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溶接で起きる熱歪みについて教えてください
金属を一部分だけ加熱すると当然その部分は膨張する。しかし周囲は冷えたままなのである。すると、膨張した部分は周囲から圧縮を受ける形になる。その結果、加熱された部分は冷えたままのところより柔らかいので、加熱された部分は縮む方向に塑性変形することになる。さらに、この一部分だけ加熱した金属を常温まで冷却すると、加熱を受けた部分は元の体積より小さくなり、周囲を強烈な力で引っ張ることになる。この結果、製品全体が大きく歪む。これを熱歪みと言っている。また加熱を受けた部分の周囲には強い引張応力が残る。これを残留応力といい、最終的な製品の強度に大きく影響する。 この文章がいまいち理解できないのでわかりやすい説明ありませんか??
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- 10ken16
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まず、基本的な性質として、 溶接したら、その部分は縮むということを知ってください。 縮むときに、溶接でつないだ母材もひきつれて縮もうとしますから 引っ張る力が発生します。 板を⊥型につなげ、一方の開先を溶接したら、 溶接部分が縮もうとする力で、開先が閉じるように変形します。 大げさに書くと、Lが∠になろうとします。 これは『性質』なのでこういうものとして知っておいてください。 ところが、四角い箱状の形にして、各々の接合部を溶接すると、 全部の角が閉じようとします。四角形の各辺があり、 構造としての強度があるため、大きな変形はしません。 ただし、見かけ上変形していなくても、 材料には変形させようとする力がかかっています。 この残っている変形させようとする力を『残留応力』とよびます。 これによって、構造等が若干ゆがむことなどを『熱歪み』と言います。 この応力は、母材や接合部で複雑に発生していて、 例えば表面を削ることでバランスが崩れて、 想定しないゆがみが出ることもあります。 部品によっては、それらの影響を少なくするため 『焼鈍(しょうどん)』という工程を経てから、機械加工を行います。 また、焼入部品に高い精度が求められる場合、 焼入工程で部品が歪むため、仕上げを焼入後に行うこともあります あるいは、大きな鋳物部品は、機械加工の前に応力を逃がす工程があります。
お礼
ありがとうございました。大変参考になりました。