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映画「バベル」について疑問 (ネタバレの可能性あり)
ブラピが子供に電話をかけて、最初の方のシーンと同じような会話をする意味が全くわかりませんでしたが、あれは時間が元に戻ったのですか?全くわからないことだらけで困っています。教えていただけないでしょうか。私は全編通して何が言いたいのかもわからなかったし、しっくりこない映画でしたが、大作であるのは間違いないと思います。個人的感想もいただけると嬉しいです。
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No.1です。。。 親と子の間のコミュニケーションの断絶、ってことを映画でひょうげんしたかったとInattiru監督はおっしゃってたことを思い出したので。。。 1)モロッコの親から子に渡されるライフル。子供は親の意図を完全に理解していませんね。 2)ブラピは異国の地に旅行中で子供と最後にしか話せません。妻との間に何か問題がある。 3)ベビーシッターは16年も合衆国に住み、息子はメキシコ。 4)そして肝心な日本の場面では一番強烈にミスコミュニケーションが表されていますね。凛子は聾唖者であると言うだけで世界とのコミュニケーションが阻まれていると言うのに、母の死後、父親と関係が上手く行っていません。 これら全てに於いて共通していることは、誰もが努力しより良い生活を作り上げていこうとしている事です。 1)モロッコではジャッカルを退治することで家計を向上しようとした。 2)ブラピは妻との関係を正そうとした(3番目の子をSIDS-Sudden Infant Deathで亡くしたことによる) 3)ベビーシッターは合衆国で違法滞在をしながらお金を作っていた。 4)凛子は人との接触を求めた。 そうやって、それぞれ自分の為に作り上げていったものがあっという間に破壊されていくのです、バベルの塔のように。 1)モロッコでは殺人未遂事件となる。 2)ブラピの妻は撃たれる。 3)ベビーシッターはメキシコへ強制追放。 4)凛子は全ての人に拒絶される。 どん底に落ちますが、最後はハッピーエンドです。 1)モロッコの事件は12歳の少年が犯人だったという事で大事には到らなかったのではないかと推測されます。と言っても長男を亡くしてしまうのでハッピーとは言い切れないのですが。 2)生死に関わる時間の中で夫婦間の絆が強くなる。おまけに妻は完全回復。子供の元へ。 3)ベビーシッターはアメリカで作り上げた生活を全て失います。が、息子の結婚式で出会った男と良い関係になることが予測されますし、息子の嫁も妊娠しているので近々孫が抱けるのでハッピーでしょう。 4)警察官は凛子に優しさと理解を見せ、彼女は心が洗われる。悲しみのどん底から這い上がり、父に心を開く(素っ裸=ゼロから始めて父に受け止めてもらう)。これ以上のハッピネスはないでしょう。 これらの話が役所さんのライフルにより繋がるのです。 人はそれぞれいろんな努力をしますよね。毎日積み重ねて頑張って作り上げていっても、それが何かのために失われてしまうこともあります。しかし、人間というのは強い生き物で、どん底に叩き落されても、何とか再建しようと再び立ち上がるのです。 Babelの塔の伝説をからめて、よくもこの様に素晴らしい人間模様を描き上げたものだと、Inarritu監督には感心させられました。
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- toast5
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日本篇はほとんど他の部分との関連がない、というか、 日本篇をすべてカットしても話は成り立ちます。個人的には 日本篇は不要と思いました。日本篇を無視すると、映画は 1)「奥さんのことは聞きました。大丈夫ですか」 2)モロッコでブラピの妻、撃たれる 3)代わりのベビーシッター手配不可、仕方なくブラピの子供連れてメキシコへ 4)ブラピと妻の悪戦苦闘 5)メキシコの喧噪と結婚式の夜 6)ブラピと妻の悪戦苦闘 7)メキシコから戻る途上でとんでもないことに 8)ブラピようやく病院へ。ベビーシッターにTEL。 という感じで、モロッコでの事件とアメリカ-メキシコの事件が同時並行で進行してるように見えます。で、8を見た瞬間に、客は内心「あっ」、と叫ぶわけです。あとでよくよく考えると、時間順通りに素直に繋げば、 1)モロッコでブラピの妻、撃たれる 2)ブラピと妻の長々とした悪戦苦闘 3)ブラピようやく病院へ。ベビーシッターにTEL。(以上モロッコ篇) ----------------------------------------------------------------- 3)→「奥さんのことは聞きました」(以下アメリカ-メキシコ篇) 4)代わりのベビーシッター手配不可、仕方なくブラピの子供連れてメキシコへ 5)メキシコの喧噪と結婚式の夜 6)メキシコから戻る途上でとんでもないことに というだけのことだったんですねー。わざと時間軸を混乱させておいて、あの病院からの電話一発で一気に種明かし、という。「悪意がないのに理解の欠如(つまり、こんがらがる。つまり、バベル)でどんどん物事が悪い方へ膨らんで行き、死ななくてもいい人まで死ぬ」という物語を、時系列をわざとこんがらがらせることでさらにもう一段象徴的に(意味ありげに)見せてるというか。実際、時間順通りに編集されてたら大しておもしろくないですもんね。あの、時間がこう、ぐるっと回ってあの病院の電話でつながる瞬間は興奮しました。宗教はあんまり関係ないような。
- takeboq
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あなたの言う大作の理由が良くわかりませんが、この映画は宗教、国家の意味すらわからない大半の日本人には単なるピカソの抽象画でだと思いますよ。 みんなが良いと言ってるから良いと思うのかも・・・^^
- nyan_neko
- ベストアンサー率22% (114/507)
#2ですが言いたいことは人種問題、家族、生死・・・悪意がなくても死は 起こる。同じ人間でも肌の色の違いだけでこんなことが起こる。家族の大切 さ・・・などではないでしょうか?
- nyan_neko
- ベストアンサー率22% (114/507)
あれは同じ時間の場面を子供とブラピ側から映しているのです。 ですから最初の子供の電話の場面はブラピが事故後奥さんを病院に運んで 電話しているということになりますね。 時間が前に行ったりあとに行ったりで見るものを混乱させているのか楽しませ ているのか(後者でしょうが)。 映画全体としてはある場面は実際あとで起こった場面でそれらをパズルのよ うに組み立てると時系列な物語になるということですね。
お礼
ふむふむ。時系列な物語。然りですね・・・(涙 私はてっきりハッピーエンドでブラピの心が天まで届いて今までの子供の失踪などがチャラになったのかと思ってました(バカ)そうですよねえー。この映画はあくまでも現実的な視点で冷静に物事を観て造られた映画ですものね、そんな可笑しな脚本ではないはず・・・と疑心暗鬼になってこの質問トピを立てたのですが、nyan_nekoさんの言うとおり、よく考えるとそういうことになりますね。ありがとうございます!!!!
- seainside
- ベストアンサー率43% (32/74)
この映画、時間が錯誤するのでそれを理解されないことがよくある様ですね。 これらの二つのシーンは同一の物です。 まず、アメリカでベビーシッターさんが電話でブラピに何かの許可をもらって感謝しますよね。そこで「奥さんのことは聞きました。大丈夫ですか」とブラピに聞きます。どうしてだろう、と思いましたよね。 後日、ベビーシッターは別の男性から電話でどうしても子供を見てくれと頼まれます。ブラピのsisterの旦那です。代わりのベビーシッターが見つからなかったのでしょう。せっかく旅行中のブラピ(雇い主)からはメキシコの息子の結婚式に行く為に休みが貰えたのに、どうしても子供の世話をしなくてはいけなくなり、仕舞いにメキシコに連れて行くことになってしまう。 (中略) ブラピは奥さんの手術のため病院に到着、やっと家に電話をかけることが出来ます。ここで冒頭のシーンに繋がるのです。それが分かれば、なるほど、どうしてブラピの声が変だったのか、どうして奥さんのことを聞いたのか、どうしてブラピの息子は「大丈夫?」って聞いたのかが解けます。 一つの事件にまつわる話が他数カ国・数ヶ国語で時間差をつけて繰り広げられるので、注意して見ないと分からなくなっても仕方ないかもしれませんね。その他、ベビーシッターが移民局に捕まって強制的にメキシコに帰らされたシーンの後あの電話のシーンがあるので、どうしてアメリカに戻って来られたのか理解できないって人もいます。アメリカに戻ったのではなく、ただシーンがその様に組み込まれているだけなのです。断片的にシーンが展開していくのです。無秩序の様にも見えますが、これがInarritu監督の作風なのです。 もう一度DVDでご覧になってみてください。わたしは最高の映画だと思います。
お礼
なるほど!!ありがとうございます。とてもとてもわかりやすい解説で助かりました。「アモーレス・ペロス」や「21グラム」は一度で大体のことはわかったつもりだったので、今回の「バベル」の難解さはある意味衝撃でした。。。seainsideさんのようにきちんと映画が見られるようになりたいです。 頭が混乱したので嫌いになりそうな「バベル」でしたが、もう一度作品を見てみようかな、という気になりました。ありがとうございます。
お礼
なるほど、そういう趣旨の映画ですか。私には何が言いたいのかさっぱりわからなくてドキュメンタリーなのか夢物語なのか、その区別もつかなかったので、メッセージ性がありそうでないような、曖昧な印象しかなかったです。ですからnyan_nekoさんの感想が聞けて嬉しいです、ありがとうございます。