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佐伯啓思「倫理としてのナショナリズム」を読むための予備知識について
佐伯啓思『倫理としてのナショナリズム』を読んで、 ところどころに感銘を受けました。 しかし、私の教養水準が低いために、 (たまに読書するぐらいの私立文型大学生です。偏差値で言うと50前半の大学です) 書中で、前提とされている知識、カタカナ語などが分からず、 完全に理解したとは言えません。 高校の世界史教科書、政治経済、倫理、現代社会の教科書以外だと、どういったものを読めば、これらが克服できるでしょうか。 勉強後、もう一度、読みたいと思っています。
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あまり参考にならないかも知れませんが、とりあえず。 佐伯さんの本に限らず、およそこういう類の書物に対する印象は、学者特有の言い回しや、用語の使い方に対して、「慣れ」があるかどうかで随分変わってきます。昔読んだ本が、その時はわけが判らなかったのに、同じ分野の本を何冊も読んだあとに読み直すと意外と読みやすかったりすることもあります。 教科書や『知恵蔵』などを活用することも、もちろん大変結構なのですが、用語だけを断片的に覚えようとしてもなかなか頭に入らないということはあると思います。その用語を解説しつつ、実際に使って見せてくれるような解説書を読むと助けになると思います。薄手の新書などでも、『現代思想のキーワード』『高校生のための評論文キーワード』みたいな本が出ていますね(題名は正確ではありませんが、ネットや図書館で検索してみてください)。 社会学や社会思想ですと、大学の概論のテキストもためになりますが(私が大学の教養課程に居たときは山脇直司著『ヨーロッパ社会思想史』東京大学出版会なんかを使っていました。コンパクトですが結構良い本だと思います)、一般向けの新書や啓蒙書で、あなたの関心のあるテーマを扱った、なるべく易しそうな書物を探して幾つか読んでみるのが良いと思います。中には思想的に佐伯さんとは相容れない方もいるでしょうが、まあ、用語の使い方の勉強と思って。 別の手段としては、佐伯さんはPHP新書や講談社現代新書などからわりと薄手の本も結構出していますから、それらを併せて読んでみるのもいいかと思います。一人の思想家が複数の本を書いている場合、思想的な発展やテーマの展開がある一方で、大事なことは繰り返して、色々言い方を変えながら述べる場合が多いのです。最初は難しくても、何冊も読んでいる内に、少しずつでも佐伯さんの言葉の使いかたや、彼がどういう事柄を大事だと思っているのかについて見えてくると思います。 あとは、『社会学がわかる事典』だとか、『この一冊で……がわかる!』などと題した、ちょっぴりチープな感じはするけれど便利で易しそうな用語解説本などを探して読んでみるのも一手です。割とちゃんとしたのもありますが、素人がいい加減に解説したり、学問的に厳密でなかったり、易しくしようとしすぎて深い思想を浅薄化したり、歪曲したりしたものも結構あります。けれども、大体こういうものなんだな、という雰囲気は判りますし、そういう用語が使われている文章に「慣れる」ことが出来るという点は、やはり大きなプラスです。ある程度「慣れ」たら、あとは色々ちゃんとした学者さんの書いた本を読みながら、最初の知識を少しずつ修正してゆけばよいのです。 いろいろやり方はあるでしょうが、やっぱり、焦らないことが一番だと思いますよ。
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「現代用語の基礎知識」か「知恵蔵」の助けを借りて、 不明の事項なり用語なりを理解しながら、 再読するというのはどうでしょうか。