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専門家にお尋ねです。メニエル患者で外科的処置を必要とする基準は?
メニエル患者に対する治療法の中で、外科的処置に対する ドクターの消極的な態度が気になります。 私は外科的処置(内耳摘出術)でとても効果があった者ですが 外科的処置の必要、必要が無い・・・などの判断は どのようなところでなされているのでしょうか?
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- nekotataki
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耳鼻科専門医ではないので、以下は参考意見としてお読みください。 メニエールに限らず、めまいや疼痛など不愉快な症状が慢性的に続く患者さんは「とにかく早くこの症状をなくして欲しい」と早期の手術を願うものです。 その切実な気持ちはとてもよくわかりますし、私たち医療サイドもできることならその願いに応えたいと考えるのですが、やはり手術によって失われる機能が大きいと、手術後の患者さんのQOL(生活の質)を考えて躊躇してしまうのです。 肝臓など一部の臓器を除けば、人間の体は一度切り離してしまえば、その部分は二度と再生されません。 聴力や平衡感覚を司る「内耳神経」「迷路」は、摘出してしまえばもう二度と元に戻ることはありません。 聴力や平衡感覚が失われることによって起こる数々の弊害と、手術後の患者さんが生きていく時間の長さを考えあわせると(メニエールの発症好発年齢は30~40代と比較的若年であることから、その後の人生は長くなる)、できれば聴力や平衡感覚など、生命活動の維持に直結するような機能はなるべく残してあげたいと考えて「早期に切除」はお勧めしないのではないでしょうか? 特にメニエールはごく稀ではありますが両側性に発症することがあり、それも左右が若干の時間差をおいて発症することさえありますので、最悪の場合、片側を早期(まだわずかでも聴力があるうちに)に切除した後、もう片方も発症してしまい、しかも後から発症したほうが重篤であったとなると、その患者さんは完全に聴力を失ってしまう可能性や、普通に歩くことさえ困難になる可能性さえあります。 極端な例で言うと、腕の慢性疼痛患者さんが、「一日中腕が痛くてたまらないから、腕を切り落としてくれ」と望んだ場合、すぐに希望に応じて腕を切り落としてくれる医師はまず居ないということです。 腕が失われることによって痛みはなくなったとしても、腕がなくなったことによって今後の患者さんの生活の質が大幅に制限されるのが目に見えているからです。 腕が利き腕だったり、患者さんが若いならなおさらです。 万一、事故などで反対側の腕も使えなくなったら大変です。 できるだけ腕を残して、痛みをとるよう努力するのが普通の医師です。 この点はお分かりいただきたいと思います。
- nekotataki
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どのような病気にも共通すると思うのですが、外科的治療に踏み切る基準は「外科的に処置したほうがよく治る。外科的方法より他に治す方法が無い」場合です。 外科的治療によるメリットと、外科的治療をするがゆえに発生するデメリット(合併症とか手術侵襲)を天秤にかけ、患者さんのメリットが大きいと考えた場合に外科的治療が選択されます。 逆に外科的治療がためらわれる場合は「外科的治療によって合併症が起こりやすい」場合で、特にその合併症が不可逆(元に戻すことができない)である場合は、多くの医師が選択をためらいます。 (例;腹腔内癌性疼痛に対する神経ブロック→痛みは取れるが尿便失禁が起こる確率が高い。など) メニエール病の場合、薬を用いてもめまい発作が治まらず、日常生活に支障を来すほど頻繁に起こる場合が外科治療の対象になると思われます。 しかし、内耳には音を聞いたりや体の平衡感覚をつかさどるという大事な機能がありますので、外科的処置によって重度の難聴や慢性的な平衡機能の低下が起こるおそれがあります。 そこで、なるべくなら保存的治療法で治療しようと考える医師が多いのだと思われます。 メニエール病に対する外科的治療には、「内リンパ嚢開放術」や「内耳前庭神経切断術」がありますが、これらは難聴や平衡機能異常がほぼ必発です。 質問者さんが受けた「内耳摘出術(正確には迷路摘出術という処置で半規管を完全に取り除く)」は、通常、患側の聴力回復が望めないときに踏み切る手段です。 以上、麻酔科医からの意見でした。
補足
ご回答ありがとうございます。 また、参考になるリンク先のご紹介もありがたく拝見しました。 私の場合では、両側メニエルではなく、片側だけのメニエルであったので 手術の効果も良好であるのかも知れませんね。 と言うのも、素人判断ではありますが、両方の内耳の働きのアンバランスが めまい等の諸症状(私はこれを脳内の混乱と考えます)を引き起こしている原因だと感じているからです。 ご存知のように、メニエルには心身へのストレスが大きく影響するようですが メニエル症状そのモノが私にとっては最大のストレスとなっておりましたし 頻繁なめまい発作の為に日常的な生活への影響は非常に大きなモノであったとも感じています。 私は2年目ぐらいから、自分のメニエルは重症な方だと感じましたので その頃から摘出術を願いましたが、回答者様の記述の通りに、聴力など内耳機能がある段階では 手術の実施は行なわれませんでした。ゲンタマイシン投与は2期に渡って実施していただきましたが やはり、私には効果がなかったようであります。 メニエルの発作期、安定期を繰り返す特徴から、治療の効果であるのか 症状が単に安定期に入っただけなのかは、判断が難しいというドクターの記述を拝見した事もあります。 私も同感する部分が多いのですが、発作を繰り返す事でのストレスが 罹患していない側の内耳に影響して 両側メニエルを誘発させる一因となっているのではないか? という疑問さえ持っているほどであります。 病院へいける程であるのならば、メニエル症状は軽い方であると思います。 ひどい症状の時では通院など不可能であります。 診察時の様子や患者からの話だけで、日常生活にどれほどの影響があるのかを判断できるとは感じられません。 メニエルの重症度(特に患者の日常生活への影響度)などの判断基準の 確立は難しいのでしょうか? 両側、あるいは両側のメニエルになる恐れのある患者は別として 片側だけの内耳からのメニエルである場合では、反対側の内耳機能を温存させる為に 悪い方の機能を早くから停止させた方がよろしいのではないのでしょうか? 左右のアンバランスさの「変動」がめまい症状等を引き起こすと考えれば 機能を片側だけに絞って、「安定」させた方が、むしろ効果的ではないのでしょうか?
お礼
ご回答をありがとうございます。 やはり、医師としてのお立場での考えや行動は そうあるべきなのでしょうね。 腕のたとえ話などの事は、私自身も考えないではなかったのですが 右耳と左耳との個別の機能と言うよりは、左右のバランスや その他の器官での総合的な働き・・・と考えれば 悪影響を及ぼす箇所を残す事が、むしろ全体的には悪い結果となるのではないか? 私自身の体験から、このような考え方も出てきた訳でありますので 今回のような質問をさせていただきました。 私は「めまい症状」を除いて欲しいと願ったのではなくて とにかく、仕事が出来なくなるような「症状」だけは無くしたい! と、考えただけであります。 メニエル治療が長期化することにも、辛い症状にも耐えるだけの心構えは持っていた私ですが 周りの環境がそれを許してくれなかった・・・という事であります。 そういう患者も居るのだと感じて欲しかったのかも知れません。 いずれにしても、メニエルの重症度の早期確立を願うばかりであります。 お忙しい中をご回答いただいて、どうもありがとうございました。