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超撥油!?

いわゆる『超撥水』ってありますよね。 例えば、材料表面を蓮の葉のようにミクロレベルで粗面化して、通常のフッ素コーティングなんかよりも高い撥水性を発現するようなものが知られていますよね。水の接触角で云えば150度以上を示すようなものもあるようですが。 それでは、『超撥油』性の表面というのは実現可能なのでしょうか?解り易く云えば、サラダ油なんかに対しても高い接触角を示すような表面、ということなのですが。。。 さすがにサラダ油の接触角が150度!ってのはあり得ないにしても、90度前後の接触角を示す表面が実現できてもよさそうな気がするのですが。 やっぱり難しいんですかね?

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  • psa29
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回答No.2

「ぬれ」とか「はじき」を議論する場合SP値よりも表面張力(表面自由エネルギー)のほうが支配的だと思います。 SP値は凝集エネルギー密度の平方根ですから、分子間力の強さを表している訳ですが、表面特有の分子の配向は考慮されていません。 表面張力もSP値も、どちらも分子間力の強さに影響を受けるわけですから、SP値から表面張力を予測する数式が提案されていますが、表面にて分子が配向する場合は当てはまりません。 配向するとはどのような分子かというと、典型的なものは界面活性剤です。単純なエタノールでもそのような効果によりSP値から計算した表面張力と実測値とでは大きく異なってしまうそうです。 「ぬれ」とか「はじき」の専門業者は、製品を表面張力とSP値とを別々にコントロールするそうです。 また、「ぬれ」と「はじき」を考えたときには、単純にSP値が離れているから「はじく」ということではなく、あくまでも自由エネルギーがどのようになるかで決まりますので、油に対しても表面張力の小さな表面の方がはじきます。 水に比べて油は表面張力が小さいので、その油よりもさらに表面張力の小さな表面を作るというのは、難しいと思いますね。 ちなみに表面粗さは理論上、平滑面に比べて接触角がより極端になると言われています。 接触角が90°以下ならば、より小さくなるように、90°以上ならばより大きくなるように働くそうです。 物質の中で最も表面張力の小さな物質は気体なので、気体中に浮かせれば(無重力下で)油といえども球形になるのではないかと思います。

noname#3136
質問者

お礼

大変適切な回答、ありがとうございます。 >表面特有の分子の配向は考慮されていません。 そうでした。界面現象について議論しているのに、『表面とバルクは往々にして別物である』という基本的なところをすっかり見落としていました。 >ちなみに表面粗さは理論上、平滑面に比べて接触角がより極端になると言われています。 接触角が90°以下ならば、より小さくなるように、90°以上ならばより大きくなるように働くそうです。 この部分について理論的に説明した文献をご存知でしたら教えて頂けませんか?

noname#3136
質問者

補足

>この部分について理論的に説明した文献をご存知でしたら教えて頂けませんか? ご回答がなさそうなのでひとまず締め切らせて頂きます。 いろいろとご教示ありがとうございました。

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その他の回答 (1)

  • shota_TK
  • ベストアンサー率43% (967/2200)
回答No.1

撥水性を高くしたい場合,SP値の小さいポリマーを塗布すればいいですよね. (SP値のデータは下記) http://www2s.biglobe.ne.jp/~kesaomu/b03.html 油の場合には逆だと思います.つまり,SP値の高いポリマーを塗布すれば 接触角が上がると思います. 具体的には,ナイロン,ポリビニルアルコールなどだったら,SP値が大きい ので,90度以上いきそうな気がしますが・・・. 「ぬれ技術ハンドブック」などに出てそうですね. http://www.techno-s.co.jp/publish/nure/nure-mok2.htm

noname#3136
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 SP値のリンク見ました。(他の目的でいろいろ使えそうです。いいリンク先教えて頂きました) >塩化ビニリデン:12.2 う~ん、サランラップの表面で有機物は弾かれるのかな? SP値と表面張力のどちらが支配的か、ってことでしょうね、結局。 SP値(というか固液の親和性)が液体の表面張力よりも支配的なケース、つまり有機物の接触角が水の接触角を上回る場合(いわゆる親水撥油)も一部にあるようですが、一般的には表面自由エネルギー及び液体の表面張力が支配的のような。。。 より詳細には、接触角を決定する各界面張力ベクトルを求めて予測をたてることになるのでしょうけれど。 固体表面を意図的に不均一にすること(粗面化して空気層を造る、ポリマーブレンドでミクロ相分離させる、など)で超撥水になりうるのであれば、有機液体に対しても同様の手法で(擬似的な)臨界表面張力を下げられるのではないか、と思ったのが質問の真意です。 しかし、極端に親水性の高い材料(PVAなど)は調べてみる価値があるかも知れません。 どうもありがとうございました。

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