基本的には三権分立が強大な国家権力から国民を守るという原則に則ってできたものですから、国会が不信任、内閣が解散という制御機能の一つです。
議院内閣制の場合は、原則として内閣には解散権があります。もちろん内閣の中で民主主義的権力の正当性を持つのは総理大臣ですから総理が決定権を持ちます。
内閣、つまり与党が政策上で選挙時の公約を覆さなければならない場合は再選挙により再度、やり直す意味でこの制度が慣例化しました。
最初は、議院内閣制の本家のイギリスで、ディズデーリが主張し、それが認められたことから始まりました。公約を破ったことにより、総辞職か解散かを迫り、離党し野党に入ってまでして認めさせたことです。
現在では確かに、行政府に有利な時期に選挙が行われることで与党の戦略となっています。しかしこの制度自体の責任ではなく選挙民の自覚がこの制度を有効に民主主義に役立てるかどうかを決定しているのではないでしょうか。
大統領の国会の解散権を認めている有名なのはフランスです。フランスはド・ゴール政権のときに強い内閣を作る憲法ができあがりました。これはナチスドイツに惨敗をしたことに対してできあがったものだと思われます。断固とした決断と強い実行力があれば敗北はなかったというわけですね。
大統領制の場合には、議員と大統領は別個の選挙ですので、民主主義の観点から解散や辞職を互いに決定するのは選挙に対する否定の意味があるとして望ましくないという考え方が多いようです。
ちなみに議院内閣制の中で日本が首相が替わるのに解散をしないのは例外的ではないでしょうか。首相がコロコロ変わりすぎという気もしますが。解散自体は大抵の国では与党の戦略の一部になっていますので任期まで持つ方が少ない気がします。
お礼
日本の場合、「内閣の意思と国会の意思に食い違いがあった場合、どちらの意思が国民の意思であるかはっきりさせるため」は少なそう・・・。(長野はそうですね)今が解散どきとか、伝家の宝刀とかいって政争の具にしすぎじゃ・・・・。他の国は政争の武器にはなってないのかな。 なぜアメリカ大統領には解散権がないのでしょう。