『うつ』と言っても、それを引き起こす原因はストレスだけではなく多種多様で、
また抑うつ状態の程度もさまざまです。
まず、抑うつ状態を引き起こす原因は大きく分けると3つに分けられます。
ひとつは内因性、ふたつめは心因性、三つめは身体因性です。
内因性というのは、もともと生まれながらにしてうつの素質を持っていて起こるもの
です。例えば、生まれながらにある種の代謝系の異常があったり、中枢神経機能に
問題があったり、ストレスも目にみえる病気もないのになぜか起こったり、といった
ものです。
つまり、なんだかはっきりとはわからないけど原因は生まれながらに脳や精神にある
らしい、少なくとも外界の影響ではなさそうだ、としかわからないものと言い換え
てもいいかもしれません。
心因性というのは、sakurabaさんが書かれているようなストレスなどの精神的
負荷が原因で起こるものです。
身体因性というのは、身体に実際に器質的異常があって起こるものです。
例えば、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能低下症といった『目に見える実体(=
器質的異常)』があるということです。
ですから、ストレスで抑うつ状態になることもあるし、脳腫瘍のような器質的異常で
抑うつ状態になることもあり得ますが、sakurabaさんが書かれているような『スト
レスがたまって実体になる』ということは通常は考えられません。
ただし、強度のストレスが続くことで脳血管障害を起こす可能性はなくはないと
思うので、そういう意味で言えば『ストレスが実体になる』とも言えないことは
ありません。