刑執行の報道を見ても「~の拘置所で刑の執行があったとみられる」と婉曲な表現が使われるようですので、制度上の手続きの流れは分かっていても、個々の事案の細かい判断のプロセスなど外部からはうかがい知ることはできないはずです。法律では死刑確定後半年以内に、法務大臣に命じられた検察官が刑の執行を行うことを定めています。しかし実際には半年以内ということはなく、死刑判決の確定後数年あるいは数十年後の執行ということもめずらしくありません。
この刑執行までのプロセスに携わるのは、刑事局付け検事で、こういう人たちと仲良くなれば、個別の事案について教えてくれるかも知れません。(私がその立場なら絶対に教えないでしょうが。)死刑確定判決の諸記録は裁判所や検察庁など司法の手を経由して、法務省の管轄となります。法務省は大臣官房で刑の執行について差し障りないかの判断を行います。刑が執行される場所は普通未決囚が収監される大都市の拘置所のようです。
そして最後は、受刑者本人が刑を受け入れるだけの平穏な心理状態にあるかどうかなど、受刑者本人の心境なども加味して日程が決められるという話です。法務大臣がサインすれば5日以内に執行されるようです。
最近では行政も死刑推進の流れに傾いているようで、元号が変わる時に恩赦があると期待して控訴を取り下げた囚人がいたそうですが、控訴取下を勘違いだとして審理再開を求める申し立てが最高裁で却下され、その2ヶ月後に刑が執行されたという例もあります。
>その日までの期間は長いほど苦痛に感じるのでしょうか。
日本では刑が確定した死刑囚の外部交通権が極端に制限されるため、その心境を知る術は、執行後に出版公表された手記や手紙などに頼らざるを得ませんが、相当な圧迫であることは間違いありません。死刑の判決を逃げるために心神耗弱、心神衰弱を演じるものもいるそうですが、たいていは演技がばれて中には本当に錯乱状態となり精神病に罹患するものもいるそうなので、「死刑」という言葉は罪人にそれくらい大きなプレッシャーをかけていると言えるでしょう。
お礼
ありがとうございます。お礼が遅くなってしまって申し訳ありません。 やはり外部の人間にはわからないものが多いんですね。 しかも本を出版しても法務省が批判することが多いようですね。 詳しい情報をありがとうございました。