塀の中から出られないのが刑罰 矯正・教育など偉そうに他人が強制するものではない
未決囚だが既に監獄棟に移されて公判出廷の身 沈黙と規律の日本の刑務所を体験した身にはこの一級監獄は総てが逆 想像だにしない別世界だった 塀の中は外の社会そのもの 煙拾いで生計する者 従業員を雇い商店を営む者 金貸し 貸しビデオ店 貸し携帯電話 按摩屋 八百屋 何でもある 農業者もいれば養鶏業者もいる 当方の独房(二間)の隣室は養殖アヒルが居住 共に朝6事に獄房は開き夕方6時まで広い塀の中で遊ぶ
当国は懲役なく禁固刑 労役を希望すれば当局直営の木工 製靴 縫製工場で働く 十分な賃金になる しかし常に人員過多であぶれた者はギルド的な土産細工で生計を営む 刑務所は一切の監督・管理はしない 最低限の給食は与えるがこれでは悲惨 それぞれが自活すべきシノギをする ヤミの酒屋 ヤク業者もいる これら一切の仕入れ業務は看守がする 実質の経営者は刑務所当局 この利潤は職員に分配される 囚人は納税者の立場にある 共存共栄 当局は囚人を絶対に虐めない 点呼は勿論 看守は囚人を一切に管理しない 木陰で一緒に花札をするぐらい 面会とて何を持ち込もうが自由 面会所はまるでファミレスに見える
数人の死刑囚もいるが彼らは三間ある美室 処遇は同じで外歩きは自由 一緒に卓球をしたが負けず嫌いは 処刑が明日とも知れない身故に何をされるか正直 怖かった
囚人生活は自助努力 当方は外国人とあり国際条約上 当局から生活援助がされ週二度牛肉1kgと月額1500円程の支給がされた 三度の官食はあるが自主流通米を購入 獄室も3級(金持ちの1級は三部屋でパソコン使用も可)と優遇された 煙草をしないから何とか暮らせたが交際費がなく辛い想いをした
檻戸が開き高原地の冷気の中 朝もやの遥か彼方から朝食と蒸し芋を運ぶ手押し車が見える 今日一日何をして遊ぼうか 生活保障されている故の脳天気な服役暮らしである しかし貧者は悲惨だ 当局は官食の米飯を多く炊き意図的に残飯を作る これを囚人に払い下げる 残飯は日干しされ糒となり看守が買取り外部の業者に売る 鶏の餌と云われるが実際には貧困地帯で米の半額程で売られる 雇用を作り経済産業化する知恵には驚かされる
分類までの一週間を最下級4級の獄舎で過ごした 外観も内部も家畜小屋 悲惨すぎた 多くの貧者はこの共同部屋で雑魚寝 金次第でどうでもなる囚人暮らしに日本がいいのか 否かと複雑な想いに駆られた 当然ながら泥棒が多い 外出の際には鍵をする 夜は獄室だから白昼強盗も多発 商店を襲う集団強盗も発生 店主は13年刑の出獄目前のアフリカ人 支店を持ちかなり貯めていた様子で噂では看守の主導とか 犯人は挙がらず失意のままに出所した
黒羽で二度の懲罰房を体験して此処でも探した セルと呼ばれる懲罰房 しかし何でこれが懲罰? 二間から庭への出入は自由 ただ周囲を塀で囲われている 差入れの煙草で雑談をした 一日8 時間 壁面に向かい安座し続ける日本の懲罰房 発狂者もでる怖ろしい処とは大違いに拍子抜けした
多種多様な犯歴者と話した 偽札作り ヤク関係 殺人 面白いのは82歳の強姦犯 10年先の出所を楽しみに農業に励んでいた 各人の刑期・減刑期間・残刑期は一覧表で貼りだされる 事故もなく過ごせば減刑される 無事故であれば3割程に釈放は早まる 囚人番号はなく氏名・出身地・罪名も記された透明化はとてもいい制度と思う
出所前夜に同囚が酒を用意して送別会をしてくれた 独房もこの夜は開放され記念写真も撮り再会を誓った 外来者は許可(袖の下)を取れば獄室に宿泊も可 ここで8年過ごした欧州人が家族連れで来た 部外者でも見学はできて入獄ツアーも可能だ 心は逸るが金が無い この訴訟で作り今度はお世話になった看守殿などにお返しをしたい 蒸し芋しか食べない飼い猫にも会いたい
当方は名誉毀損で懲役1年10月 不法滞在罪で一罪二刑の服役 何れも日本司法の刑事弾圧をされました グーグル等で・ 遂犯無罪・ 確信犯の冤罪主張を検索してご覧ください なお当事件は特捜扱いとなり二年8月です
お礼
ありがとうございます。 凶悪犯罪には同情の余地はありませんが、 軽い罪の場合は考えさせられます。