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アーノンクール氏の魅力
アーノンクール氏は私には難解な演奏家なのですが, 人気がある指揮者なのできっと人を惹きつけるものがあると思っています。 これぞ名演奏(C D)とか,この点がすごいとか, こんなことろが好きといったことをお聞かせいただいて, 次に聴く機会には,その視点に着目して聴いてみようと思います。 主観になると思いますが,その方が嬉しいです。 いろいろとお聞かせください。 所持しているのは3つだけです。 バッハ:ロ短調ミサ, シューマン:協奏曲(P)アルゲリッチ,(Vn)クレーメル, モーツァルト:後宮からの逃走 怖いもの見たさのようなところもあるのですが, モーツァルトの初期交響曲を検討中です。
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こんにちは。 まず,氏がどういった事を考えて音楽を表現しているかについては,著書がいくつかありますので,それをお読みになってみるのもよいかと思います。(私は読んだ事はありませんが・・・) 以下,お言葉に甘えて主観丸出しで(笑)。 作曲家の意図や作曲当時の演奏を後の時代の音楽家が100%完璧に再現することは不可能である,というのは,言わずもがなのことではあるのですが,それを暗黙の了解とした上で,どこまで尊重すべきかという部分は,音楽家によってかなり異なると思います。 アーノンクール氏は,演奏の歴史的/音楽的な「正統性」を考える事はそもそも無意味である,とすら考えている所もあるように思います(雑誌の記事などの断片情報の寄せ集めなので,誤解はあるかも)。 彼の音楽の根底には,オレは自分自身が楽譜から読み取ったオレの音楽を表現しているのだ,という強い主張を感じます。(もちろん,膨大な研究や考察を重ねた上で,という前提ですが) ご存知かと思いますが,彼は古楽畑出身の人で,演奏は,一聴して最近はやり?の「ピリオド・アプローチ」風です。 ピリオド・アプローチ派(?)に共通している部分として,20世紀風ロマン派奏法(ビブラートの多用,演奏人数の増加,濃厚な表現,等々)によって塗りつぶされてしまった部分を取り戻そう,というのがあるように思います。 例えば,濃厚な音色に酔わせるよりもちょっとしたリズムや旋律の動きにこめられたニュアンスを大切に,極端なダイナミクスやアーティキュレーション,など。端的に言えば,音を「歌わせる」のではなく,「語らせる」という感じでしょうか。 私のような素人は,どうしても,奏法の変化による音の変化を興味本位で見てしまう部分がありますが,大切なのはその奏法により何が表現されるのかである・・・という命題を,ピリオド・アプローチブームの遥か前から我々に突き付け続けていたのが,アーノンクール氏であったのかな,と思っています。 彼の音楽は独善的で自分勝手と感じる事があるかもしれません。 でも,独善的で自分勝手で凝り固まっているのはあなたの耳(感性)ではないの? と,我々は彼に試されているのかもしれませんね(笑) CDの紹介ですが,ここはあえてロマン派の作品から。 古い時代の音楽だと,上に挙げたような特質が丸裸に近い状態で出てくるので,かなり強烈な表現になりますが,大きめの編成の曲だと,見通しがよくなって聴きやすいという一面もあると思います。ただ,いかにもロマン派だと,やっぱりそれなりに違和感もあるでしょうから(例えばベルリンフィルとのブラームスの交響曲とか)・・・。という事で,こちらを。 ☆ウィーンフィルハーモニー管弦楽団/ブルックナー 交響曲第5番 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1781897 http://www.amazon.co.jp/dp/B0006SLCYY 同じCDですが,レヴューの割れっぷりが面白いので(笑) 私はCDは聴いたことがありませんが,同オケ・同曲の実演はもの凄かった(?)です。
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- RCD
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アーノンクールといえば、ヘンデルの水上の音楽とモーツァルトのレクイエム(1981年録音のほう)だと思います。 いずれもウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとの強烈な演奏で耳に残ります。水上の音楽のホルンのフラッター奏法なんてすごいですよ。
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ご回答いただき,ありがとうございます。 アーノンクール氏の第一印象,そして,その後の印象も「好みではない」と 思いながらも,気になる存在です。 しばらくC Dを買っていませんので,特に何が欲しいというものもないのですが, 何か新しいものが欲しくなって,これまでの自分のC D選びのパターンとは 違ったものを選びたいという気持ちもあり,アーノンクール氏のものから モーツァルトの初期交響曲集を候補にしていたところです。 アーノンクールファンの方からのご意見を聞くと新しい発見があるかも…と 思いました。 水上の音楽はC Dを持っていませんので,ちょうどいいです。 フラッター奏法…聞いたことがある名前ですが,何か思い出せないので 調べてみました。水上の音楽のどこで入るのでしょう。 パッパパパパパパ・パア ~ ンってとこでしょうか。楽しみです。 http://www.hmv.co.jp/product/detail/736328 購入者のレビューも面白いですね。 レクイエムKV626は大好きな曲ですので,聴き比べてみて 「好みではない」と思っていた人から大発見があるかもしれません。 http://www.hmv.co.jp/product/detail/2598679 DVDではお薦めの1981録音のものがありました。 上記のライブも興味深いです。発売日までが長いので, まずはヘンデルを聴いてみます。 >強烈な演奏で耳に残ります…というのが少し怖いですが。
お礼
奇妙な質問と思われたと思いますが,ご回答いただきありがとうございます。 質問の意図を詳しく書くと文が長くなり,また,回答をいただく範囲が 狭くなると考え,書くのをやめました。 ANo.1さんのお礼に書いたこともあるのですが,もうひとつ考えていたことは, ピタッと当てていただきました。 >アーノンクール氏は,演奏の歴史的/音楽的な「正統性」を考える事は >そもそも無意味である,とすら考えている所もあるように思います 私の固まってしまっている(?)モーツァルト観を崩す人ではないかという 気配のようなものも感じています。 カール・ベーム氏が全盛期の頃,モーツァルト=カール・ベームという私でしたが, 私自身が変わってきて,以前は気に入っていたはずの演奏を聴いても 生気の無さを感じるようになり,好みが変わってきました。 比較的最近の古楽によるモーツァルトも新鮮さを感じますが, アーノンクール氏ほど刺激的ではありません。 受け入れるには大きな抵抗がありますが,アーノンクール氏を理解することで 自分が変わるかもしれない,そんな気にさせる存在です。 どう言えばよいのかが分からなかったことをうまく表現されました。 >独善的で自分勝手で凝り固まっているのはあなたの耳(感性)ではないの?と, >我々は彼に試されているのかもしれませんね 理解できない,好みではない…で終わらないで, 考えておきなさい…と,宿題を与えられたような気分になります。 ブラームスも大好きで,ブラームス観が固まってしまっているかもしれませんが, お勧めのブルックナーの第5番は私にはいいかもしれません。 ヴァント&ベルリン・フィル1996年を持っていますが,曲自体をまだ理解できて いません。ブルックナーを聴いてみたくなると,つい,お気に入りの第8番を 聴いてしまい,「5番はいい!」という話はよく聞きますが,ゆっくり聴いたことが ありません。演奏の理解以前に,曲の理解が必要ですが。 著書があることは知りませんでした。調べてみます。