蛍の光はルシフェラーゼという酵素がルシフェリンという物質(蛍や発光バクテリアの種類によって異なる)を酸化するときに発せられる光です。発光のエネルギー源にはATPという物質を利用しています。ルシフェリンがルシフェラーゼ内でATPのエネルギーによって酸化される際に励起状態と言われるエネルギーをたくさん持った不安定な状態になります。普通の物質はこの不安定な状態からエネルギーの低い安定な状態に移行する際に熱を放出しますが、この場合はほぼすべてのエネルギーを光として放出するので蛍光として観察されます。
蛍光ペンの蛍光は、蛍光物質がある特定の色の光をエネルギー源と吸収して励起状態になり、安定な状態に移行する際に別の色の光を出すため、周りとは色が異なって見えます。このとき蛍光を出す前後での物質の状態はほとんど変化しません。蛍光物質は世の中にたくさんの種類があります。身近なところではブラックライトで浮かび上がる文字や蛍光灯内の白い物質ですね。両方とも目に見えない紫外線が当たって蛍光物質が励起状態となり蛍光を発しながら安定な状態に戻ります。
ちなみに燐光は蛍光と似たメカニズムですが、励起状態から安定な状態に移行する際に、蛍光よりも弱い光をゆっくり出すものが多いです。とくに光を当てて励起状態にさせたものは、はたからみると光をためているように見えます。いわゆる夜光塗料などがこれに当たります。
車いんの蛍、孫康の雪、いずれも油が買えない貧しい暮らしでもいかに光を集めて夜勉強したかという話ですね。今の時代は光があふれすぎていますよね。
お礼
ありがとうございます。夜光塗料は燐光だったんですね。確かに今の時代は光を無駄遣いしている気がします。蛍光灯よりももっともっと発光効率の良い、無駄の少ない光が出来るといいですね。