あなたが望んでいるような本かどうかは解りませんが、私が読んで人間関係についてとても客観的に(第三者的に)ものをよく見れるようになったのはこの本ですね。
「甘え」の心理―愛に出会う時、愛を失なう時
1994
大和出版
加藤 諦三著
アマゾンでもあるかもしれませんし、古本屋でもあるかもしれませんし、図書館にもあるかもしれません。
一応、私のレヴュー貼っておきますね。
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この本は所謂『AC(アダルトチルドレン)』について書かれた書籍である。
子供の頃、あなたは親の顔色ばかりを伺ってはいなかっただろうか。
親しい人からの直接的暴力以外の間接的暴力―言葉や態度に顕れる恐怖心。
ACとはそういった過去のトラウマから成熟しきれないまま大人になってしまった人たちのことである。
ただ、歳の割りに自分勝手だ、我侭だというのとは話がちがう。
ここで一番厄介な点は、成熟し切れなかった親の元に産まれた子供がACである可能性が非常に高いということである。
それは、元を正せば親から子へ代々引き継がれていくような陰湿な遺伝的連鎖なのである。
しかし、作中にAC(アダルトチルドレン)という語句は一切出てこない。これは作者の何かの意図だと、私は思う。
この本では、それらを常に基盤に置き、依存症、束縛感、神経症、抑うつ、自己否定の固着化、固有思考傾向、無意識下で常になってしまった行動等を子供の頃の自分の身の振り方・両親の態度について振り返って分析していく。
また、本作では著者:加藤 諦三の 過去の回想、経験を織り交ぜて具体例として暴こうとした自伝的な臨床心理学的考察である。加筆中の作者の辛辣さが、文章に全面に滲み出ていて、あなたの心を揺さぶるであろう。
あなたの親は、本当の意味であなたを愛していたのだろうか。
子供を『守る』ことと『依存する』ことを履き違えてはいなかっただろうか。
また、あなたも親になって子供を『所有』してはいないだろうか。
この本を読むことで、あなたはあなたの両親の態度・状況・行動をもう一度思い出してみるに違いない。
ああ・・私は愛されてなんかはいなかったのだ。
私はこの本を、これから子育てをしていく人達に読んで頂きたいと思う。
この、陰湿で呪縛めいた連鎖を止めて欲しいと切に願うしかない。