大会の性格によります。
○どこの協賛もついていない私的な大会、または大会で無く一般人の滑る姿
競技者の肖像権の問題が発生します。
個人は、
a)承諾無しに、自己の容貌、姿形を「撮影されない」権利
b)承諾無しに、撮影された自己の容貌、姿形の写真・映像を「公開されない」権利
を持っています。
従って、まず撮影の段階で競技者に撮影の承諾が必要になります。
そして、販売する=公開するですから、販売時にも、競技者の承諾が必要になります。
この承諾を得ない行為は、民法上の不法行為(第七百九条)を構成し損害賠償責任が発生します。
民法 第七百九条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって
生じた損害を賠償する責任を負う。
○主催者やどこかの協賛がある大会
主催者側が、この大会の内容(映像、音声、結果の情報)について、著作権を保持している可能性
が高いです。(端的に言えば主催者側がこの大会の映像ソフトを販売できるということです。)
著作権は排他的独占権ですから、許諾無しに他者の著作権を侵す事はできません。
競技者の肖像権については、大会参加時の申込み書等の説明で許諾を得ていると思われます。
プロの競技者へのギャラは、主催者側が支払うので問題ありません。
一般観客の行う撮影については、私的利用の範囲では許諾なくとも許されるというのが著作権法の
規定です。
著作権法 第三十条
著作権の目的となつている著作物(略)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた
範囲内において使用すること(略)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する
者が複製することができる。
しかし、この私的利用の範囲を越えて販売ということになると、原著作権者の主催者側の権利を
侵害する事になり、やはり民法の不法行為を構成します。
私的撮影分の販売についての許諾を得る必要があるでしょう。
民事的には以上です。
刑事的には、ANo.2さんが、違法性は少ないと仰っていますが、その通りだと思います。
名誉毀損罪や侮辱罪の可能性を挙げていらっしゃいます。
名誉毀損は「映像」により事実の摘示(例:いつも転んでいるシーンを集中的に撮る)が出来、
競技者の名誉を毀損する事は可能だと思います。
一方、侮辱罪は「事実の摘示をしない」事が前提なので、映像である限り事実の摘示は避けら
れませんが、意図的にカメラを向けない、ファインダーにはいると避けるように被写体を変える
などして、カメラワークで軽蔑の価値判断が示せれば侮辱罪の成立は可能ではないかと考えます。