>貼り紋は使わないほうがいい」という考えの方がいらっしゃいましたら、理由をご教示ください。
貼り紋自体が間に合わせなのです。
ちゃんとした「紋付」を持っていない、今からでは間に合わない、
それなのに、紋付を着用しなければならないというときに「貼り紋」をする。
すなわち、「ちゃんとした紋付を持っていません」と宣伝するに等しい。
>季節やお出かけ先の状況に合わせて、紋を張り替えて楽しみたいなと思っております。可愛い貼り紋のサイトをご存じの方、ぜひとも私にご紹介ください。
ですので、それ自体を「しゃれ紋」と思って、かわいいのやら、
季節に合わせてというようなことは「しゃれ紋」というしゃれをするなら
「紋を貼り返る」という時点で非常に貧乏くさい洒落になります。
どういったらいいかはわかりませんが、
たとえば、葬儀には男の人なら「黒いネクタイ」をしますね。
これが間に合わないからと紙で黒いネクタイを貼り付ける。
マ、緊急事態だから仕方がないと周囲も認める。
しかし、貧乏くさい、あるいは、準備が悪いという視線との引き換えです。
それを、デートだから、観劇だから、お正月だからといって、
いろんな色柄での紙のネクタイを作ってシャツに貼って
「しゃれ」として楽しむというのは・・・アリでしょうかということになります。
どうしても、ネクタイというときにはしのぎの策にはなりますが、
それは「持ってない」よりはまし、どうしても必要なとき
にとる苦肉の策なのです。
それを、更にネクタイは何も持ってませんが、
おしゃれとして紙のネクタイはとっかえひっかえしたいですと言うのは、
本来、「ネクタイのシャレ」を楽しむ本筋なのかという・・・・わかるかなぁ。
今は、ワッペンのような感覚でそういうことをする人もいるのかもしれないですが、
きもの年代の人は、そういうのを見ると、ひとまずは「ギョ」とするでしょう。
多くは、喪服に貼り紋というのが常套手段だった。
これは、結婚前につくっておくのは嫁入りしたくで、いい。
しかし、その後につくると
人が死ぬとか、不幸を期待しているという縁起担ぎをしているうちに
つくらないで先送りしていると、ほんとうに必要になって、「間に合わない」
そのためのものなのです。