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ハイネボレルの定理の証明とは?
- ハイネボレルの定理から、領域Gにその閉包までが含まれる有界領域G'が存在することがわかります。
- ハイネボレルの定理は、「コンパクト集合Kの任意の開被覆から、有限個の開集合からなる部分被覆を選び出すことができる。」というものです。
- ハイネボレルの定理の証明については、具体的な記述はありませんが、ユークリッド空間における点を用いた証明が行われています。
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↓すみません。参考文献中には定理22.1として出ています。
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- zzzzzz
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> ウラジミロフの応用偏微分方程式で、 見てみました。 確かにコンパクト=有界閉集合と定義し、 開被覆を有限にできることをHeine-Borelとして扱っているようです。 この本の中ではEuclid空間以外を扱わないようですので、この定義でも矛盾なく議論はできます。 (一般的な定義ではありませんので、他書を参照する際には注意が必要です) 一般的な定義は訳注を見れば書いてあるようです。 この本の定義に従って証明をするときは、#1を以下のように修正します。 [step1]G'はコンパクト。特にHeine-Borelの定理が成立する [step2]逆に、Heine-Borelの定理の性質(開被覆を有限被覆に取り直せる)を満たす集合はコンパクト(=有界閉集合) さらに、証明は以下のようにします。 [step1]定義なので自明 [step2]以下、B(x,r)={y∈R^n|d(x,y)=|x-y|<r}と書くことにする。 Aを集合とし、Aの任意の開被覆が与えられたとき、その中から有限被覆を取り出せるものとする。 このとき、開被覆B(0,m) (m=1,2,3,...)に対して、有限被覆が取り出せるので、 とくに自然数Mが存在してA⊆B(0,M)と書ける。つまりAは有界である。 さらに、Aが閉集合ではないと仮定する。 これはつまり、Aの補集合cp(A)が開集合ではない、という仮定だから、 ∃y∈cp(A) ∀r>0 B(y,r)∩A≠空集合 ---(*) という仮定である。 今、任意のAの元xに対して、d(x,y)=|x-y|>0であることに注意する。 従って、各x∈Aに対して、開集合U(x),V(x)を U(x)=B(x,d(x,y)/2), V(x)=B(y,d(x,y)/2) と定義すれば、明らかにU(x)∩V(x)=空集合、が成立し、かつx∈U(x)である。 従って、{U(x)}(xはAを動くものとする)はAの開被覆である。 従って、Aの性質より、有限個のx_1, x_2, ..., x_kが存在して、 A ⊆ U(x_1) ∪ U(x_2) ∪ ... ∪ U(x_k) となる。このとき、 r=min{d(x_1,y), d(x_2,y), ..., d(x_k,y)} / 2 とし、V=B(y,r)とすれば、j=1,2,...,kに対して B(y,r) ⊆ B(y,x_j) = V(x_j) が満たされているので、U(x_j)∩V=空集合、が成り立つ。従って V ⊆ cp(U(x_1)∪U(x_2)∪...∪U(x_k)) ⊆ cp(A) つまり、 B(y,r)∩A = V∩A = 空集合 となるが、これは(*)に反する。 以上より、Aは有界閉集合、つまりコンパクト集合である。 [step3]f:X→Rは連続、Xはコンパクトとする。 このとき、f(X)がHeine-Borelの定理の性質を満たすことを示したい。 今、f(X)の開被覆{A_λ}が与えられたとき、各λについて f^{-1}(A_λ) = {x∈X|f(x)∈A_λ} たちは開集合である。 さらに、{A_λ}がf(X)の被覆であることから、{f^{-1}(A_λ)}はXの被覆である(しかも開被覆)。 従って、Heine-Borelの定理よりλ1, λ2, ..., λkが存在して X ⊆ f^{-1}(A_λ1) ∪ f^{-1}(A_λ2) ∪ ... ∪ f^{-1}(A_λk) と書ける。従って、 f(X) ⊆ A_λ1 ∪ A_λ2 ∪ ... ∪ A_λk となる。つまり、f(X)はHeine-Borelの定理の性質を持つ。 従ってstep2よりコンパクトである。 これより、f(X)はRの有界閉集合なので、最小値を持つ。 微分方程式の話題ですので、この性質は解の存在領域の拡張や、 関数列の収束判定、といった話題で出てくるものと思われます。 ちなみにHeine-Borelの定理自体は直積の性質と、区間縮小法の原理から証明されます。 n=1の場合は、例えば 「集合と位相」、内田伏一、裳華房 等がわかりやすいと思います。
- zzzzzz
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>ハイネボレルの定理の内容は、あらゆる本で >僕の質問記事の内容で定義されていました。 少なくとも岩波の数学辞典では >Euclid空間R^nの有界閉集合はコンパクトである。 >このことを条件i),iv),v)の形で述べたものをそれぞれ >Heine-Borelの定理またはBorel-Lebesgueの定理、 >Cantorの共通部分定理、Bolzano-Weierstrassの定理という。 と書かれていますが。ちなみに条件i)とは、距離空間Xについて >i)Xの任意の開被覆Mに対してMから選んだ有限個の開集合の和集合がXに等しい(コンパクト) です。また、解析入門I(杉浦光夫、東京大学出版会)には1章の定理7.4として >R^nの部分集合Kに対し、次のa),b),c)は同値である。 >a)Kはコンパクトである。 >b)Kは有界閉集合である。 >c)Kは点列コンパクトである。(ハイネ・ボレルの定理) と書かれています。 第一、「コンパクト集合の開被覆を有限被覆にreduceできること」を Heine-Borelの定理、と称するなら、「コンパクト」の定義を独自にしなければなりません。 一応、コンパクト集合=有界閉集合、と定義すれば矛盾は起きませんが、 この定義は一般の位相空間では通用しないので、普通はこのような定義は採用しません。 位相空間がHausdorffであるとは、任意の異なる2点x,yに対し、 x,yの開近傍U,Vで、U∩V=空集合、を満たすものがとれることを言います。 距離空間は常にHausdorff空間であり、特にR^nはHausdorffです。 一般の位相空間の概念をご存じだと思ったのでこのように書きましたが、 ご存じでないのなら深入りしない方が良いと思います。 例えば、非Hausdorff空間では、1つの数列が複数の収束先をもつ(発散する、ではなく)、というような Euclid空間では考えられないようなことが起こります。
補足
ありがとうございます。 僕が今読んでいるのは、 ウラジミロフの応用偏微分方程式で、 最初の2,3ページで詰まっていて質問しました。 もうちょっと考えてみます。
- zzzzzz
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>ハイネボレルの定理というのは、 >「コンパクト集合Kの任意の開被覆から、有限個の開集合からなる部分被覆を > 選び出すことができる。」 >というものです。 これはコンパクトの定義です。 Heine-Borelの定理は、ここでは 「R^nの有界閉集合はコンパクト」 という内容だと思われます。 (この証明は本質的にRの閉区間[-M,M]がコンパクトであることによります) 題の主張を、次のstepで証明します。 但し、記述の便宜上、Aの閉包をcl(A)、Aの補集合をcp(A)と書くことにします。 [step1]cl(G')はコンパクト [step2]Hausdorff空間のコンパクト部分集合は閉集合 [step3]連続写像f:X→Rに関して、Xがコンパクトならばfは最小値をとる [step4]cl(G')とcp(G)との「距離」は0より大きい [step5]題意をみたすε>0が存在する 但し、step2、3はかなり一般論ですので、特に証明するほどのことでもないかもしれません。 [step1]G'は有界なので、cl(G')もまた有界。 従ってHeine-Borelの定理より直ちにcl(G')はコンパクトで。 [step2]AをHausdorff空間Xのコンパクト部分集合とする。 cp(A)の各点に対し、Aと交わらない開近傍がとれることを言えばよい。 任意のy∈cp(A)を固定する。 任意のx∈Aに対し、XのHausdorff性より、open set U_x、V_xで x∈U_x、y∈V_x、U_x∩V_x=空集合 であるようなものがとれる。 このとき、xを動かしてこれらを取ると、{U_x}_{x∈A}はAの開被覆になっている。 Aのコンパクト性より、Aの有限被覆{U_x}_{x∈I} (Iは有限集合)を選ぶことができる。 このとき、W=∩_{x∈I} V_xとすると、これはyの開近傍で、明らかにAと交わらない。 [step3]f:X→Rは連続、Xはコンパクトとする。 このとき、f(X)はコンパクトとなる。 (f(X)の開被覆をfで引き戻してXの開被覆にすれば、Xのコンパクト性より有限被覆が選び出せる) f(X)の開被覆(-m, m) (m=1,2,...)が有限に落とせることより、f(X)は有界、 また、Rは距離空間、とくにHausdorffであるからstep2よりf(X)は閉集合。 従ってf(X)は最小限をもつ。つまりfは最小値をとる [step4]f:cl(G')→Rを、 f(x) = inf_{y∈cp(G)} d(x,y) とおく(d(x,y)=|x-y|:距離関数)。 このとき、step1およびstep3より、fは最小値を持つ。 さらに、cl(G')∩cp(G)=空集合、およびGが開集合であることより、 任意のx∈cl(G')に対してf(x) > 0が成り立っている。 従ってmin f(x) > 0 [step5]ε=min f(x)とおく。 このとき、G'ε⊂Gとなることが次のようにして分かる。 任意のz∈G'εに対し、z∈Gを示せばよい。 G'εの定義から、y∈G'で、d(y,z)<εを満たすものが存在する。 このとき、z∈cp(G)と仮定すると、 d(y,z) ≧ f(y) ≧ min f(x) = ε > d(y,z) となるが、これは明らかに矛盾。 従ってz∈G。
補足
ハイネボレルの定理の内容は、あらゆる本で 僕の質問記事の内容で定義されていました。 また、Hausdorff空間の意味がわかりません。 xは、一応R^n(n次元ユークリッド空間)の中の点を表しています。
お礼
ありがとうございます!!やっと理解できました。 返事がおくれてすみません。 ウラジミロフは輪講に使われているのですが、 「εをいくらでも小さくとればG'εはGに含まれるようにできるじゃん」 と言われ、そんな直感的でいいのかなぁ、とずっと悩んでいました。 やはり、この本は相当の厳密さが求められるのですね。