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漢方の専門書をご紹介おねがいします!

漢方(中医学)を勉強し始めてまだ2年ほどです。 この間、漢方薬メーカーの講習を受けつつ、 ネット等で専門書をたくさん買いながら勉強してきました。 努力のかいあり、頭の中では漢方の意味合いが理解できてきたような気がしてきましたが、 専門書の中には難しくて途中で挫折してしまったのも多いです まあ、そのうち役に立つこともあろうかと思っているのですが(^^; そこで漢方を勉強している方に質問ですが、実際に知識が役に立った、とか 身についた、または実践でも長く使える、といった本をご紹介していただけないでしょうか もしかしたら、もう持っている本もあるかもしれませんので そのときはごめんなさい、ですがぜひよろしくお願いいたします

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  • sionn123
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回答No.2

 imkwさん こんばんは  #1です。丁寧なお礼ありがとうございます。  imkwさんは「乙字湯」と言う漢方薬をご存知でしょうか???これは戦国時代に作られたメイド イン ジャパン の漢方薬なんです。この「乙字湯」は当時の武将の常備薬の1つとして「甲字湯」「丙字湯」等と共に使われていた漢方薬なんです。ご存知の通り、「乙字湯」は今では痔の治療に使われる漢方薬ですよね。  戦国時代の武将は、「やーやーわれこそは云々」と雄たけびを上げながら長時間馬に乗って戦っていました。したがって長時間同じ姿勢をし、馬具にお尻を擦りつけ(言い方を変えたら馬具にお尻をぶつけて)戦っていた訳です。これはお尻がうっ血し、今で言う所の痔症状を起こし易いわけです。その状態を改善する為に当時の武将は持薬として色々な薬を持っていたそうです。その1つが「乙字湯」なのだそうです。  戦争状態ですと、例えお腹を壊したからと言ってもトイレに駆け込む事もままならなかったでしょう。お腹の調子が悪い事ばかり気にしていたら、何処かから弓矢で狙われて殺されてしまう事も有ったでしょう。したがって当時の強い武将は、体力が有るのはもとより下痢傾向でトイレに行く回数が多いと言う事は無かったそうです。現在色々な漢方の本の「乙字湯」の項を読んでみると「体力が有り、便秘傾向の方」向きの薬的な事が記載されています。これはまさに当時の強い武将そのものです。  この「乙字湯」が1つの例ですが、1つの漢方薬が誕生した時の時代背景を考えるとその漢方薬がどんな患者さん対象の薬か解る場合が有ります。そう言う勉強方法も1つの方法です。この考え方、おもしろいと思いませんか???  先ほど「乙字湯」は「体力が有り、便秘傾向の方が対象」と書きましたが、言ってしまえば戦国時代の武将が対象のお薬な訳です。現代の人を観察してみると、スポーツマンで体力が有ると本人や周りの人が言う方は居るのですけど、その方の体力が戦国時代の武将と比べてどうかですよね??私は現代の人は、戦国時代の武将ほど体力が有る方は少ないのではないかと考えています。それは戦国時代の戦時下の武将と同じ生活をしたら、身体を壊してしまう方が多いと思われるからです。したがって現代人で痔疾患と言っても体力的な問題で「乙字湯」が適応の方は少ないと私は考えています。  この様にある漢方薬が誕生した時代の歴史的背景から考えた漢方薬の解釈をして、漢方薬を理解するのも1つの勉強方法です。  本当に病気になれば、漢方薬を含めて色々な方法で治療をするわけです。しかし、治療だけをすれば良いのでしょうか???例えば肺ガンの患者さんが現代医学の色々な肺がん治療をするだけで良いのでしょうか??肺ガンの患者さんだったら、喫煙を辞め体力を使う事を避けて治療に専念する養生をしなければなりませんよね。この様に治療と同等に(または場合によったら治療以上に)養生が重要な事は、imkwさんもお解りだと思います。この養生法を勉強するために、古人の漢方家の養生法を勉強するのも良いでしょう。例えば貝原益軒の「養生訓」等も勉強になると思います。  養生法に限らず先人の治療法を勉強するのも色々勉強になる事は多いです。今私は香月牛山先生(江戸時代の医家)の「牛山活套」(「ござんかっとう」と読みます)を読んでいます。  前回とは少し違う方向から見つめた漢方の勉強方法について書いてみました。何かの参考になれば幸いです。 

  • sionn123
  • ベストアンサー率53% (1910/3592)
回答No.1

 imkwさん こんばんは  薬局を経営している薬剤師です。  「漢方薬メーカーの講習を受けつつ」と言う事から、imkwは薬局・病院等医療の現場での働かれているだと想像します。したがって一般の方向けではない内容で記載しますね。  まず一般の方の言う所の漢方は、多分中医学を含めての事だと思います。場合によってはアユルベーダーと呼ばれるインド古来からの医学等を含めて、俗な言い方での東洋医学全般を「漢方」と言っているのでしょうね。実際は江戸時代またはそれ以前から使われている漢方と中医学は似て非なる部分もあり、私自身中医学を殆ど勉強してないので中医学は詳しくありません。したがって以下中国古来からの伝統医学としての「漢方」と言う事で記載しますね。  「漢方」は俗な言い方で「中国4000年の歴史の中の医学」と言われ、昔は本格的に勉強するなら古くからの中国伝統の医学を纏めた「傷寒論」や「金匱要略」(以上 張仲景 作)等の古典医学書を読み勉強しなければならないと言われていました。これらの古典医学書を読み理解するには、中学や高校で学んだ「古文(古典)」の知識が重要になってきます。医学の勉強と言うより漢和辞典を片手の「古文(古典)」の勉強的な色が濃い訳です。そう言う点がとっつき難いと言われている部分なんです。メーカーや○○漢方研究会等の勉強会では、今だに上記した漢方の古典書を読む事を重要視している所も有ります。そう所で紹介する専門書ですと、例えば大塚敬節先生や矢数道明先生等の漢方の大家が書かれた漢方の古典書の解説書的な本になってきます。それらの古典医学書(または漢方の大家が書かれた解説書)を読む事は意味のある事だと私も思いますが、そう言う勉強方法をしていたら「何時になったら漢方が解る様になるんだろう???」と言う疑問を感じると思います。もしimkwさんが読まれた専門書の中にそう言う傾向の本が有れば、きっと途中で投げ出したくなると思います。  実践的な漢方を勉強するならば、上記した漢方の古典書を読む事も重要でしょうけど、それ以上に漢方の判断方法を勉強すべきだと私は思います。imkwさんもご存知の通り、漢方判断の取っ掛かりは「大まかに分けて人間を『虚証』の方か『実証』の方か」の判断からですよね。(場合よっては『中間証』を含めて3種類に分ける場合も有りますけど・・・)この判断が」正しく出来ていれば、極端な言い方をすれば例えば「虚証」と判断された方に虚証向けの薬の中から西洋医学的病名で薬を選択しても当らずと言えども遠からずな薬の選択が可能になってくるわけです。虚・実の判断をした後に、実際の不快を示す症状が漢方的にどんな判断の症状になるかを考えてそれに合わせた養生法(または漢方薬)を選択すると言うのが正しい漢方の判断方法になります。したがって勉強しなければならない事は、虚証とは何か・実証とはどんな人かとか、実際の不快を漢方的に解釈したらどんな状態に相当するかと言う事になります。そう言う方向で漢方の基礎を解説した本が「実践漢方薬ハンドブック(基礎編)」になります。  次に勉強すべきは、それぞれの漢方薬が「虚」・「実」どちらに対応した漢方薬か・どんな症状に使う漢方薬なのか・どんな方には使えない漢方薬なのかを学ばなければなりません。それが学べるのが「実践漢方薬ハンドブック(上・中・下巻)」と言う事になります。  この「実践漢方薬ハンドブック」4冊の著者高橋邦夫先生は、一般的な漢方から比べると癖のある漢方の解釈をしている方で、漢方一辺倒と言う考え方では無い方です。例えば発熱した時には漢方では「麻黄湯」を使って解熱させるよりは、「麻黄湯」と言う強い薬を使う事による身体への影響を考えて、西洋薬の解熱薬を使った方が解熱効果も高く身体の負担も少ないだろうと言う考え方なんです。その後の発熱の原因を治すには漢方が優れていると言う考え方の先生です。したがって今まで学んできた漢方とは少し毛色が違うと感じるかもしれませんね。そう言う考え方も有るんだと言う事を含めて「実践漢方薬ハンドブック」4冊を読まれたら良いと思います。  漢方を勉強する上で避けられないのが、個々の漢方薬にどんな生薬が配合されているかと個々の生薬の働きがどんな働きかと言う事です。1つの例を挙げると一般に風邪の初期に使うといわれている「葛根湯」ですが、7種類の生薬が使われていて主成分は「葛根」と「麻黄」なんです。この主成分の「麻着」の化学的な成分は「エフェドリン」です。エフェドリンは交感神経興奮薬で、気管支拡張作用が有り咳き・喘息等に有効な成分なのですが同時に血圧上昇等の副作用も知られています。つまり「麻黄」を使った漢方薬は血圧上昇させる可能性があり、高血圧の程度問題で使えない方も有る漢方薬なんです。したがって「風邪の初期に葛根湯」的な感覚が一般化していると思いますが、多くの方にはそれで問題がなくても血圧上昇(それに伴う色々な症状)を起す可能性のある方が居る事を学んでおかないとならないんです。そう言う点を含めて生薬を説明しているのが「近代漢方薬ハンドブック」(上・中・下巻)と言う事になります。  漢方薬の処方内容(どんな生薬を配合した漢方薬か)と言う事に付いてはimkwさんのお持ちの専門書の中にも詳しく記載の有る本をお持ちだと思いますから、あえて今回は記載しません。  以上が基礎編の漢方の勉強の仕方で、まずは「実践漢方薬ハンドブック」と「近代漢方薬ハンドブック」計7冊を読まれて勉強される事を私はお勧めします。内容的には、少しは漢方をかじった事のある方なら難しい内容で記載されていませんから、途中で諦める事無く読めると思います。  長々色々書きましたが、何かの参考になれば幸いです。

imkw
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 お礼が大変遅くなって申し訳ございません ご親切にお答えいただき本当に感謝しています 何とお礼を申し上げればよろしいのでしょうか ご察しのとおり、私は薬局で働いております。 現在、メーカーの講習等や専門書で勉強している内容は主に中医学ではありますが、 もともと目の前の患者さんを治すためには日本漢方も中医学もないと思っていましたので ご紹介いただいた「実践漢方薬ハンドブック」と「近代漢方薬ハンドブック」を勉強させていただきたいと思います。 また違った角度から勉強できると思い今からわくわくしています! ありがとうございました! 実は別のカテゴリーで、今回のような漢方の勉強についての質問をさせていただいたのですが その時はお答えがまったく頂けなかったので、不安に思っていました。 漢方の勉強をするときは何かしら孤独な感覚が多いので(^^; 今回はお答えいただきありがとうございました。 またいつか質問する機会があるかもしれませんが、もしよろしかったらよろしくお願いいたします!

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