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江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」
真田さんが蕗屋を演じていた「D坂の殺人事件」という映画を見て、江戸川乱歩に興味を持ち作品を呼んでいます。映画では「D坂」と「心理試験」の二つの作品が一つの流れで描かれていたことに作品を呼んでから驚きました。 「D坂の殺人事件」 明智小五郎が初登場したがインパクト的なものは少なかった感じがした 「心理試験」 単語の反応時間という理論が50年近くも前に存在していたことに鳥肌が立った(驚きと恐ろしさ) 「赤い部屋」 嘘で終わったので安心したが胸のザワザワ感がなかなか消えなかった 次に「黒蜥蜴」を読もうと思っているのですが、いろいろな観点から読めるようになりたく、その参考に「D坂」「心理試験」「赤い部屋」の皆さんの意見・感想を聞かせていただければなと思い書き込みました。 よろしくお願いします。
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- DORA777
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はじめまして。こんにちは。私は映画はあまり観ていないのですが、江戸川乱歩さん大好きです。参考になればと思い・・・。質問者さん以外の方はネタバレ注意です。 ・D坂の殺人事件 非常に親しみやすく、読みやすい作品だと思います。他の江戸川さんの同時代の作品にたまにあるような、エログロや生々しい描写がなく、江戸の下町のほのぼのとした風景や、貧乏な一青年のリアルな生活ぶりが目に浮かぶように細かく、しかし簡潔に描かれており、でもちゃんと密室殺人事件(っぽいもの?)が起こり、明智小五郎が類稀なる知識と推理力と観察力よって推理します。ただし、その推理が真相であったかどうかは触れられていませんが、そこで発揮される全てが後の名探偵明智小五郎に通じるところがあり、初期の名作といっていいと思います。 ・心理試験 蕗屋という犯人の心理試験への対策や、試験の不自然さを明智が見破り、その後で仕掛ける心理トリックなどはどこかで見たことがあるようなものばかりだったが、冒頭から蕗屋が犯行を決意する過程や結構当日の心理描写なども事細かく描かれていて、それも面白いです。 ・赤い部屋 痕跡を残さない方法や、軽い罪ですむような行為によって99人を殺す話や、話し終えてピストルを撃つところなどは読んでいて戦慄しました。結局、アレは全部作り話だったというオチでした。夢だった、嘘だった、妄想だった・・・などというオチを許せないという読者もいると思いますが、個人的には短編で、途中が面白ければOKだと思います。たとえば、かなりの長編で、幾人もの罪のない市民、また、有能な捜査官が犠牲になっているのに、その冷酷な連続殺人犯とそれを追う美人捜査官が最終的に、ラブラブ夫婦になっていたり、しかもそれをハッピーエンド的な書き方をしていたりなどというとんでもないオチは許せませんが。まあ、そういう小説はまずないでしょう。 長くなりましたが、参考になりましたでしょうか?ちなみに江戸川乱歩さんの小説はいろんな出版社から出ていますが、短編を沢山読みたいのなら、光文社出版の『江戸川乱歩全集』がお勧めです。その第1巻にご質問の3作を含む22作品、また、9巻には『黒蜥蜴』含む4作品が掲載されています。ただし、エログロ作品も含まれますので、ご注意下さい。
- reviewer
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「D坂の殺人事件」について <お茶漬け風密室>の名作 上記のフレーズは推理作家、有栖川有栖氏がこの作品につけたキャッチフレーズです。同氏の詳しい解説はイラストレータの磯田和一氏がこの作品を 読んで犯行現場をイメージ化して描いたイラストと共に「有栖川有栖の密室大図鑑」新潮文庫で読むことができます。 「心理試験」について ドストエフスキーの『罪と罰』の主人公、ラスコーリニコフの犯罪後の心理に影響をうけたことが執筆のきっかけになったとの説があります。 「赤い部屋」について スティーヴンソン 自殺クラブがこの作品と同様のモチーフで書かれているように思います。 江戸川乱歩について作品集の他に年表、評論随筆集、乱歩の選んだミステリ、乱歩に関する掲示板等様々な情報があるサイトとして 乱歩の世界 http://inat.cool.ne.jp/rampo/ があります。