通常のジェットエンジンでは、コンプレッサーで空気を圧縮し燃焼室に導き燃料を吹き込み燃焼させ、高温高圧のガスでタービンを回し(このタービンの回転エネルギーでコンプレッサーを駆動する)残りのエネルギーを推進用に使用するというものです。ところがラムジェットエンジンにはコンプレッサーもタービンもありません。エンジン前部より超音速で流入するエンジン先端部の円錐形のコーンにあたり衝撃波(衝撃波とは音速を超える物体を空気中に置くと発生する圧力波です)を発生させます。衝撃波によって発生した圧力を利用して、圧縮機なしでも高圧の状態を作れるので、圧縮機を駆動するタービンも不要です。それらの機械的な部分が不要なため、通常のターボジェットでは不可能な高速での飛行が可能になります。ただし、この機構は超音速でしか動作しないため、超音速まで加速する別のエンジンが必要で、前出のSR-71ではラムジェット機構の後ろにターボジェットエンジンを備えたハイブリッド構成になっています。
お礼
図解まで付けて下さった詳しい説明、本当に有り難うございます。 大変勉強になりました。 実は、この回答によってさらに疑問が湧いてきました。 今後ともよろしくお願いします。