博士後期課程の院生です。
精神破綻というのは、脱落したからと言うより、「狭い人間関係の中でのアカデミック・ハラスメント」や「自由な時間の多さ故に酒を飲みすぎて依存症になってしまった」というパターンが多そうで、これは成績優秀・将来有望でもありそうな話ですが、確かに、博士課程で成績不調で、「今ごろ民間企業に就職していたら年収がこれだけあって、可愛い奥さんがいて」といった想像をしてしまうと気が滅入りそうですね。
話を戻して、脱落をどう考えるかについては、大学院で博士号を取る、研究者になると言うのを、「商社を志望する」「メーカーを志望する」というような職業選択として考えるか、「プロスポーツ選手になる」「芸術家になる」「小説家になる」といった夢をかなえるルートと考えるかによって事情が変わってくるかと思います。
前者として考えると大学院に行くのはかなり大変なことなのですが、後者として考えるとかなり楽なルートともいえます。プロスポーツ選手や芸術家、小説家は最大限に努力している人の集団のうちの一握りしかなる事が出来ませんが、博士号は大学院で人並みに研究活動をしていれば取得できますし、研究者と言うのも高校教員比で数割程度の求人はあるので、現実的な就職の選択肢に出来る職業であります。また、失敗しても語学といくつかの学科の指導能力程度は身につきますので、自営業者の平均的な水準くらいでは食べていけます。
大学院ともなると結構後者のように考える人がいて、のんきに研究生活を楽しんでいる姿がみられます。あるいは両親が会社勤めではなくて、ちょっとやそっとの苦労は当たり前という家風が当たり前の家で育ったような人の場合、就職活動での失敗といったレベルで将来の不安を感じないのかもしれません。こちらのグループにいられると、大学院ほど楽しい世界は無いのですが、普通の将来設計を夢見ていると、こういった方々(のんきにといっても、はたから見ればこういった人たちの研究に対する情熱はすさまじいので)との熾烈な競争をしなくてはいけないので茨の道となるのかもしれません。