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衆議院の解散権について

憲法では衆議院の解散権について明確な規定がないと聞きましたが、それに関連して以下の質問です。 1.解散が近い政局になると、しきりに解散権は総理の専権事項であるという話が出ますが、これは本当でしょうか。もし本当ならばその憲法上の根拠は何でしょうか。 2.解散権について憲法に明確な条項がないとすると、以下のような行動は適法なのでしょうか。 ・国会は国権の最高機関(憲法41条)なので、憲法に明確な規定がなく、かつ他の規定に違反しない問題を採決できる。 ・国会(衆議院、参議院)で衆議院解散が採決される(従来は内閣不信任どまり)。 ・内閣が手続きを行い、天皇陛下が公示を行う。

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  • tyr134
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回答No.6

NO4のtyr134です。 補足について、私見ですが回答します。 >2. さて2番目の質問に関してはいまだに釈然としません。 (中略) >野党がどうしても解散させて政権をとりたい場合、内閣不信任案ではなく衆議院解散案を提出することはできないのでしょうか。議案が可決された場合、内閣は国会議決に従って天皇に助言と承認を行い、天皇が衆議院を解散するということができるような気がするのですが、いかがでしょうか。 この問題も色々と議論がわかれるところです。 少し、問題を切り分けて考えてみます。 1・議会の自主解散は認められるか? 衆議院が自主解散を選ぶこと自体は、可能だと思います。(少数意見っぽいですけど) 実際、衆議院において度々「衆議院解散要求決議案」なるものが出されています。 これは、衆議院を解散することを内閣に要求する法案です。 ただし、可決されたとしても法的拘束力が無い(可決されたあとの手続きに関する法律が無い)ので参議院の問責決議案と似たような性格のモノですね。 ここで注目したいのは、あくまでも「衆議院の解散を要求する」決議である点です。 では誰に要求するのかといえば、第七条に基づき、天皇ということになります。 しかし、憲法では第四条 に天皇の国事行為を憲法で制限した上で国政に関する権能を有しないと定められています。 そして、第七条にその国事行為が定められているのですが、前文に「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。 」となっています。 つまり、実際は天皇に直接というよりは、内閣に「衆議院を解散するよう天皇に助言・承認してね」というお願いとなります。 ・・・あれ、1の問題に戻ってきちゃいましたね。 結局、解散するには内閣の助言・承認と天皇の詔書が必要という事になってしまいます。 つまり、憲法第七条に依ってでしか衆議院を解散出来ないとすると、衆議院の自主解散は無理そうです。 もちろん、「衆議院解散要求決議案」に「内閣不信任案及び信任案」と同じように法的拘束力―「解散要求決議案が通ったら内閣は衆議院の解散を認めなければならない」みたいな―をつけることで、事実上の自主解散ができるようにするというのは可能かもしれません。(この辺りは合憲派・違憲派双方ありますが・・・) 2・合議制である以上多数決で決まる 前提として、「衆議院解散要求決議案」に法的拘束力をつけた場合を考えてみます。 衆議院は合議制である以上、どんな法案・決議案も多数決に依って決まります。 当然、過半数以上の賛同者がでなければ可決されません。 日本の議院内閣制は、屡々政府与党と称されるように、国会で多数派を握っている与党と、行政の長たる内閣はほぼ一体として活動しています。 誤解を恐れずに言うと、内閣は与党の一部(トップ)といえなくもありません。 とするならば、内閣を倒す事が前提である「衆議院解散要求決議案」を野党が出しても、与党によって否決されてしまいます。 もし、可決されるとすれば与党内で倒閣の動きが出てきた時です。 つまり、「衆議院解散要求決議案」が通る状況というのは「内閣不信任案云々」が通る状況と非常に酷似しているわけです。 結局は、名称がかけ変わっただけで、政治状況や手続き上はどちらも変わらないと言えるでしょう。 憲法第六十九条に明記されている分、わざわざ別法案として「衆議院解散要求決議案」に法的拘束力を持たせても無意味となってしまいます。 結局、衆議院の解散の根拠が憲法第七条に依って立つ限り、「議会の自主解散≒内閣不信任案云々」と同じということになってしまいます。 何故なら、その憲法第七条で「内閣の助言と承認により(・・・)国事行為を行う 」となれば、結局は内閣(総理大臣)の基に権限が戻ってくることになりますので。 また、日本の政体が政府与党がほぼ一体となっているいじょう、与党内で倒閣の動きが出ない限り、不信任案も決議案も通らないので、事実上「衆議院の自主解散」というのは難しいでしょう。 以下は蛇足ですが。 >郵政解散の手続きも前例がないけれども実施されました。 郵政解散は、内閣不信任案云々という手続きを経ずに「内閣総理大臣の権能」によって解散したという珍しい例にはなりました。 しかし、これが初めてではありません。 実はもっと昔、昭和27年の吉田茂内閣の時に一度行われています。 通称「抜き打ち解散」と呼ばれ歴史に残っています。 また、その時に解散が違憲かどうかで争われてもいます(通称「苫米地事」) この時の判断は、最高裁に違憲かどうかを判断する権利がない云々で棄却されてます。 ただ、この判決が「憲法第七条」根拠説を根強いものにしたようです。 一応、全文掲載されてたサイトを見つけましたので参考URLに貼っておきます。 またまた長文失礼しました 参考になれば幸いです。

参考URL:
http://officematsunaga.livedoor.biz/archives/50019566.html

その他の回答 (5)

回答No.5

ほいほい・・回答しませう >1.解散が近い政局になると、しきりに解散権は総理の専権事項であるという話が出ますが、これは本当でしょうか。もし本当ならばその憲法上の根拠は何でしょうか。 あくまでも実質的には、専権事項と見なすのが妥当でしょう ・・・・ 第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。 三  衆議院を解散すること。 ・・・・ ただ、冷静に考えると7条解散については内閣の助言と承認とあるように、総理大臣の専権と記述されていない・・という言質は可能でしょう また、内閣総理大臣の不慮の自体において、閣議で解散を動議して、7条解散する・・という方法は”適憲”という可能性もあるでしょう ・・・・・ 第9条 内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う。 ・・・・・・ 第六十九条  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。 ・・・・・・ もっとも、実質的には、 第七十四条  法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。 との規定があることから、内閣の決定には、総理大臣の連署が必須・・という考えが妥当でしょう なお、解散権の発動は、法律・政令たりえないので、総理の連署は不要・・という見解もあろう >2.解散権について憲法に明確な条項がないとすると、以下のような行動は適法なのでしょうか。 ア:国会は国権の最高機関(憲法41条)なので、憲法に明確な規定がなく、かつ他の規定に違反しない問題を採決できる。 適憲ではないだろう 明確な違法でもないだろう しかし、適法ではない、ことから現実的には現代の国家では為されないだろう イ:国会(衆議院、参議院)で衆議院解散が採決される(従来は内閣不信任どまり)。 ・内閣が手続きを行い、天皇陛下が公示を行う。 適憲ではないだろう 明確な違法でもないだろう ただし、小生個人は、議会の自主解散権は政治学的に認める立場なので否定しないが、一定の制限ありきで考える 以上

  • tyr134
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回答No.4

結論から言うと、衆議院の解散権は実質的に内閣総理大臣の専権事項とされています。 その根拠は日本国憲法の以下の条文に依ります。 ===以下引用=== 第七条の三  (天皇の国事行為として)衆議院を解散すること。 第六十九条  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html ===引用以上=== この2つの条文のうち、第六十九条 に依って「内閣不信任案の可決乃至内閣信任案の否決」が行われた場合の対抗処置として、内閣に衆議院の解散が認められています。 また、内閣のトップは内閣総理大臣なので総理の専権事項ということになります。 問題は、「内閣不信任案の可決(以下略)」という手続きによらずに、内閣が衆議院を解散できる(以下・裁量的解散)か否かで見解がわかれています。 裁量的解散権を認めるとする人は、根拠を第七条の三に求めます。 天皇は「内閣の助言と承認」によって、国事行為である衆議院の解散ができます。 この一連の中に、「内閣不信任案云々」という事は出てきていません。 つまり、実質的には内閣にその権限があると考え、「内閣不信任案云々」という手続きがなくとも内閣の裁量でいつでも解散できるというのがその理由です。 また、議院内閣制をとっている国の多くは、内閣に裁量的解散権を認めているのもその根拠の1つとなっています。 一方、反対派(第六十九条による対抗的解散権しか認めない)人々もいます。 第六十九条では、「衆議院が解散されない限り内閣は総辞職しなければならない」と規定しているため、これは実質上不信任案云々の対抗処置しか認めていないという主張です。 が、逆に言えば第六十九条は「内閣不信任案云々」の場合の内閣の対抗処置を決めているだけであって、衆議院の解散権そのものを定めたものではないとの批判も根強いです。 以上のことから、多勢は第七条の三項を根拠とする説に傾いています。 また、それに基いて解散時には「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。」という解散詔書が読み上げられます。 ただ、慣例的に「内閣不信任案云々」の結果として解散が行われてきました。 一方で、裁量的解散権も認められるというのが大方の見方みたいです。 最後に、手続きについてまとめに変えたいと思います。 衆議院解散の手続きですが、 1・閣議によって「解散」する旨を各閣僚に告げた上で、全員の合意を得る 2・天皇に閣議書を提出し、書名と御璽の押捺の入った詔書を受けとる。 3・内閣総理大臣が詔書に副署し、衆議院議長に提出する 4・衆議院本会議が開かれ、議長が「日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。」と詔書をよみあげる 5・何故か全員で万歳三唱して解散 という流れになります。 ではでは参考になれば幸いです。

pipiruru11
質問者

補足

1. NO1~NO4のご回答の方、ありがとうございます。解散権についての総理、内閣そして天皇との関係がよくわかりました。これに関して思い出すのは小泉元総理が行った郵政解散です。このときは参議院で郵政法案が否決されたことに対し、内閣不信任案の議決なしに衆議院を解散しましたが、これが総理の権限の例なのですね。 2. さて2番目の質問に関してはいまだに釈然としません。内閣不信任案が可決されても解散せずに、内閣総辞職して新内閣で延命を図る場合、野党としては対抗措置が無く手詰まり状態になるような気がします。このような前例は無いようですが、郵政解散の手続きも前例がないけれども実施されました。  野党がどうしても解散させて政権をとりたい場合、内閣不信任案ではなく衆議院解散案を提出することはできないのでしょうか。議案が可決された場合、内閣は国会議決に従って天皇に助言と承認を行い、天皇が衆議院を解散するということができるような気がするのですが、いかがでしょうか。

  • hekiyu
  • ベストアンサー率32% (7193/21843)
回答No.3

1.解散が近い政局になると、しきりに解散権は総理の専権事項であるという話が出ますが、 これは本当でしょうか。もし本当ならばその憲法上の根拠は何でしょうか。     ↑ 解散権の所在については、憲法に明文が無いので 色々な説がありますが、内閣にある、というのが 通説で、また、実際にもこれで行われてきた歴史があります。 総理大臣は、内閣で一番偉く、大臣を自由に首にできます ので、内閣に解散権がある、というのは事実上総理大臣にある と言っても良い、という意味です。 2.解散権について憲法に明確な条項がないとすると、以下のような行動は適法なのでしょうか ・国会は国権の最高機関(憲法41条)なので、憲法に明確な規定がなく、  かつ他の規定に違反しない問題を「採決できる」←権限がある。 ・国会(衆議院、参議院)で衆議院解散が「採決される」←出来る。     ↑ そういう説もあります。 しかし、これでは反対の議員の任期が来ていないのに、強制的に 議員の資格を奪うことになるが、その根拠規定がない、 議院内閣制に適合しない、という欠点がありますので、少数説です。 ”・内閣が手続きを行い、天皇陛下が公示を行う。”     ↑ 誤解しないようにして下さい。 解散権は天皇にあります。実質的な権限が内閣にあるということです。 だから天皇が公示、というのは間違いです。

回答No.2

解散は唯一 総理が独断で行える事です つまり もうやーめたって 衆議院を解散してもいいんです

  • f272
  • ベストアンサー率46% (8467/18126)
回答No.1

1. 解散権は実質的に内閣総理大臣の専権事項であるということです。形式的には内閣が解散権を持ちますが,内閣の中で解散を拒否する大臣がいても罷免すればよいだけですから,実質的には意味を持ちません。憲法上の根拠としては憲法7条があげられる。 2. 衆議院による自主解散権は否定されている。国会が国権の最高機関であるとしても,国会に解散権を認める明確な規定が憲法ない以上,否定的な見解が多いし,そのように処理されている。また国会に解散権を認める意味はない。なぜなら衆議院を解散したい場合には,国会は内閣不信任を議決する(対立している場合)か,または内閣に解散を求めれ(対立関係にない場合)ば,それでこと足ります。