- 締切済み
線形代数
線形代数についての質問なのですが、線形変換Tの核とはどのような意味なのでしょうか?定義は分かるのですが、その定義の持つ意味が分かりにくいです。どなたか教えていただけないでしょうか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
核,核空間という概念は、線形代数に限らず、代数を扱うときにはいつでも出てきます(群とかでも)。それは、核と準同型写像を組にして使うと、その代数系の基本構造が明らかになるからです。 線形代数の場合、準同型写像とはじつは、線形写像(行列)の事であり、写像として見た行列(線形写像)は、ベクトル空間からベクトル空間への準同型写像になっています。 参考までに以下の定理は、線形写像の基本構造とか、標準分解とか勝手に呼んでいるものです。 定理. VとWを有限次元ベクトル空間,f:V→Wかつ線形,S=Ker(f),(+)を直和として、V=S (+) T,TはSの直和補空間,f | Tを、fのTへの制限とする。以下が成り立つ。 (1) f(V)=f(S(+)T)=f(S)+f(T)={0} (+) f(T)=f(T).f(T)⊂Wは、Wの部分空間. (2) f | T:T→f(T)は、同型写像で全単射. (3) 従って、線形なf^(-1):f(T)→Tがある. (4) 従って、a,b,c,・・・∈Tが独立なら、f(a),f(b),f(c),・・・∈f(T)は独立(逆も真). (5) 従って、dim(T)=dim(f(T))=rank(f). 上記定理は、次元定理(と勝手に呼んでいる)dim(Ker(f))+dim(f(V))=dim(V)と同値になります。また上記定理を、行列式論の支援のもとに、行列の言葉で書き直したものが、対角化可能定理です。 さらに上記定理で、Ker(f)による同値類を考えると、線形空間の準同型定理と同値である事もわかり、商ベクトル空間の価値がわかって、テンソルの構成につなげる事もできると思います。
お礼
詳しい回答有難うございます。以後勉強する上での糧とさせていただきます。本当に有難うございました。