円偏波です。
現実的にはある程度増幅した後、低い周波数に周波数変換してまた増幅した方がいいと思います。
とにかくスペアナで検出可能なレベルまで増幅出来ればスペアナは、
C/Aコードでの側波帯のメインローブが約2MHzなのでスパン(SPAN)は5MHz程度にします。
フィルタ幅(RBW)を出来る限り狭めることでノイズフロアを下げて、スイープ速度を遅くしてフィルタ幅分のスイープ時間中にC/Aコードの周期1msが収まるように設定すれば1回のスイープで検出されるはず?です。
【参考文献】
1. 川田輝雄著「航空無線工学概論」鳳文書林出版販売(ISBN4-89279-229-2)
2. R.C.Dixon著 立野敏,片岡志津雄,飯田清 訳「最新スペクトラム拡散通信方式」ジャテック出版
3. 大森俊一,横島一郎,中根央 共著「高周波・マイクロ波測定」コロナ社(ISBN4-339-00611-4)
4.「トランジスタ技術SPECIAL No.47 特集高周波システム&回路設計」CQ出版社
5.「アンテナハンドブック」CQ出版社(ISBN4-7898-1025-9)
本来のご質問に戻って、
用途がわかりませんが、もし何かの商品開発でしたらntaさんのアドバイスにあるようにモジュールの利用がベストだと思います。
携帯電話に組み込まれている様なモジュールだとまとまった数(数万)購入すれば一個あたり数千円でしょう。
お礼
お返事大変ありがとうございます。 教えていただいた内容を元に電波を見るに当たって、アンプ等の作成とモジュールの利用の二つで実践したいと考えています。前途多難ですが、頑張って進めていきます。貴重なご意見ありがとうございます。 又、教えて!GOOメンテナンスのためお返事が遅れたことをお詫び申し上げます。