十代後半は、人生の中で最も読書をしていた時期かもしれないですなぁ。
学生だったので暇だったんですね、私は(笑)。
山田詠美やよしもとばななは十代前半に読んじゃって、もういいやって感じて(←んもうかなり再読しまくったから。今でも冒頭とか暗誦できますもん)、十代後半は私だけの名作を探していました(笑)。
だから紹介するのはそれほどメジャーじゃないかもしれないけれど、私はとしてはかーなーりー好きになった作品。あち、必ずしも十代後半に読んだのではないものも含みます。
中山可穂「白い薔薇の淵まで」(集英社)
どろどろラブストーリーですが、この著者の作品の中では今でも最も気に入っているし、やはり傑作だと思います。著者は自らがゲイだとカミングアウトしているので、それを知って読むと読者が同性愛者でなくても、理解しあえないことの苦しみとか悲しみとかがとてもよくわかると思います。人とかかわるというのがどういうことなのかとか、信じるとはどういうことなのかとかが丁寧に追究され、きっとグッとくる一行がみつかるはずです。
篠原一「アウトトゥランチ」(集英社)
これ女性作家です。連作短編で、お母さんを殺して冷蔵庫に詰めてだらだらと過ごす・・・というような話なのですが、文体がクールで残酷とかでは全然ないです。
私が共感できたのは、ここの書かれていた、「個人」と「個人」としての壁が取り払われる瞬間です。
「ベッドサイド」林あまり(新潮文庫)
ジャンルは問わないということでしたので現代短歌。
性に関する短歌ばかりでHといばHなんですが、それだけではない。今では真似している人がたくさんいますが当時はとても新しかったんですよ、こういう短歌は。この美意識に共感します。かっこういいです。
あと川上弘美は全般お勧めですが、個人的に好きなのは「溺レる」と「竜宮」です。ていうか現代を代表する女性作家ですから既読でしょうか。
う~ん、もっとありそうだったんですど現代作家といわれるとあまり思いつかないなぁ・・・。
ちなみに最近読んで面白かったのは三浦しをん「格闘する者に○」「月魚」です。
お礼
こんにちは、sima777さん。ご回答ありがとうございました。私も、学生で自分の好きなことをできるうちに思う存分読んでしまおうと思っています。学生時代ってそういうことができるから好きです(笑)自分だけの名作探し!いいですね!私も何気にそれを目指しています。というか、今sima777さんの言葉を読んで、そういう自分に気が付きました。なんて鈍感・・・。中山可穂さんや篠原一さん、は是非とも読んでみたいです。特に篠原さんの「アウトトゥランチ」の個人と個人としての壁が取り払われる瞬間ってどんなのなんでしょうか。個人の壁なんて家族の間柄でもあるものなのではと思ってしまっている私にとって、たぶん衝撃的なお言葉です。そんな瞬間があって、私もsima777さんのように共感できたら本当に素晴らしいと思います。短歌は祖父が昔から嗜んでいるので興味のあったジャンルです。文章というより短い言葉を使って表現するってすごいですよね。 この度は本当にありがとうございました!