おお!以前から気になっていたんですがseilorさんはエンジン屋さんですか。ワタシは操安・乗心地研究がメインのナンデモ屋です。
などとゆぅのは余談ですが、とゆぅワケで、サスペンションの自動制御を御参考までに。
★アクティブサスペンション
自動車、に限らず電車でも戦車でも、陸上を走る乗物で究極のサスペンションと言ったらアクティブサスです。
本来これは走行条件や操舵条件などを考慮したさまざまな自動制御が組み合わさっていますが、そのうちの姿勢制御の一部に関してご説明致しましょう。
姿勢制御とは、クルマがどのような状態でも常にバネ上(車体)を水平に保つ制御です。
まずセンサは各輪の車高センサです。これはバネ下(タイヤ)とバネ上の距離を測っているモノで、単なる直動ポテンショ(長さによって電気抵抗が変わる、ボリュームポットみたいなモノ)でOKです。
そしてアクチュエータは、各輪のバネに相当する部分に取りつけます。自動車の場合は油圧で動くモノが多いので、その構造は注射器に似ています。油を入れると伸び、抜くと縮みます。
さてこのクルマが走り出したとしましょう。まず加速では、普通のサスペンションでは車体後部が沈み車体前部が持ちあがりますね。この時車高センサが後輪で縮み方向の、前輪で伸び方向の信号を出します(これがフィードバック)。すると後のアクチュエータをツッパらせる為に油を送りこみ、一方前輪は縮める為に油を抜きます。この油の出し入れは、運転手の意思などお構いナシに車高センサが水平の信号を出すまで続けられ(クローズドループ制御)、水平信号が出たら油の出し入れを止めます。これで姿勢を水平に保ちます。
カーブを曲がる場合も同様です。カーブでは外側に車体が傾くので、カーブ外側のサスペンションが縮み内側のサスペンションが伸びます。ここでも油を出し入れして、車高を水平に保ちます。
そして、制動する時は加速の時と逆に油を出し入れすればOKです。
勿論このままではヤミクモにツッパったサスペンションになってしまい乗心地もナニもあったモノではありません。
実際の製品ではロードセルとゆぅセンサで各輪荷重や加速度計で加減速や旋回の状態を取ったり、ハンドル操舵角を測って予測制御をカマせたり、或いは特定周波数以上の動き(路面のデコボコなど)は制御しないなどの条件付けをしたりします。