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「いかす」という言葉
先日とある公務関係の試験を受けた折り、 「○○に入って「生かせる」私の能力」 という題で作文を書かされました。 私はそれまで、「能力などをいかす」という時には 「活かす」だと思っていたのですが…。 公務員の試験だし、間違いはないだろう、でも「生かす」だと意味が違うんじゃないかなぁ?などと悩んでます。 実際辞書を引いても、「生かす」にはそのような意味はなく「活かす」が正しいようなのですが…。 どなたか正しい漢字を教えてください。 よろしくお願いします。
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漢和辞典で「活」と「生」を調べてみると分かるのですが、「他動詞的」な用法・意味としては、「活」と「生」は明きらかに違っています。自動詞的用法で比較するのではありません。 他動詞としての「生かす」は、「命をたもたせる」という意味で、「命の維持」という消極的な意味です。「捕虜をすぐ処刑しないで、4,5日生かしておく」というのは、ジュネーヴ協定違反の表現ですが、単に、すぐ殺さないで、「生かしておく」というだけです。 他方、他動詞としての「活かす」は、「命をたすける、甦らせる」という意味で、「命の復活」「活用」というような積極的な意味があります。「捕虜を生かしておいて、敵との交渉に活かせる」というのは、「活」と「生」が逆では、明らかにおかしいです。つまり、「捕虜を活かしておいて、敵との交渉に生かせる」というのは、おかしいということです。 「死活問題」とは、「死ぬか生きるかの問題」で、こう表現すると「生きるか」という「生」の文字になりますが、この表現は緊迫感があり、「死か、または死の状況からの帰還・復活、甦りの問題」だと考える方が分かり易いです。 「人の生死がかかっている問題」と「死活問題」では意味が違います。前者は、具体的な生命がかかっているということですが、後者は、具体的な生命というより、比喩的な「活力的状態」の復活か消滅かがかかっているとも言えます。 「今回の事態は、当社の生死を左右する問題だ」というのは、意味がよく分かりません。「今回の事態は、当社の死活的問題だ」というのは意味が分かります。会社が生物のように死んだり生きたりするというのは、何か変な感じがあるのです。会社は倒産したり、安定経営されたり、繁栄するもので、死んだり、生きたりするのではないのです。「会社の死活問題」というのは、「そのまま倒れるか、甦って存続するか」の問題です。 「君の社員としての地位は生かしておくが、しかしわが社には、君のような人間を活かせる場はないのだ」この表現の場合も、「生」と「活」は入れ替えることはできません。 元々、「いかす」は、和語であって、漢字でどう表記するかは、その使用意味場面で、使い分けてよいのです。「生」は具体的な「生死」の「生きる」であり、生命を奪わないで、生存を維持させる場合は、「生かす」が相応しく、もっと比喩的に、水が躍動するように、活躍させるという意味で「いかす」というのは、「活」が相応しく、「活かす」と漢字を当てたのでしょう。 「才能を生かす」でも「才能を活かす」でも、用法としては、どちらも、「才能が生き延びる」のですから、良いのだとも言えますが、躍動的に活用ということを考えると、「才能を活かす」が、漢字の原義からして相応しいということでしょう。 なお、「当て字」というのは、「出鱈目」とか「朱鯉(すごい)」などの用法で、使われている漢字が、音だけは一致するが、意味的に何の関係もないような場合で、「生」も「活」も、「いきる」「いかす」という意味が漢字で元々ありますから、こういうのを当て字とは言わないのです。
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- Eivis
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#2は、説明が足りないようなので事例を以ってご説明いたします。 [生]:いきる、いかす、うむ、うまれる、はえる、なま・・・「死・没・歿」に対する語です。 「生花」「生計」などの、いきる、いきている、いかす意味。 「発生」「派生」「再生」「生産」などの、うむ、うまれる、つくる意味。 「生命」「終生」などの、いのちという意味。 「人生」「生業」などの、暮らし関連。 その他の使われ方として、「学生」「生徒」「書生」「小生」などの人を指す言葉。 上の用例を見ても「いかす」に相当するのは「生花」「生計」などで、『(生かせる)私の能力』的な使われ方はありません。 [活]:いきる、いかす、よみがえる・・・「死」に対する語で、活動、快活、活発、活躍、活気などなど、 「活」を入れると言うのもその様な系統の言葉でしょう。 最後に「生活」という言葉は、生まれて活きることを感じさせる言葉だと思います。
お礼
ですよね? やっぱりそうだと思います。 ありがとうございました。
こんにちは。 結論から言うとどちらでもいいんです。「生」も「活」でもまちがいではありません。意外に思われるかもしれませんが、むしろ「活」の字のほうが当て字と言えるかもしれません。 普段、「いきる」という言葉を使うときに「活」という字は当てませんよね? 「能力をいかす」、「才能をいかす」といった場合に使いますよね。これ以外で見ることはあまりありません。また、「能力をいかす」、「才能をいかす」という言い回しの反対の言葉が、「能力を殺す」、「才能を殺す」という風になることを考えてみると、「殺」の反対の語はむしろ「生」になりませんか? 「生殺与奪」という言葉がありますよね。あまり、「殺」という字の反対語として「活」という字は使われてませんよね(「死地」から「活路」を見いだす、ということはありますが)。 以上のように考えてみると、間違っているということではないとおわかりいただけると思いますが、いかがでしょうか? 活用、活躍、快活、活気と「活」の字の持っている、躍動感を好み「活」という字を使うことが多くなったのではないかと思われます。もちろん、「活」という字には、生命を意味する言葉ではありますが、そもそもの成り立ちは、水が勢いよく流れている様から転じた字です。字の成り立ち、意味を考えると、「生かす」という表記のほうが正しいかもしれません。 今手元に字の成り立ちを詳細に解説した本がないので詳しい説明ができませんが、決して、間違ってませんよ。
お礼
どちらでも良いんですか…。 なんか釈然としないな~。 漢字って結構適当ですよね。
- Eivis
- ベストアンサー率29% (1122/3749)
本来は[活かす]が正しい筈ですが、どちらでも良いということにしたのは悪評高い[国語審議会]の独断だと思っています。 おまけに各社の国語辞典もそれに倣い、どちらでも良いように解説し、義務教育でもそのような教育をしているのは遺憾です。 私はいつか又、漢字本来の意味に従い[文字の使い分け]が見直されることを期待しております。
お礼
国語審議会…ですか。 なんかいかにもって感じですね。 だいたいああいう感じのところはろくなことしないんですよね。頭がいいんだか悪いんだか…。
- Brown2002
- ベストアンサー率32% (24/74)
辞書の種類にもよるようですが、大きな辞書では載ってるようです。 「活かす」も「生かす」も同義のようです。 下記URLをご参照下さい。
お礼
そうかー。自分の辞書が悪いのかな? ありがとうございます。早速見てみます。
お礼
ええ!? では「いかす」ってのは漢字がないんですか? 知らなかった…。 ひとつかしこくなりました。 ありがとうございます。