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「事実はない」という用語について
川口外務大臣がまたまた言いましたね。 「武装警察官の総領事館内への立ち入りと5人の連行について、 日本側が同意を与えた事実はない」と。 大辞林で「事実」を引くと「現実に起こり、または存在する事柄」と出ています。 『「現実におこり、または存在する事柄」はない』ということは 『有は無であり,無は有である』等と言っているとは思えませんから、 結局、「武装警官の総領事館内への立ち入り」及び「5人の連行」は 「日本側」は(武装警官に対して)同意を与えていないと言ったものと理解できます。 とすると、ビザ発給所に居た(5人ではなくて)2人の連行については 「武装警察官の総領事館内への立ち入り」も「2人の連行}も、 日本側は同意(もしくは黙認)を与えたのでしょうか。 門から数十メートルも離れた部屋にいる二人の男性亡命希望者を 主権者たる日本側の同意なしに不法侵入してきた中国武装警察官に 拉致されるというのは全く話しが合わないと思います。 「黙認」(または依頼)はしたが「同意」はしていないと言っているのでしょうか。 これでは日本の外務省の言っていることは世界に通用せず、 良くて憐れみ、悪くすれば馬鹿にされるのではないでしょうか。
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川口大臣の発言には続きがあります。外務省のホームページによると次のとおりです。(ただ,同ページに書かれた会見時刻の10:15はたぶん誤りで,昨日=5月13日の18:05ごろだったと思います。10:15だったのは前回,10日の会見時刻です。) (前略) 事実関係についてのポイントを申し上げさせていただきたいと思います。 三つありますけれども、一つは、先ず、総領事館の入口の中で女性二人と幼児1名が取り押さえられた際の状況について、中国側の武装警察官が最初に総領事館の敷地内に立ち入った際に、日本側が同意を与えたという事実は無いということです。 それから、二番目のポイントと致しまして、総領事館の査証の待合室というものが中にありますけれども、そこに入り込んだ男性2名が取り押さえられた際の状況について、武装警察官による総領事館内への立ち入り、査証待合室から総領事館敷地外の武装警察詰所、そこへ男性2名を連行していったこと、この何れについても日本側が同意を与えたという事実は無いということです。 三番目に、関係者の5名が連行された時の状況について、幼児を含む女性3名の総領事館敷地内からの引きずり出しと、男性2名の総領事館査証待合室からの連行及び同5名の武装警察詰所からの連行の何れについても、日本側が同意を与えたという事実はないということです。 以上が調査のポイントでございます。 (以下略) というわけで,川口氏は,「武装警察官の総領事館内への立ち入り」も「ビザ待合室からの2人の連行」も同意を与えていないと述べています。 第1と第3のポイントだけを引用して,外務大臣が第2のポイントについてはあたかも触れていないかのように主張するのは,それこそ「事実」に反すると思います。 (もしかしたら,ニュースでそのような伝え方をしていたのかもしれませんが,だとしたらニュースの担当者はちょっとまとめ過ぎたといえるでしょう。) 領事館職員の一連の対応が,黙認にあたるのかどうか,などの議論は差し控えることにして,とりあえず「外務大臣の発言に関する事実関係」について述べました。
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- cse_ri2
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>今回の事件では日本側は「同意を与えた事実はない」 >中国側は「同意を得た」と正反対ですから、 >どちらかがウソの主張をしているのでしょうね。 私もそう思います。 しかし、No.5で述べているように真実の追究も必要でしょ うけれど、国益のために先ずは日本政府として主張すべき 内容を主張したと考えています。 1)日本が難民の保護について、無関心であるという印象 を国際社会に与えることは好ましくない。 2)中国の武装警官が敷地内に入った。この点はビデオで 明らかであり、これをないがしろにしては中国に対し ての弱腰な外交姿勢を国際および国内世論に示すこと になってしまう。 つまり映像が公開された時点で、事実認識の前にある程度 強気の態度を示さなくては、小泉政権の立場がなかったと いうことです。 この判断については、そう間違ってはいないと私は考えて います。 たぶん映像が公開されなければ、もっとうまむやに、よく 言えば平和的な交渉になっていたのではないかと推測して います。
お礼
度々丁寧にご回答いただき有り難うございました。 今回は他者との応接について、いろいろ教えられるところがあり、良い経験になったと思っています。 また、よろしくご回答お願い致します。
- cse_ri2
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日本の外務省がどれだけ有能かは(もちろん皮肉)No.4で 少し述べていますが、それとは別に外交交渉の本質につい て少し触れてみたいと思います。 国家間の外交交渉というのは、互いの国益追求の場なんですね。 身もフタもない言い方をすれば、ウソを言おうと相手を恫喝 しようと、すべて駆け引きの内です。 しかし、日本のような民主主義国家で公式な発言あるいは 公式発表の文書で、外交に関する内容とはいえ極端なウソ をつくと、マスコミや野党から叩かれますので、玉虫色的 な言い回しもアリなのではないかと考えています。 あの事件の真実については、外交交渉とは別に調べたい人 が調べると思いますよ。マスコミとか情報機関とかが。 どちらにしても、国益追求の場での発言の内容を鵜呑みに する必要はさらさらありません。 しかし、今回の件については、自国のためとはいえ中国側 もよくあれだけ強弁できますよね。あのふてぶてしさが、中国らしいとも言えるのですが。
お礼
ウーン「ウソ」「恫喝」ですか。 これを見て全く関係のないことですが、前の鈴木宗男事件のとき、 自民党の偉いサンが「脅迫罪はあるが恫喝罪はない。 だから法律には違反していない」と言っていたのを思い出してしまいました。 今回の事件では日本側は「同意を与えた事実はない」 中国側は「同意を得た」と正反対ですから、 どちらかがウソの主張をしているのでしょうね。 ご回答有り難うございました。
- cse_ri2
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>私の質問は『なぜ「同意の事実はない」という言い方を >するのか』ということです。 ビデオ、あるいは新聞などからの情報を見る限りは、日本 の領事館職員は、現場では全然抵抗していないですね。 しかし、それをそのまま認めてしまうと 「日本側は中国側の行為を黙認した」 という結果となり、中国側の主張を認めてしまうのでは ないでしょうか。 遅すぎるとはいえ、日本の主張(現地領事館の立場ではな く日本政府の立場で)をはっきりさせるために、詭弁とい えなくもないですが、あのような発言をしたのでしょう。 >「黙認」(または依頼)はしたが「同意」はしていない >と言っているのでしょうか。 >これでは日本の外務省の言っていることは世界に通用 >せず、 良くて憐れみ、悪くすれば馬鹿にされるのでは >ないでしょうか。 日本の外務省、および現地の大使館・領事館が対して役に たたないことは外交通の人には以前から知られている事実 です。亡命希望者だけでなく、在外邦人にも態度が冷たい らしいです。 諸外国がどう捉えているかは情報がありませんが、対して 頼りにならないことは、知っている人は知っているでしょう。 私は、今回の事件がよい機会だと思います。 昨年より外務省の不祥事が続出していますが、本省だけで なく、大使館・領事館の体質もこの際徹底して改革すべき です。 瀋陽の副領事は情けないの一言ですが、まぁ外務省の職員 はああいうレベルなんでしょう。 私も心のどこかで、杉原千畝さんのような気骨ある外交官 を期待してはいるのですが、現在の外務省の職員にそれを 望むのは、非現実的かもしれません。
お礼
ご回答有り難うございます。 私が見た今回事件の報道順位は、次のとおりです。 (1)韓国通信社のビデオ報道 (2)在北京日本大使館の中国外務省への抗議及び 5人の身柄引き渡し要求についての報道 (外交関係に関するウィーン条約違反) (3)中国外務省の反論(ウィーン条約に合致)報道 「遅すぎるとはいえ」ではなく速すぎる、事実も良く調べないうちに 「条約違反だ」と主張してしまった、即ち、問題の条約にある文言「・・公館の長らの同意がなければ・・立ち入ってはならない」に依拠すぺく 「同意はない」という主張になったものと推量しています。 最初に条約違反という事大対応を取ったため、外務大臣以下関係者全員が「事実はない」と言い続けているものと思います。 今までにビデオ報道されている門内・門前近傍での騒ぎについては、米国TVで報道されている不審者への対応に比較すれば、中国側はむしろおとなしく(手荒なあつかいではない) 日本側も紳士的であって、この件に限れば (自民党の偉いサンのごとく) 大騒ぎする内容ではないと思いました。
- puni2
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すみません,ご質問の意図が分からなくなってきました。 「同意を与えた事実はない」という言い方ではまずいとお考えなのですよね? どこがどのようにまずいのか,またどのように言えば適切な外交姿勢と言えるのか,よく分かりません。 「同意を与えた事実はない」はダメだが,「同意を与えていない」ならいいのでしょうか? それとも両者は同じ意味とお考えでしょうか? ついでに,今の時点で「中国側と日本側が、二人の男性亡命希望者を、日中協力して門外へ連行」したのは確認されているのでしょうか? それとも「仮に,例えば」の話でしょうか? そして,「事実はない」はなぜ表意矛盾なのでしょうか。大辞林の説明を借りるならば,「これこれという事柄は現実には起こっていない」と言っているに過ぎないわけで,どこが矛盾なのだかよく分かりません。 また,英語などと比較することにどのような意味があるのか,これもよく分かりません。日本語の「事実」という単語がもつ意味の範囲と,英語のたとえばfactという単語の意味範囲とは一致するとは限りませんし。 いろいろ申し上げましたが,実の所,補足いただいても,適切な回答を見出せる自信はありません。ただ,この質問を見ている他の方にとっても回答しやすくなるのではと思い,少し補足をお願いすることにしました。
補足
度々お手数をお掛けしてすみません。以下補足致します。 (1) 質問の意図 今回の事件では日本国外務省が間違っているのではないか。 それは「事実はない」という主張に端的に現れているのではないか と言うのが質問の意図です。 (2) 何がまずいのか 国家間の紛争に際して「ない」ことをいくら主張してもダメと思います。 「ある」または「あった」ことを主張すべきです。 「ない」ことは何年経っても立証不可能ですが、「あった」ことはいずれ 立証が可能だと思います。 「同意を与えた事実はない」は、単に「同意していない」と表明した上で 何を言ったか、どのように行動したか等の実際にあったことを主張すべき と思います。 (3) 「・・日中協力して門外へ連行」したのは確認されているのでしょうか? 私の推測です。 (4) 「事実はない」はなぜ表意矛盾なのでしょうか。 「事実」という語はそもそも「ある」ということであり、それを「ない」 とともに使うのは矛盾しています。 「ない事実」は意味不明、証明不能、自己矛盾と思っています。 (5) 英語などと比較することの意味 日本語には変な表現、例えば「思いがある」とか「粛々と」等多いため 論理を重んじる例として英語での表現を聞いた訳です。 "That is his fact."という表現はありましたが 「事実はない」は見付けられませんでした。
- masahumi-1
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「同意した」か否かは大した問題ではなく、拒否しなかった事、阻止しなかった事を中国側がうまく利用して、先手の報道をしたという事でしょう。結局、戦前から数十年 ず~っと日本の外交官は、外交の素人という事の証明です。
お礼
ご回答有り難うございました。 ウーン、「日本の外交官は外交の素人」ですか。 困りましたネ。 何とかなりませんかネ。
お礼
丁寧なご回答とご指摘を2度もいただき有り難うございました。 今後もご回答頂きたくお願い致します。
補足
ご回答有り難うございます。 私の質問の仕方に問題があり、お手数をお掛けして申し訳ありません。 私の質問は『なぜ「同意の事実はない」という言い方をするのか』ということです。 日本外務省は未だ現地調査も行っていない段階から現在に至るまで、 「同意を与えた事実はない」と言い続けています。 「立ち入りに同意する」または「連行に同意する」とは言わなかったが、 結果は「中国武装警察官が侵入し」「二人の男性亡命希望者は拉致された」 訳で、では、一体その間日本側は何をしていたのでしょうか。 今後、5人の亡命者が無事に韓国に到着した後で、今回の事件について、 中国側と日本側が、二人の男性亡命希望者を、日中協力して門外へ連行するビデオが放映された場合に、日本外務省が「同意した事実はなかった」 と言っても、それは(事実だから)異常ではないのでしょうか。 「事実はない」という言い方は大仰な表現(日本国の外務官僚または こけおどし政治屋が好んで使う独特の表現であって)私には、外務省自身を守るための言い訳または詭弁に聞こえます。 例えば、英語で「事実はない」という表意矛盾した言い方があるのでしょうか。