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温暖化にまつわる官僚の嘘について
お世話になります。いま地球温暖化が話題になっていますが、官公庁の温室効果ガスの説明を見ますと、ほとんどといっていいほど、水蒸気が温室効果ガスであるという説明が見当たりませんでした。私の見た限りですが以下に示します。 http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3221 http://www.eic.or.jp/library/ecolife/knowledge/earth02a.html EICネット 国立環境研究所 http://www.jaero.or.jp/data/education/worksheet/pdf/ondanka-sikumi/c.pdf 地球の温暖化 日本原子力文化振興財団 http://www.eccj.or.jp/summary/warm.html ECCJ(財団法人・省エネルギーセンター) http://www.env.go.jp/earth/ondanka/stop2004/pamph05-07.pdf STOP THE 温暖化 環境省 2004 http://eco.goo.ne.jp/word/issue/S00180.html 環境goo 温室効果ガス とは 確かに、「人為的な」温室効果ガスとして二酸化炭素は重要です。しかし、「人為的な」という枕詞がない場合は明らかに嘘の説明になってしまうのではとも思いました。また、主要な温室効果ガスは水蒸気ですので、それを伏せて説明すると少し誤解を受けるかなと思いました。 そこで、質問したいと思います。なぜ、官公庁の温室効果ガスの説明には「水蒸気」が明記されていないのでしょうか?どの官公庁も一言も水蒸気に触れていないのは何かマニュアルでもあるのでしょうか?どなたか詳しい経緯をご存知の方がいれば、よろしくお願いします。 (削除処分されたNo.3044655で回答してくれた人、ありがとうございます。削除理由がよくわらなかったのですが、たぶん議論は駄目ということなんですかね。せっかく回答してくれた人、失礼しました。)
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お礼
天頂大気の各成分からなる赤外吸収スペクトルのデータはあります。 http://www.sundogpublishing.com/fig7-6.pdf 次の論文によれば、赤外吸収スペクトルから見積もった場合(地表100mの大気を仮定)、全温室効果ガス中に占める水蒸気の寄与は約78%になります(68/87≒0.78)。 http://www.warwickhughes.com/papers/barrett_ee05.pdf 一方、吸収の重なりを考慮した合計の吸収率に占める水蒸気の寄与は93%にもなります(68/73≒0.93)。温室効果のうちわけは、水蒸気が37.4K、二酸化炭素が9.3Kとなり、合計で47.7Kになります。吸収の重なりを考慮した場合、二酸化炭素の濃度を二倍にしたときの総吸収率変化は0.5%となります。これを単純な比例計算により昇温効果を大雑把に見積もると0.24Kになります(47.7 x0.005≒0.24)。 実際はこんな単純な計算ではありませんが、二酸化炭素による昇温効果だけの寄与というものは限られており、水蒸気フィードバックにおける水蒸気量の増加による追加的な温室効果がいかに大事かということが分かります。また、水蒸気には温室効果だけではなく、潜熱輸送による冷却効果もあります。放射伝達と潜熱輸送のみを考慮した計算によれば、水蒸気の蒸発に伴う冷却効果は13.4Kになります。 また、水蒸気量の増加は雲の形成を活発化させるため、これがネガティブ・フィードバックとして働く可能性も指摘されています。これらの効果はすべて気候感度にも組み込まれていると思いますが、その余りにも複雑な挙動ゆえにモデルの不確かさの原因ともなっていると思います。 いずれにせよ、地球大気において水の役割を無視して語ることは到底困難な作業になります。これは中学生に微積を教えずにニュートンの法則を理解させるようなものだと思いますが、熱力学の基本法則と同じく「水の惑星」の大気を理解するためには、水蒸気に対する説明は第一義的に行うべきだと私は思います。 大地の乾燥化は潜熱輸送による冷却効果を働かなくさせ、大気汚染は大気の熱循環を滞らせ、それらはヒートアイランド現象にもつながります。二酸化炭素だけでなく、他の大事な問題が見過ごされないように、もう少し周りを見渡す配慮がほしいものですね。