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接着剤 ゆず肌(オレンジピール)
接着剤のゆず肌について困っています。 接着剤は2液硬化型を使っております。接着剤をPETにコーティングして 乾燥させるのですが、硬化収縮してゆず肌状になってしまいます。 乾燥温度、乾燥風量、接着剤自体の改良(添加剤をいれる)で発生を なくせるのではと考えてはいるのですが何か具体的に改善につながる 施策を教えてください。 宜しくお願いいたします。
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SOPH-AS9様の接着剤組成、乾燥条件やゆず肌の状態観察など、私には情報がありませんので、あくまで一般論による推察となります。 乾燥後にエージング工程でゆず肌が発生すると言うことは、それまでは接着剤表面は平滑だった訳です。 それが、部分的に厚くなったり、薄くなったりして、表面が荒れてしまう、表面積が増えてしまう訳です。 接着剤の表面張力は、表面積を小さくする方向に働きますし、均一に表面が硬化収縮すれば、表面積を少なくする方向に働きます。 それにもかかわらず、何らかの力が働き表面積が増えてしまう訳です。 まず、塗布時のスジや面荒れ、送風による波立ち、溶剤蒸発による対流、循環などの要因が考えられますが、今回は乾燥が終わった後のエージング時にゆず肌が発生していますので、塗布や風とは違った要因ではないでしょうか。 平滑面がゆず肌に変化するためには、接着剤が流動しなければなりません。エージングに入る前に粘度が高ければ、流動しにくくなりゆず肌は減少すると思います。 (しかし、あまり早く、粘度を上げるとエージングではなく、溶剤蒸発、乾燥時にゆず肌が発生してしまうかもしれません。) 高温で、エージングするほど「ゆず肌」がひどい理由の一つは、エージング時での粘度が下がるからだと思います。 「ゆず肌」を引き起こす力は何か? それが解れば、問題解決に近づけますが、私には解りません。 ただ、可能性の一つとして、不均一に硬化収縮しているかもしれないと推察しています。 (エージング時に溶剤が蒸発していることはないとの仮定の上での話です。もし、エージング時でも溶剤が蒸発しているのであれば、対流の可能性もあると思います。) 硬化して縮むところと、相対的に硬化が弱く伸ばされてしまうところが存在すると、加熱硬化という工程で「ゆず肌」が発生してしまう可能性があるのではないでしょうか。 初めは、溶剤、接着剤、硬化剤の3成分系で相溶しています。 乾燥によって接着剤、硬化剤の2成分系になります。 その時の相溶性は、3成分の時とは違いますので、乾燥前の接着剤溶液が透明であっても、2成分系での相溶性が良いとは限りません。 乾燥状態での透明性はどうですか?濁っていませんか? (硬化剤量が少ないほど、「ゆず肌」は少ないのですよね。) 相分離していれば、硬化剤の種類を変化させるのも解決手段になるかもしれません。 芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートとでは、相溶性がかなり異なると思いますので、どちらかに変更して試験してみるのも良いかもしれません。 情報量の少ない中、勝手な推論を述べているだけですので、平滑面をゆず肌状に変化させる「力」は何か? 現場をよく観察して見つけ出すのはSOPH-AS9様の眼力にかかっていると思います。 頑張ってください。
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- psa29
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単純に硬化収縮をすれば、表面積は減少する方向、つまりゆず肌を治す方向になると思います。 よって、エージング時にゆず肌になるということは、エージング時に硬化収縮に打ち勝って、ゆず肌を起こす何かが起こっているものと推定します。 そして、温度が高いほど顕著になっているのだと思います。 まず、エージング時に乾燥が不十分で、皮膜が出来てしまった状態で溶剤が乾燥し、ゆず肌を起こしていることも考えられます。 次に硬化剤としてイソシアネートをお使いのようですから、イソシアネートからの炭酸ガス発生も疑われます。 イソシアネートは水分やカルボン酸と反応すると炭酸ガスを発生します。 イソシアネートの反応相手としてカルボン酸を使っていれば、炭酸ガスの可能性があります。 カルボン酸の反応性は水酸基やアミド、水、に比べ低いので高温が必要です。そして二酸化炭素が発生します。 エージング時に炭酸ガスが発生し、(目に見えないくらいの)微小な気泡が発生していませんか? もし、炭酸ガスが原因ならば、カルボン酸や水分を除去する。 イソシアネートの当量を過剰にしない。 カルボン酸の代わりに水酸基を用いる。 などが考えられます。 被膜が硬化するというだけで、ゆず肌が生じるのであれば、不均一に収縮しているということになります。 何か、充填剤か非相溶系のものが添加していれば、その分散状態によって部分的に収縮するところと、そうでないところが存在しゆず肌が生じるかもしれません。 質問文の内容だけからでは、全て推察になってしまいます。 一般にゆず肌は、低温で長時間乾燥する方が起こりにくく、乾燥工程の生産性とトレードオフの関係にあるのではないでしょうか? もし、エージング時にゆず肌が生じるのであれば、エージングの前段階で、出来るだけ乾燥、硬化を終了させておくべきではないでしょうか? そして、エージング温度を出来るだけ下げることが対策になると思います。
お礼
psa29様詳しいご説明ありがとうございます。 psa29様の推察どおり低温乾燥しエージングするとゆず肌が 強くなりまた、乾燥温度を同じにし、エージングすると エージング温度が低いほうが改善傾向が見られました (但し全くなくなったわけではありません)。 イソシアの反応に伴う炭酸ガスですがpsa29様の見解どおり 発生いたします。ですので水分系の除外はもちろんのこと 炭酸ガスが発生しにくいようにイソシア反応速度を落としております。 塗布面の観察もしておりますが気泡の確認はできませんでした。 不均一に硬化しているとのご見解ですがやはり相分離を起こしている という可能性があるということでしょうか。 接着剤の設計次第で直るものなのでしょうか。もし、直るのであれば 御知見伺えないでしょうか。 質問ばかりで大変恐縮ですがご教授よろしくお願いいたします。
- psa29
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ゆず肌の原因は、硬化収縮ではないと思います。 乾燥前に均一に塗布できているとすると、ゆず肌になった時、表面は凹凸となり、表面積は増えています。 表面張力も硬化収縮力も表面積を小さくする方向に働くと考えられます。 これらの力を打ち破ってゆず肌にしてしまう外力が働いているのでしょう。 SOPH_AS9様が問題にしているゆず肌の大きさがどの程度のものか判りませんが、粘度の低い状態で強い風を当てるのは禁物です。 乾燥炉に入り、温度上昇と共に粘度が下がります。 そして、乾燥されることにより固形分濃度が上昇し、粘度が上がります。 乾燥前半での強い風は、ゆず肌の原因となります。 さらに溶剤が乾燥する段階でマランゴニ対流が起こります。 溶剤は沸騰しない限り、表面層から蒸発していくので、表面での溶剤濃度が低下し、対流が起こるのです。上から見ると6角形の形で対流すると言われています。 もっとも激しく、蒸発乾燥するときの温度を高くしてしまうと激しく対流し、ゆず肌の原因となってしまいます。 よって、乾燥前半での温度と風量管理が大切となります。 低風速でゆっくり乾燥させるとゆず肌は起こりにくくなりますが、生産性が低下します。 それを解決する手段として、高沸点溶剤の添加が考えられます。 低沸点溶剤がなくなった後も流動性を保ちレベリングするからです。 乾燥後半で高沸点溶剤を飛ばします。 乾燥時に皮張りさせてはいけません高沸点溶剤の添加は、皮張りの防止にも役立ちます。 溶剤が激しく蒸発しているときには、面は荒れやすいと思います。 急激に硬化して、水平面を保ったまま乾燥できればよいのですが、一般的には、硬化が進みながら面が荒れてしまうとレベリングできませんから、硬化反応は遅い方が有利ではないでしょうか? 溶剤量が極端に少なければ、平滑状態でしっかり硬化した後に溶剤を除去すれば、面は荒れないと思いますが、そのような事例は特殊ではないでしょうか。
- 参考URL:
- http://ja.wikipedia.org/wiki/対流#.E3.83.9E.E3.83.A9.E3.83.B3.E3.82.B4.E3.83.8B.E5.AF.BE.E6.B5.81
お礼
psa29様ありがとうございます。 非常に参考になります。感謝しております。 乾燥風量、温度の件、私自身も効果があると踏んでいるのですが 結果としてはっきりしているのがエージング温度が高いと ゆず肌が強くなります。そのため私は効果収縮が起きていると 推察したわけです。 乾燥条件及びラインを同じにしても接着剤によりゆず肌の強さ が異なりNCO反応速度が関係あるのか、全く分からない状況です。 もし、エージングで差がでる要因が分かるのであれば教えていただけないでしょうか。 よろしくお願い致します。
No1です。 当方とは違い、接着に対する精度の要求が高いようですね。 申し訳有りませんが、おちからになれそうに有りません。 接着剤、塗料、有機溶剤、など、社内のそれぞれの部署で使用しております。 以前在籍した接着、及び部品組み付けの現場では、2液硬化型の接着剤も使いました。 主としてABS樹脂等の加工をしております。(射出成型、塗装、接着や他の部品組み付けなど) 塗装面にゆず肌があってはマズいのですが、接着面は隠れるため 質問者様の在籍される場所ほどシビアな要求をされませんのでそこまでの知識を持ちません。 (ただ、品質維持のためには、乾燥路の手直し、ポンプやエアガンの選定などは重要です。) 塗料など納入している出入り業者の担当者から聞いた話です。又聞きですので、 あくまで参考としてください。 2液硬化型接着剤の場合は、硬化剤を変えて対処することが多いそうです。 もちろん、主剤自体たくさんの用途が有りますので、それらを組み合わせながら、のことです。 添加剤・・・既に接着剤自体にたくさんの添加物が配合され、それぞれの用途に向けて 製造されている場合が殆どなので、作業現場で添加剤を用いることは無いそうです。 実際、私の勤務先でも、ライン替えをするときは、作業の種類によっていろいろと変えています。 なので、この辺については、出入り業者などと綿密に打ち合わせをされたほうが、 お望みの状態が得られるかと思います。 NCOの反応性・・・ウレタン結合が生成されることですね。 たしかアクリルポリマーを主成分とするエマルジョン塗料は、耐摩擦性に優れ、レべリング性が向上しますね。 接着剤も反応が早ければ、より、効果はあると思います。 (これは、くだんの出入り業者も同意見です。) こちらとは諸条件も違うでしょうから、 もう一度、担当者さんと良くご相談され、事態の改善を図っていただきたく思います。 お力になれずに誠に申しわけ有りません。 ※蛇足ながら一点だけ・・・ 接着面は、とにかく「綺麗にする」よりほか有りません。 以前、亜鉛めっきを施した部品の接着をしていたことがありますが、 金属部品には、磨き粉(バフ)がついたままのことが多く、これが曲者で、 部品組み付けの精度にバラツキが多かったのですが、洗浄ライン(高圧水での洗浄)を取り入れてからは、飛躍的に精度が向上しました。
お礼
ありがとうございます。 硬化剤変更の件、早急に対応したいと考えています。 細かく丁寧に教えてくださり大変感謝しております。 本当にありがとうございました。
しがない工場作業員です。分かる範囲でお答えします。 そもそも、接着とは溶接とは異なり、接合する界面が存在しますね。 そのため、接着力は被着材の表面状態に大きく左右されてしまうことはお解かりいただけるかと思います。 やはり、洗浄や研磨で異物を取り除くなど、事前に表面処理を施すことは必要かも知れません。 例えば、金属では防錆剤や油分・酸化物を除去する、プラスチックや成型ゴムでは残留離型剤を除去するなど・・・。 また、一部の被着材には(PETかどうかは忘れてしまいましたが) プライマーを塗り、接着力の向上を図ることも表面処理のひとつとして有る、と聞きました。 さて、ご質問の「ゆず肌」、スプレーガンなどをお使いになり工場で大量生産をされているのでしょうか? スプレーガンの選定は正しいでしょうか?また、操作は適正でしょうか? もしくは吹付けや、エア圧力の不足は考えられませんか? 被塗物にあったスプレーガンを選定することは言うまでもないことですが、 一例として、照射距離を20~30cm、運行速度を30~60cm/秒、圧力を4kg/cm2ぐらいに設定、 と聞きましたが、質問者様とは条件も違うかと思われますので一概に申し上げられません。 乾燥路の高い気温、過度の通風も被塗面には宜しく有りません。 (これは、塗装でも同じことです。) 乾燥温度はできるだけ常温に近づけたほうが良いそうです。 (だいたい1時間から1時間30分ぐらいが乾燥時間の目安です。) 接着剤の粘度が高くは有りませんか。?硬化剤の過剰添加は有りませんか? 二液型は、確かに混合することで化学反応を起こし硬化や接着しますし、 加熱により接着強度を高めることもできます。 耐油性や耐寒性にも優れますから、金属・セラミック・プラスチックなどの構造材料用、 はたまた食品包装用のラミネートフィルムの接着にも用いられますが、 お使いの素材に対してはいかがでしょうか? 被塗物の温度は高く有りませんか。? または、形状が複雑だったり、大きな被塗物だったりしませんか? とりあえず、思いついた点を書いてみました。 お求めのお答えでなかった場合はご容赦下さい。
お礼
早急かつ、丁寧なご説明誠にありがとうございました。 大変感謝しております。 要因が多くあるので1つずつ検証していきます。 もし、ご存知でしたらご教授いただきたいのですが、 NCO反応が早いほうが発生し易いとかはありますでしょうか。 また、主剤の成分に添加剤を加えるとしたらどういったものが よろしいのでしょうか。
お礼
psa29様いろいろご教授いただき本当に感謝しております。 これらのご助言をもとに再試験を実施いたします。 本当にありがとうございました。