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分布定数回路について
ただ今回路について勉強しています。大学3年生です。 分布定数線路というのは波長に対して回路長が無視できない、つまりは同じ線路上ではあるが場所によって位相が違うため電圧が一定でない、ということは理解できました。しかしなぜ直列コイルと並列コンデンサで等価的に表すことができるのかわかりません。 うまく表現することができませんが、今はマクロにみると等価であるがミクロにみると等価ではないのではないかと思っています。例えばコイルは位相を90°ずらしますが現実には10°だけずれている点も存在します。曖昧にしか思っていなくうまく表現することもできません。 アドバイスでもいいのでなにか思うことがあったらお願いします。
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#9の補足に回答します。 補足内容の2つの表現はどちらも同じです。しかし舌足らずな表現だと思います。 ・波長が線路長に対して無視できない ・長い線路になると配線のLと配線間のCが無視できない よく考えると上記2つの表現はどちらも波長が「線路と比べて」そこそこ短くなっていることを示すもので、同じです。本の表現をまとめて言うと「波長が短いと(つまり線路が長いと)線路のLCが無視出来ない」ということです。 集中定数と分布定数の違いを考慮して、正確に説明するなら以下のようになります。 「波長が短いと(つまり線路が長いと)線路のLCが無視出来ない。しかし線路のLCを集中定数で表そうとすると誤差があるので分布定数で表す」ということです。誤差については以下に説明します。 波長が短ければLCを無視出来ないのは集中定数も分布定数も同じです。波長が長ければ集中定数も分布定数もLCを無視出来ます。ここまでは集中も分布も同じです。じゃあ何が違うのか?周波数範囲が違います。線路を扱う場合、集中定数は所詮は近似なのです。 集中定数から分布定数への拡張: 線路を集中定数で表そうとすると、例えばインダクタ2個を直列接続し、インダクタ同士の接続点とグランドの間にコンデンサを接続したいわゆるT形回路があります。LとCの値をうまく選び線路と近似して使用出来ます。しかし使用可能な周波数の範囲は狭く、広い範囲で使おうとすると誤差が大きくなります。高い低いではなくて広い狭いです、誤解なきよう。波長が短くLやCが無視出来なくても、LCをきちんと選べば狭い周波数範囲内なら集中定数でもよい近似が可能なのです。繰り返しますが「狭ければ」ですが。LとCの段数を増やせば、もっと広い周波数範囲でも使えます。しかしやはり限度はあります。じゃあ無限の段数で表せばどうだ?これなら可能です。無限の段数の表現=単位長さあたりのLCですよね?分布定数として単位長さあたりのLCで表せば誤差の問題は無くなります。これが分布定数回路の利点というか特徴です。
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>LCだけだとやはり90°か-90°しかずれない気がするのです。 「90°の位相ずれ」とは、どういう configuration が前提なのでしょうか? 例えば、一端に交流電圧(Vin)を印加したとき、短絡他端の電流(Is)を考えると、どちらでも電圧(Vin)と電流(Is)は「90°の位相ずれ」。 まず、分布定数線路の場合について「10°だけずれている点」の具体例を挙げてみてください。 その状況が集中定数リアクタンス(L,C)ではあり得ないこと、も示していただければ考えやすくなります。
補足
すいません、10°ですとうまく説明することができないので簡便のために値は変えます。 例えば入力電圧1GHzの、V=Asinωtとします。負荷を50Ωの抵抗、伝送線路の長さを1mとします。線路は損失のない理想的なものとします。入力電源側からみてx=0の位置ではV=Asinωtです。x=1mの位置では位相が4πずれているのでV´=Asinωtとなります。 これをLCで実現しようとします。負荷に対して並列C、直列Lを考えて計算をするとx=1mの位置、つまり出力は V´=RAsinωt/{R(1-ω^2*C)+jωL} となり振幅が変化してしまいます。 これはどの考え方の間違いでしょうか?もしかしたら反射波を考慮していないことによるものでしょうか?
- gura_
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>コイルは位相を90°ずらします・・・ 本当にいつもそうですか、次の確認をしてみてください。 送端側に、内部インピーダンス50Ωの1MHzの電源を繋ぎ、終端側に50Ωの抵抗を、分布定数、L=1μH/m、C=10pF/m、長さ1mの線路で結んだとき、送端側および受端側の電圧電流はどうなりますか。 さらに、長さが、10m、100m、1km、10kmの場合はどうですか。 なお、分布定数値は、1μH/m=1nH/mm=1pH/μm=・・・ということで、いかにミクロに見ようとも均質であるという意味です。念のため。 参考URL http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/coaxialcable.htm http://asaseno.cool.ne.jp/tech/bunpu03.html
補足
抵抗を考えれば10°だけずれることも理解できるのですが理想的な分布定数回路では抵抗を無視しますよね。LCだけだとやはり90°か-90°しかずれない気がするのです。この考え方は間違っていますか?
分布定数線路をLCで等価回路表現をする時に、LやCの値は全部1m当たりの量で表されます。3cmなら3cm分のLやCの値になりますし、10mならその分のLCになります。つまりミクロ的に見ても同じなのです。コイルは位相を90°ずらしますが、同時にコンデンサは位相をー90°ずらします。後はLC値次第で10°だけになるのです。 実際の回路設計では、本来線路を用いる所を集中定数のLとCだけで構成することもあります。分布定数か集中定数かの違いがありますので、狭い周波数帯では大体合いますが、広くなるとズレが大きくなります。
補足
たとえばどのような回路構成で10°だけずれるのか教えて頂きたいです。
>マクロにみると等価であるがミクロにみると等価ではないのではないかと思っています。 >例えばコイルは位相を90°ずらしますが現実には10°だけずれている点も存在します。 分布定数線路の回路パラメータ(例えば、縦続パラメータ)を導くとき、微小区間に分割して偏微分方程式をたてますね。 これはミクロにみて、直列のコイル(L)と並列のコンデンサ(C)で等価的に表すことじゃないでしょうか。 方程式の解をみると、つまりマクロにみると、決して等価じゃありませんよね。 (マクロにみて、分布定数線路により近似している2ポートはLCの格子形回路です) また、LCから成る逆Lタイプの2ポートは「位相を90°ずらす」だけのものではありません。 (実用上はよく、便宜的に狭い帯域に限って近似させることがありますけれど) やや的外れの回答ですが、反論などありましたらどうぞ。
補足
偏微分方程式をたてる導出の過程は理解できるのですがその結果の直感的理解というかイメージをつかむことができなくて困っています。
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補足
とてもわかりやすい説明ありがとうございます。 なぜこのような疑問があったのかというと、同軸ケーブルではなく漏れのない理想的な心線のみの裸線路に入射させたとすると容量は存在しないのでCは考えないが、実際には心線の位置によって位相がずれているということが起こりえると思ったからです。v=V1exp{jω√(LC)x}+V2exp{-jω√(LC)x}においてC→0とすると位相のずれはなくなります。 これは心線中で波長の長さが変わることなどで説明がつくのでしょうか。つまり、裸線路では高周波を入力しても波長が長くなり位置によって位相のずれはなくなるということでいいのでしょうか。このあたり(波長短縮率や電磁波の話)はまだ不勉強で詳しい話は理解していないのですが、もしお分かりでしたらお聞かせください。