チベットという国はありません。「両国がもめている」事実は存在しません。チベット亡命政府はありますが亡命政府も「チベットは中国にとどまる。チベットの高度な自治をもとめる」という事で将来的にも「両国がもめる」という事実もおきません。今は「高度な自治の内容について、話し合いがもたれ、そのギャップが大きく、展望が見えないというとこだと思います。亡命政府の言うことでトリックに騙されない様にした方が良いと思うのは。中国内六〇〇万人のチベット人についてです。
チベット自治区内は二八〇万人で、ダライラマが亡命し、中国がラサに侵攻したときの一五〇万人から圧倒的に増えています。チベット自治区ではチベット人口は90%以上を占めています。
と言うことで、ダライラマ側がいう漢民族の入植でチベット人はチベット自治区で少数派にはなっていません。
ただし、チベット人三〇〇万以上は殆どは青海省と四川省にまたがって自治州に住んでいます。漢民族が多数派になったと言う地域は青海省ではそうかも知れませんが、青海省では回族もモンゴル族も住んでいて、チベット族は第二位(100万人強)の人口です。この地域で多数派云々をいってもしょうがないでしょう。青海省の経済的発展にはさらに人口が必要だとでも中国政府が判断すれば仕方がないでしょう。ただし、移住する人がすすんで移住しなければうまくいかないでしょう。
四川省は9000万人近くの人口で省都の成都は1000万人を超える大都会です。其の他の地域にも殆ど漢族は住んでおり、チベット族は主に山岳に漢族や他の少数民族と分散して隣り合わせに住んでいます。今回の地震で震源地となったぶんせん県では漢族チャン族チベット族の順で人口があり、それぞれの習俗は影響しあっている様です。中国の少数民族は各地に総計1億人以上住んでいます。その住んでいる地域には昔から殆ど漢族もすんでいて漢族が少数民族の習俗に影響され自分では漢民族では内と思っている場合もあるのです。
チベット問題を考えるときは少数民族全体の現状についても考える必要があると思います。