通りすがりの者です。
既に専門家の方から立派な御回答が寄せられていますので通り過ぎようかと思いましたが一般人の自信無しで恐縮ですが一言だけ・・・。
もし、atsuk0さんの御質問のような文章(21才、女性、自覚症状無し、不完全右脚ブロック、右軸偏位、軽度右室肥大)が医師国家試験の問題に出てくれば答えはおそらくASD(心房中隔欠損症)となるでしょう。
また逆に検診がgolgibodyさんの様なきちんとした専門家によってなされたのなら病的意義の無い不完全右脚ブロックと言う事で心配なしとなると思います。
この違いが何処からくるかと言えば一つには聴診の所見が大切で専門家がきちんと聴診していれば2音の固定性分裂、肺動脈領域の収縮期雑音、三尖弁領域の逆流性雑音の全てが聴診できないような患者さんも少ないでしょうから異常に気付くはずと言う事が言えます。しかし現実には雑音が小さい場合、循環器の専門家でない医師が検診などで大量の聴診を一度にやっているとおざなりになってしまって聞き逃してしまう事もあり得るので注意が必要だと思います。
また二つ目は病歴で過去の学校検診などで一度も不完全右脚ブロックを指摘されていないのに最近急にブロックが起こったのならなにか新しいブロックを来す疾患(例えば若い女性ならサルコイドーシスなど)であることが稀にありえると思います(検診の胸部X線写真で両側肺門部リンパ節腫脹なんか読み取れているのもあまり見かけないですし・・・)。逆に言えば昔から指摘されていたなら進行性のものでは無さそうなので取りあえず急にどうこうと言う事は無さそうと言えるでしょうし・・・。
更に負荷心電図の場合狭心症などの虚血性心疾患の診断には有利ですが不整脈の診断にはあまり役立ちません(運動耐性と言う意味では使えますが・・・)。特に症状のない予備力が十分な心房中隔欠損症などの場合多少の負荷で異常が出るとは考えにくいです。従って負荷心電図で異常が無いから絶対安心とは言えないと思います。
また、専門家golgibodyさんが御指摘になっておられるBurgada症候群に至ってはICD(植え込み型除細動器)の適応が拡大されていく中でトピックではありますが循環器専門医で不整脈を専攻している医師でないときちんと診断できない様なしろものですからやっぱり「実際診察してみないと大丈夫とは言えない」と言うのが模範的回答になるのでは無いかと思います。
僕の場合は・・・とりあえず安心料と思って循環器内科を受診なされる事をお勧めします(実際なんで検診で今まで見つからなかったのか不思議なのですが成人してから心房中隔欠損症と診断される方も結構な数いらっしゃいますから・・・)。
疑問点解消の一助になれば幸いです。
それでは。
お礼
futukayoiさんのたくさんのご説明で診断について理解することができ、 頭の中でもやもやしていたものを一部取り除くことができました。 ありがとうございました。 futukayoiさんのおっしゃる通り、循環器科にも行ってみようかなと思います。