この製作記事は、「机上の空論」です。
耐電圧に対する配慮が全くなされていません。
交流入力の下側につながっているコンデンサを[C1],その右上にあるダイオードを[D1],その右上にあるコンデンサを[C2],その右下にあるダイオードを[D2],以下同様に、[C3],[D3],[C4],[D4]・・・とします。
交流入力800Vは、パルスかサイン波かわかりませんが、一応尖頭値が800Vであると想定します。
1. 先ず最初の半サイクル(反時計方向に流れる)が、電源→C1→D1→電源と流れ、最終的にC1の両端電圧を800V(左側がプラス)に充電します。
注 この間電流ロスはないものとします。
また、この動作中、[GND]の位置は関係ありません。
2. 次の半サイクル(時計方向に流れる)では、入力電圧にコンデンサ両端の電圧が加算され、D1には(逆方向に)、1,600Vの電圧がかかります。(定格オーバーです)
同時に、C2を1,600V(左側がプラス)まで充電します。
(定格オーバーです)
3. 次の半サイクルでは、1.を実行しながら、且つ、C3を
1,600+800+800=3,200V
まで、充電します。
このとき、D2には3,200Vの逆電圧がかかります。
以下略
これでは、コンデンサもダイオードも壊れない方が不思議です。
上記計算は、尖頭値が800Vと仮定しましたが、サイン波であれば尖頭値は、その1.4倍になります。
勿論マイナス要因もあります。
実際には負荷があるので、これほど高い電圧にはならないでしょう。
しかし、コッククロフトを実現するためには、負荷電流<充電電流とすべきであり、どこかで耐圧を超えることは間違いありません。
質問者さんが行った実験結果が期待通りにならならなかったのは、多分、後段のダイオード、コンデンサがブレークダウンを起こしているものと思われます。
理論が正しくても、これを実現する方法が誤っていたのでは、装置は作れません。