精神障害者福祉手帳を申請する際、社会的に不利になる点は？

質問

私はてんかんという病気を10年以上かかえており、ここ２，３年薬のおかげで発作もなく安定しています。
最近精神障害者福祉手帳の存在を知り、医療費が安くなることをしりました。
一見、良い制度のように思えるのですが、なにか手帳を申請または使うことによって、自分に不利になることはありますか？
例えば、仕事で雇用されるされるときに、手帳を持っていることで、偏見などから不採用になってしまうなど。

不安なので、教えてください。

回答No.1

kurikuri_maroon · ベストアンサー

てんかんを精神神経科病院で治療なさっているのでしたら、精神障害者保健福祉手帳を必ずしも持たなくとも、障害者自立支援法による自立支援医療（精神科通院医療費の公費負担の制度）を受けることも可能ですが、そちらはお調べになりましたか？
もしも自立支援医療のことをご存知ないようでしたら、お住まいの市区町村の障害福祉担当課にお尋ねになっていただき、自立支援医療の利用申請をなさったほうがよろしいかと思いますよ。

精神障害者保健福祉手帳は、身体障害者の身体障害者手帳や知的障害者の療育手帳に相当するものです。
言い替えれば、法的に、精神障害者（統合失調症、躁うつ病、てんかん）であることを証明・担保するものです。
ところが、身体障害者手帳や療育手帳とは異なり、税制面（所得税、住民税、自動車税など）での恩典以外には、全国共通の統一的な恩典を受けることができません。
たとえば、ＪＲ運賃の割引制度の利用も、身体障害者や知的障害者では全国共通の統一基準がありますが、精神障害者に対してはなく、それぞれの地域によって独自に運用されている、というのが実態です。
したがって、ある県では受けられた恩典が他の県では受けられない、ということが、精神障害者ではしばしば起こります。

仕事探しの面では、精神障害者保健福祉手帳を持っている方は障害者雇用促進法上の障害者としてカウントされますから、同法に基づいた「特別な、障害者採用枠」を利用した求職ができます。
しかし、実態としては、身体障害者や知的障害者とは異なり、求人がまずありません。
体調の維持に不安が大きい、ということのほか、てんかん発作が与える周囲へのマイナスイメージが大きい、といった理由で企業などが採用を手控える、という事情によります（誤解のないように補足しておきますが、決して「精神障害者保健福祉手帳を持っている方への偏見」によるのではありませんよ。）。

手帳を持っていることにより、給与所得の年末調整のときに、障害者控除を受けることができます。
その際には、どうしても精神障害者である・てんかんを持っている、という事実が明らかにされます。
それを会社に知られたくなければ、年末調整をしてもらわずに確定申告を行なうとともに、住民税を普通徴収（天引きではなく、自分自身で市区町村に支払う方法です。）にしていただいて下さい。
そうすれば、採用時にも手帳を呈示していなければ、その後も手帳を示す機会はありません。
ただ、これは「てんかん」という事実を隠しての就職になりますし、もしも発作を起こしたときはもちろんのこと、「不実申告をした」ということで「詐欺」にさえ該当しますし、解雇の正当な理由（業務の遂行が困難、事実と異なることを申告した‥‥の２点）になり得ますから、十分に頭に入れておいて下さい。

いずれにしても、医療費を安くすることをお考えになっているだけなのでしたら、精神障害者保健福祉手帳は必ずしも必要ではないのです。
前述の自立支援医療（医療費が安くなる制度だ、ということは既に説明したとおりです。）の利用は、精神障害者保健福祉手帳の所持が絶対要件ではないためです。