まあ自分が好き、というのもあるのですが、パッと浮かんだのが樹川さとみの「楽園の魔女たち」シリーズ(集英社コバルト文庫)。
育ち方も出身も学歴も容姿もまったく違う、10代後半の個性派揃いの少女4人が、やはり風変わりな魔術師エイザードのもとに集まり、魔術師見習いとして生活を始め、いろいろな「依頼」を受けながら、桁外れの速度で上級まで昇っていくというお話ですが、エイザードはいきなり魔術書から教えるのではなく、楽園にある畑を耕したり、種を使ってそれがどんな木に育つか想像させたり、即興で歌をつくれといったり、魔術とは関係がないと思われるところから教育を始めます。自然や言葉の理を知らずに魔術が使えない、という考えだったのかなと。
その結果、4人の得意分野を活かした属性の魔術を教えます。大帝国の皇女であり言葉に長けているダナティアは風、元々動物とうまくコミュニケーションができて家の家事一切を引き受けていたマリアは地、学術に長け、法学と化学両方を学んでいたサラは水、そして剣術家の娘として育ち、剣の腕は人一倍のファリスは火、といった具合に。
「水がほしければ、魔法を使わなくても井戸に汲みに行けば良い」というのが基本的なこの作品の考えです。
コメディタッチではありますが、エイザードや彼女たちの家「事情」もあり、シリアスな部分もあります。
参考になれば幸いです。
お礼
「円環少女」「されど罪人は竜と踊る」は読んだことがないので読んでみますね。「Missing」は確か2巻までは読みましたが、どちらかと言えばホラーのほうが強く、複線はあれどまだ回収し切れていない感じで魔法とは少しかけ離れた印象があります。この質問で「ウィザーズ・ブレイン」をかなりの人があげていますね。確か1巻だけは読みました。ここまでいくとどうしてもSFだなぁと感じてしまいます。できれば現代であって欲しかったです。