- ベストアンサー
バロック音楽のピッチと音取り
バロック時代には室内ピッチと聖歌隊ピッチの二種類があったそうですが ドイツ、フランス、イギリス、イタリアではそれぞれどうなっていたのでしょうか? また、室内合奏(ハープシコード・ガンバ・ヴァイオリン)の音取りの方法ですが、まずリコーダーのC音にハープシコードを正確に合わせて調律し次にハープシコードの音を聴きながらガンバとヴァイオリンを調弦するという方法であったのでしょうか? よろしくお願いします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
おはようございます。 フランス語で申し訳ないのですが、こんなページを見つけました↓。 http://www.musebaroque.fr/Articles/diapason.htm バロックと一口に言っても「年代」「(文化)圏」「都市か田舎か」「音楽形態」によってピッチは異なる・・・云々、という説明があった後、「おおざっぱに言うと」の条件付で以下のような概要が記されています(青い文字の文章のすぐ上)。 ●フランスのバロックのピッチは、かなり低く、およそ392Hzあたりである。 ●17世紀後半のイギリスのピッチはフランスのピッチに近い(様式的な影響下)。 ●イタリアのピッチは半島の南は低く(ローマで392Hz)北上するに従って高くなる。最も高いのはベネツィアの460Hz前後。 ●18世紀のドイツとイギリスのピッチは、17世紀前半の初期バロックと同様に415Hz前後。しかし教会音楽は一音高く465Hzあたりである。 またフランスのwikiにはマラン・メルセンヌ(メルセンヌ素数のメルセンヌです)が決めた(?)ピッチが掲載されています。なお、フランス語では「音叉」と「(音楽における)ピッチ」は共にdiapasonの語で表わされます。 http://fr.wikipedia.org/wiki/Diapason Evolutionの項の表をごらん下さい。 1636年 504Hz Mersenne ton de chapelle (聖歌隊) 1636年 563Hz Mersenne ton de chambre (室内楽) メルセンヌはほとんどパリに住んでいたと思われる(オランダ旅行とイタリア旅行はしている)のですが、このピッチは全然フレンチ・ピッチじゃありませんね・・・・。 余談ですが、以前トン・コープマンがユトレヒト大学の音楽学者と協力してバッハのカンタータ全集を録音していた頃、ピッチについて質問されて「バッハの生前だって都市によってピッチは違っていたのだから、そこまで再現することは事実上意味がない」とインタヴューで答えていたのを思い出しました。結構複雑な問題だったんですね・・・。
その他の回答 (2)
- anapaultole
- ベストアンサー率65% (825/1256)
Tallis さん はじめまして クープランとありましたので、小筆を執ります 正解は、なんとオーボエのようですね フルート奏者ジャック・オトテール(Jacques Hotteterre 1674-1763)を 生み出した管楽器職人オトテール一家がルイ14世治世下で 完成させたバロックオーボエのようです 詳細は、ピアノなどの調律と修理家が、作曲家であり音楽学者の Jacques Chailley(1910-1999)の書籍を引用しながらのサイトを http://www.musica-stnazaire.com/dossiers/diapason.htm 更に、当時音叉が1711年にJohn Shoreによって発明されても 各国で色々なピッチを持ち続けていたことは、最大で18のピッチを 発することのできる特大長さ約80センチの音叉が造られて いたことでもご理解いただけると思います その画像をご覧下さい (左右の錘螺子の位置を変化させて、必要なピッチを出します) http://vlp.mpiwg-berlin.mpg.de/library/data/lit13687/index_html?pn=24&ws=2.5&wid=digi_70 以上です。。。
お礼
バロックオーボエはリコーダー同様室内ピッチの楽器のようですね。 フランスではオルガンのピッチも室内のピッチも同じやったのかが 気になるところです。 最大18のピッチを発する音叉にはオドロキでしたが一つの時代と 地域であっても室内と野外、教会というように3種類のピッチを持つ 場合が多いのでなんとなくそのようになった経緯が理解できます。
室内ピッチと聖歌隊ピッチの二種類があったという話は知りませんが, 聖歌隊なら教会のオルガンのピッチではないかと思うのですが…。 バロック時代といっても範囲が広いですが, その当時は,ドイツ,フランスなど,国による事情よりも, それぞれの町の教会のオルガンのピッチに統一性がなかったようですので, 聖歌隊ならいくらという決まったピッチはなかったのではないかと想像します。 その教会のオルガンが基準ということで。 話が広がりますが,こちらの投稿 [648][649]あたりも面白いと思います。 http://www.kantate.info/cantatabbs/cantata_bbs.cgi?page=832 BWV106について コアトーン,カンマートーン [ページの最後のところ] http://www2s.biglobe.ne.jp/~bcj/02.09.14sc56.html 上記リンクのコアトーン,カンマートーンから考えて, リコーダのC音からハープシコードのC音を取ることは考えにくいです。 また,ピッチ調整は一箇所だけ調整すればよいリコーダを基に 何箇所も調整しなくてはならないハープシコードの方を調整することも 考えにくいです。
お礼
ピッチの問題は思ったより複雑でした。 リコーダーを基準に音程を合わせると思っていたのですがそうでもないですね。
お礼
興味深い資料を提示していただきありがとうございます。 フレンチピッチのa'=392HzはJ.ブロウやパーセルらロンドン学派に影響を与えたことがわかりますが18世紀のイギリス室内楽ではなぜ415Hzになったのでしょうね。ドイツの影響かと思いましたがヘンデルは室内楽ではフレンチピッチを採用したようなのでカンタンに説明つきそうにないですね。 またローマがフレンチピッチとは意外でした。