- ベストアンサー
証券市場の不正についての本
証券市場を舞台とした不正の手口がまとまっている本で、お勧めのものがあれば教えてください。 先日、「脱法企業 闇の連鎖」という本を読み、過去に合った闇企業の話が載っておりました。もう少し理解を深めたく、体系的にまとまっている本がないかと探しております。 アドバイスいただければありがたいです。よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
#1です。ご興味があるようですね、それではお話しいたします。 ただし私は米国勤務が長かったので、米国証券界の話になりますが、よろしいでしょうか? ウォール街の証券屋が世界金融を牛耳っているのが現実ですから、参考にはなると思いますよ。 証券屋には「アナリスト」と称する社員がいますよね。「あくまで中立の立場」で業界動向や特定の会社を調査し、投資家に情報還元したりアドバイスするという役職です。 金融業界でサラリーマンをしていた時、大手米系証券会社主催セミナーの後の立食懇談会で、同社員の一人が「アナリストというのはつまり営業ですから、真に受けてはいけませんよ」と漏らしました。私は「やっぱりそうか」と思いました。そう、表向きは「中立」でも、所詮「給料をもらっている一雇われ社員」なんですよね。だから、中立も何もあり得ません。 例えば消費者物価指数や失業率など重要な経済指標が当局から公表される前にアナリストが「予想」を発表します。おかしなことに今日の株式市場は、純粋な経済動向によってではなく、「発表された経済指標実数がアナリスト予想に対して上か下か?」という絶対評価で相場が動く構造になっていることをご存知でしょうか? FRB(連邦準備銀行:米国版日銀)が景気動向によって誘導金利を調整する際にも、「0.25%上がる、下がる」という前予想をアナリストが出します。これに対して公聴会でFRB議長が実際に発表する利率がどうだったかで市場が動くという構造です。企業業績に関する「アナリスト予想」も全く同じです。どうしても私にはこれが人為的操作に映り、「市場原理に基づく株価の上下」には思えません。アナリストというのは、それくらい力が強いのです。 全てが全て悪意がある訳ではない?のだと願いますが、一方で所詮「アナリスト=営業社員」なのですから、社内上層部の意向(プレッシャー?)を汲み、自社の投資資金ポジションを鑑みて、多少予想値を少な目・多目に発表することで、理論的にはいくらでも自社が有利になる「操作」ができますよね。もともと「予想」ですから、外れたとしても全くお咎(とが)めがないばかりか、こうした「操作」が上手く行けば自分自身のボーナス査定に跳ね返ってくる訳ですから喜んでやるでしょう。つまり、出来高払い制の営業部員と同じです。自分自身の調査と勘で勝負する競馬の予想屋さんの方がよっぽどクリーンですよね。 証券屋の人間は、雇用拡大などの良いニュースはもっと良く、反対に雇用減少などの悪いニュースも「市場は既に折り込み済み」と言います。こう証券屋が言えてしまう理屈が私には全く分かりません。「折り込み済み」と言われれば市場の投資家が安心するようですが、経済状態自体が改善した訳ではないのですから。 また米政府自体も、今日の自国経済が「株式本位」であることをよく理解しているため、明らかな「一般投資家保護」という名目がない限り、証券屋が何をしようと全く手を出しません。というか「不意に手を出せない」と言った方が良いのでしょう。世界一を誇る経済大国の政府が自国の株式市場で「株式不安」でも引き起こしてしまったら洒落にもなりませんから。 、、、まだ他にも話はありますが、以上が長い間金融機関にいて感じた私の「アナリスト観」です。決して株式市場自体を否定するものではありません。しかし「全世界が証券屋に踊らされている」と考えている私には、「証券屋=合法詐欺集団」としか思えず、私個人のおカネ一円でも同業界に儲けてもらおうとは毛頭思いません。私は足を洗ったので、日本の株式市場にどれくらい証券屋の影響力があるのかは分かりませんが、「それでも儲かるから良い」と割り切ることができる人はともかく、私自身は証券屋と一切関わりを持ちたくないです。何故こんなことが言えるかというと、自分で裏側を見たからです。
その他の回答 (3)
- duosonic
- ベストアンサー率51% (585/1140)
またお邪魔します。 自分でも分かっているのですが、数ある職種の中で私は、証券屋にだけは多大な偏見を持っています。まあそれだけの理由背景があるだろうことは、ご想像にお任せいたします。 なので、「自分の検分からするとこう思う」ということであって、実際に証券屋の人間がこういった反道徳的行為を日常的にしているという確証は何もありません。Fifthsさんにおかれても、今からそんな固定観念は持たずに、「こういう見方もある」程度に留めておいて下さい。そして、ご自分で考察されて下さい。 とは言うものの、「米国は明らかな株式本位制になってしまい、その株式相場は迷いなくアナリスト予想に対して上下している」ということは、Fifthsさんもそういう眼で相場動向を観察すれば一目瞭然の筈です。この時点で「市場原理、つまり「株式市場のあるべき姿」から既に乖離しているのではないか?」と私は考察しています。 今日の原油高の20%内外が「投機資金」であって、これが全く規制されていないで放置状態になっているというバカげた事実からも、「あり得ないことが起こり得る」んですよね、今日の金融システムでは。 また、実際にトレーダーが詐欺で逮捕されていますが、それは多額の損失が出て刑事事件となったため、一般人も眼にするニュースになったのであって、もしかして一般の眼には触れない小さな事件は他に多々あるのかも知れません。だとすると、実際に反道徳的行為が日常的に行なわれていたとしても不思議ではないのです。これも無理のない推測ですよね。 これらの中心人物は誰かというと、証券屋なんですよね。 何十億ドルというおカネを毎日毎日左右に動かしていると、我々一般庶民が持っているような常識的金銭感覚が完全に麻痺するのは当たり前ですよね。一種の職業病でしょうかね。 では、周りが全てそういう人間に埋め尽くされている職場環境において、個々の社員にやれ倫理だ、道徳的意識だを求めたところで、どうでしょう、ご指摘の通り「問題意識もなくそういうものだと思ってしまう」ことがあっても、こりゃまた不思議ではありませんよね。もしかすると、「そういうものだと思う」ということさえないのかも知れません。 、、、という私なりの持論展開です。繰り返しになりますが、私は事実を知りませんし、知りたくありません。 が、ただ一つ言えるのは、「反道徳的行為をしている可能性はまずあり得ないとは絶対に断言できない」ということです。
- duosonic
- ベストアンサー率51% (585/1140)
#1、2です。またお邪魔いたします。少しはお役に立てたようで嬉しいです。 まあ全てのアナリストが全て「反道徳的行為」を犯しているとは思いたくない?ですが、もし投資家から批判があったとしても、「そもそも証券屋というのは営利目的であって、アナリストを信じる信じないは投資家次第だ」という言い分さえ通ってしまうというのもお分かり頂けるかと思います。とりあえず「合法」ですから。それだけに私にすると信憑性がありません。 サブプライム問題で倒産した大手ベアスターンズのトレーダー二名が、先週?でしたか、「問題があると分かっていながらサブプライムに関連する株式を顧客に「この株は上がる。なので自分も持っている」とウソついて推奨し、実際に大損させた」という容疑で逮捕されたのをお聞きになっていると思います(ニュースでググると出て来ると思います)。アナリストではありませんが、民事ではなく、もっと刑の重い刑事事件として扱われています。 こんなの本当に氷山の一角で、バレるほどバカなやり方をしたのでしょう。証券屋が内部で処理していることはいっぱいある筈です。 ご承知でしょうか、「ベアスターンズは大手の一角なので、潰れるとかなりマズイ」と判断した米政府が救済したらしいですよ。米政府は「何故潰れる証券屋を救済する必要があるのか?」という世間の批難を恐れたし、政府はFRB法?によって銀行でなく証券屋には直接資金を出せないので、代わりに一旦JPMチェース銀行に救済資金を供与し、同行に吸収させたと聞きます。 前にちょっとお書きしましたが、根本の問題は、上述トレーダー二人のように明らかな「詐欺行為」がない限り、自国経済が「株式本位」になってしまっていることを認識している政府は、下手に証券屋を規制できなくなっていることです。政府が「株式本位」を認識しているということは、潰れたベアスターンズを緊急救済したということからも分かりますよね。 、、、ゆえに証券屋はやりたい放題という訳です。私は大手証券屋数社が米株式市場、つまり世界金融を完璧に操作していると思っていますから。 上司に「予想を0.25%低く発表しろ、ボーナスに一千万円上乗せしてやるから」と言われたら、どうですか、外れたところで「予想」ですから何のお咎めがないと分かっているのですから、Fifthsさんもやっちゃいますか? 、、、やらないとしても、ちょっと考えちゃいませんか? 私だっておカネをチラつかせられたら分かりません。一回やったらあとはもう平気になるでしょうね。なので、自分の信条をおカネで曲げられてしまい、その結果何も知らない人々を騙すことになるような状況に絶対に身を置きたくないのです。証券屋はおカネならいっくらでも持っているのですからね。
お礼
さらに興味深い内容をありがとうございました。知らないことが多く、問題意識が深まりました。最後にいただいたお金をちらつかされてもプロフェッショナルとしての職務を全うできるかという点、正直難しく思いました。私の場合、お金をちらつかされてもなんとか耐えられそうですが、企業文化・慣習として予想を会社のよいように操作することが常態化している環境であれば、それに従ってしまうかもしれません。本当に怖いのは、問題意識もなくそういうものだと思ってしまうことかと思いました。 重ね重ねありがとうございました。貴重なお時間を割いていただき丁寧な回答をいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。
- duosonic
- ベストアンサー率51% (585/1140)
このポスト、ずっと気になっておりました。残念ながら、証券屋の不正手口を紹介する本は知らないのですが、その間に垣間見た彼らの不正、というか「反道徳的行為」はいくらでも話ができますので。今は足を洗いましたが、金融業界に20年身を置いていました。 そもそも中立であるべき「アナリスト」自身が営業部員ですから 、、、
お礼
金融業界のことは本を読んだり、ニュースを見たりするレベルでしか私は知らず、業界の方から回答いただきありがたく思います。もしよろしければ、アナリスト自身が営業部員、また反道徳的行為というのは具体的にはどういうことなのか、教えていただけますと幸いです。小さなことでもかまいませんので、少しでも具体的な例をお伺いできればありがたいです。あつかましいお願いで恐縮ですが、もしよろしければお願いいたします。
お礼
ご経験に基づく丁寧なご回答をいただき、大変ありがとうございました。私自身は表から証券業界を見ているに過ぎず、今回いただいた「アナリスト観」はとても参考になりました。ご指摘を拝読しながら、証券会社に所属するアナリストという位置づけが、中立性に欠けるものだという認識が深まりました。今後証券会社の動向をみる中で、参考にさせていただきます。重ね重ねご丁寧な回答をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。とてもとても示唆が多かったです。