地球内部のことを知るほとんど唯一の手がかりが地震波です。
地震波がどの場所でどれくらいの時間で伝わるか、地震波の中で直達P波でも直達S波でもない波があるかなどを念入りに探していきます。
そうすると、地球内部で地震波が反射したり屈折したりする場所が分かります。
外核と呼ばれる部分では、S波が透過しないことも分かったため、これは液体状であることが明らかになります(弾性体力学と呼ばれる物理学を用いて証明される)。
また、地表の重力や天体力学から地球の質量が分かりますから、これに合うように地球内部の密度を推定していきます。
このとき、宇宙化学の知識と、地球上で得られる数少ないマントル起源物質から、地球内部の化学組成を推定していきます。
このように、地球科学、物理学、化学の知識を総動員して地球内部を推定していくのです。
なお、人類はまだ地下9kmまでしか達しておらず、マントル内を直接覗いたこともありません。
昨年就航した日本の大型掘削船「ちきゅう」は、マントルまで穴を掘りマントル物質を直接採取できるため、研究の発展が期待されています。
No.5の方へ
地震波のうちP波は内部コアも伝播し、この波は実際に観測されています。もし内部コアが固体ならば、理論的にはS波も伝播するはずですが、PS変換率・エネルギーの散逸・S波の特性などの問題から、内部コアをS波で伝播した地震波は振幅が非常に小さいとされ、まだ観測されていません。
No.1の方の補足
マントル:半流動体だが、一見固体。数百年~数億年単位で見ると、液体のように循環している。近年では「プリュームテクトニクス」という学説が有名になっているが、これによるとマントルは沸騰した水のように底の方から急激に(と言っても数万~数百万年)湧き上がっている。主要なマントル物質はカンラン岩(ペリドットという宝石の原石)。
外核:ほとんど液体。磁場は外核によって作られる。鉄などから構成されている。
内核:固体、または半流動体。鉄などから構成される。
生卵でなくゆで卵というたとえもよく使われます。
お礼
とても分かりやすいご回答有難うございます。 人間はカメラとかを潜らせて、その核を見たんでしょうか?