井上靖先生の歴史ものです。
天平の時代船を操って、中国へわたることは、かなりの確率で、死を意味しました。
タイプの違う数人の僧が志を持って唐に渡ります。
そこには、熱心に何十年も写経だけし続けた僧がいました。
鑑真和上という名僧を日本に招くため、苦心を続ける、留学僧たち。
とうとう日本に帰れる日が来ました。
皮肉にも最も才気があると思われた僧は、現地で、妻をもらい子を成して、残ることになりました。
自分の何十年間を犠牲にして、写経を続けた老僧は、写経を日本に送ることに固執し、不安がり船を変えたりします。
嵐にあい、散々の苦労の末、やっと少数の船だけが、九州にたどりつきます。
鑑真和上は、視力を失っていました。
自分の命より大切に思った老僧の写経は、海に沈んでしまいました。
書いていて、すごく、味気なく感じました。
本当は、すごくいい話ですよ。