日本各地の羽衣伝説の話の筋を簡単に表でまとめたページがありました
ので、参考URLに載せます。
私が思っていたのは、(複数の話が混ざっていると思いますが)
1.漁師が浜辺で羽衣を手にいれる。
2.漁師は天女に自分と結婚して10年一緒に住んでくれたら羽衣を
返すと約束する。
3.夫婦は仲良く暮らして子供も生まれる。
4.10年目に羽衣を返すように天女が漁師に迫るが、漁師は
まさか、子供もいるのにそのようなことを要求されるとは
思わず、羽衣は返さない。
5.ふとしたきかっけで羽衣を見つけた天女は子供と漁師に
「未練はあるが自分は帰らないといけないのだ」というような
ニュアンスの言葉を残して天に帰っていく。
のようなものでした。
「羽衣は見つけたけれど、やさしい漁師と子供のために天に帰る
のをやめた」
という話をハッピーエンド好きの私なら期待しますし、西洋の話
ならそうなりそうです。
なぜ、子供を残してまで天に帰らないといけないのか・・・
例えば、かぐや姫もおじいさん、おばあさんに別れを告げ羽衣を来て
地上の記憶を消して、月に帰ります。
「竹取物語」の解説には地上界(俗界)の考え方でしかかぐや姫と
接することができない貴族、天皇、おじいさん・おばあさんと、
天上界(人間が変化させられない真理の世界)の人間であり、すべてを
理解しているかぐや姫との考え方の差が記述してありました。
月に帰るのは自分の意思ではないが、「そう決まっているものは
人間の力では変えることができない」とかぐやは思っており、素直に
地上界の記憶を捨てて、迎えの車に乗ります。
羽衣の天女も一緒で、天に帰って行ったということは、親子とか夫婦の
絆よりも強いものが自然の決まりにはあり、それには人間が手を加える
ことができない、ということを言いたかったのでしょうか?
(この場合、「天女は天上界にある」という決まりに素直に従った)
取り間違えると無気力・放任・なげやり主義にも聞こえますが、
人間の力でどうにかしよう!という西洋風の考え方とはちょっと
違う、東洋的な自然界への畏怖・畏敬の念や人間の力のはかなさを
表す一つかなって思っています。
(すみません、素人の思いつきです。)
お礼
お答え頂き有り難うございます。 伝説についてすっきり纏まったサイトの紹介も嬉しかったです。 お話もとても興味深く拝読致しました。羽衣伝説の中の天女は人間と違って天人は情が薄いように思っておりましたが、なるほど、自然の理を知るものと知らないものの差異、という考え方も出来るのですね。目からウロコの思いです。 とても面白かったです。有り難うございました。 ポイントの発行に付きましてはもう暫くお待ち下さいませ。