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礼服について
ご意見をお聞かせ願いたいのですが 礼服は通常、冠婚葬祭と決まっているようですが 私はスタンドカラーシャツ(立ち襟)着て礼服を 着てみようかと思っています。 おかしいでしょうか?
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ニューヨークから失礼します。”礼服”と言われていますが、正しくは”略礼服”というのが、一般的な商品名です。 つまり元々は、正式なものではない、という論拠に基づいて開発された商品なのです。 この服は、日本に住む、大方の日本人同士のコンセンサスによって、日本でのみ通用するフォーマルウエアであります。その理由のひとつは、冠婚葬祭、慶弔、つまり喜びの時に着る服と悲しみの時に着る服が同じである、という発想は、欧米人をはじめ世界の人には考えられないことだからです。 ことの発端は、第二次大戦後、貧乏の極地にあえいでいた戦後の日本で、”渡喜”という会社の当時の社長が 貧乏な日本人のことを慮って 企画したものなのです。”渡喜”は現在は、カインドウエアと社名を改称しており、日本のフォーマルウエアのリィーデングカンパニーでもあります。 www.kindware.co.jp その後、国際的なルールにのっとったモノではないとのことで、ことある度に槍玉に上がってきましたが、いまだ生き延びています。(今の日本人は、どうもこの服が昔からずっとあったように錯覚していますが、戦前には、日本人のほとんどが紋付を着ていたのです。) というのが簡単なストーリーなのですが、この略礼服に スタンドカラーシャツを合わせて、ディナーショーにて着用したいがおかしくはないか、と言うのがご質問のポイントかと存じます。結論から申し上げますと、決しておかしくないものの、雰囲気のやたら堅い融通の利かない代物に、いきなりややソフトなもの(この場合スタンドカラーシャツ)を直接 くっつけるのはやや難があります。ディナーショーという華やかな場にふさわしいちょっとした工夫を施したいと思います。 つまり、どうしたら”華やかさ”が加えられるかということについて考えてみましょう。 実は ドイツなどでは、黒の一見略礼服のような スーツは存在しないこともありません。 黒ではあるのですが、紺やチャコールグレーのようなダークスーツ、つまりもっとも濃い色のダーク スーツとして考えられております。素材の良い白のシャツに、赤みが強いバーガンディ(赤ワインの色)のシルクサテンのタイなどを合わせると、夜の灯りに映えてなかなか良いものです。 つまり黒の略礼服はモノトーンなわけですから、そのモノトーンによって引き立てられる華やかな色と素材感をプラスしては、というのが、第一のポイントになります。今回はスタンドカラーシャツご利用とのご希望ですので、一応念のため、小さな襟のついた通称ウイングカラーシャツではないことを確認しつつ話を進めたいと思います。 さて、通常、フォーマルウエアを着用のシチュエーションは2種類しかありません。 (1) セレモニーに望む際のフォーマルウエア (2) ソシアル、即ち社交着としてのフォーマルウエア (1)の場合であれば、ひたすらドレスコードに忠実に装うことに徹すればよく、そのことによって、相手に対するリスペクトの気持ちを表わすことになるのです。 しばしばみんなが同じ格好で個性がないと言う方がいますが、そうではないのです。ディテイルの中に個性は宿るもので、そのディテイルがわからない人は、結局 教養のない人ということになります。 (2)については、(1)のようなルール、ドレスコードにしばられたりすることがない代わりに、センスの良し悪しがストレートに出てしまうこともあって、日本人の男性は概ね苦手としています。あまり おしゃれについての引き出しを持っていないということなのでしょう。 今回のお問い合わせについては、シチュエーションがデイナーショーとのことで、ずばり(2)のケースです。 従って、いかに礼服の堅さを除いて、華やかさをプラスするか、ということになりますが、実は、スタンドカラーそのものは決してフォーマルなアイテムとは言えないのですが、うまく工夫して使うことによって、華やかさを醸し出す一助となりえると思います。 さて、次に略礼服の上着の襟の形をチェックしていただけますか。 襟の形は、普通の背広のような襟でしょうか、それともピークド ラペルという襟先が尖って上の方を向いているものでしょうか。(タキシードによく見られる襟の形です。先ほどのカインドウエアのサイトの中に写真だ出ています。) もしピークドラペルのものであれば、より今からお話するコーディネートに華やかさをプラスすることが出来ます。 (a) www.rakuten.co.jp/excy/298471/ (b) www.rakuten.co.jp/excy/170157/ (c) www.rakuten.co.jp/excy/169139/ この場で、アメリカでしか買えないものをお薦めしても意味がありませんので、日本のサイトをチェックしてみましたが、お薦めの小物がいくつか出てきました。 それでは、まず(a)をチェックしてみてください。 略礼服、スタンドカラーのコンビネーションに、アスコットタイまたはアスコットスカーフ、共布のベストを取り入れられてみては如何でしょう。 絵に例えれば、オーソドックスな木の額縁をそのまま使って、絵を和室ではなく、壁の明るい洋間に飾り直したような感じと言えばよいでしょうか。 個人的には貴方のキャラクターなどはまったく存じませんが、淡いピンク、または襟付きのグレーのベストとそれぞれに共のアスコットを組ませると黒の上着の中で、適度な華やかさ醸し出されると思います。 そうして胸にはシルクの白のポケットスクエア(ポケットチーフのこと)をパフド スタイルであしらってみてください。 それから、くれぐれも靴には注意を払ってください。 ビジネス臭のある履きふるした靴ではそれで全てがダイナシとなってしまうので、しっかり磨いて光沢があるものか、逆に黒のスエードの靴を合わせるのも面白いと思います。 もしスタンドカラーが、実はウイングカラーシャツを意味していた場合のことも考え、(b)と(c)も記しておきました。(b)は、クロスタイについて、(c)は、アスコットタイとアスコットスカーフのバリエーションについてです。 ちなみに、スタンドカラーにアスコットをスカーフのようにあしらうのは、国際的にもまったく問題はありませんのでどうぞご心配なく。 もしもアスコットスカーフ等が気恥ずかしいのであれば、ヴェストだけでもいいでしょう。 いずれにしても、非日常の世界を服とともに装う、表現をするわけですから、ご自分がこころから楽しんでおしゃれをすることが最も重要なことだと考えます。
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アドヴァイスしたいと思いますが、以下について確認したいのですが、ちなみに私はニューヨーク在住の 洋服屋です。 礼服にスタンドカラーのシャツを合わせて 普段に着たいということでしょうか? それともスタンドカラーのシャツを着て、礼服を着て 冠婚葬祭に出られたいということなのでしょうか?
補足
詳細をお教え頂けるとの事、有り難うございます。 12月にディナーショーに行く時にスタンドカラーシャツ を着、礼服をと思っています。 宜しくお願い致します。
お礼
詳細にお教えて頂き有り難うとうございます。 バリエーションが増えて、色々と楽しみです どうぞ、お体には十分お気をつけ下さいませ。