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日本債券ベアファンドとは?
- 日本債券ベアファンドとは、金利の上昇に伴い債券価格が下落することを狙って投資するファンドです。
- 債券価格の行方やリスク、過去の経験などを考慮しながら、金利上昇の可能性に注目し、中期的に有望な投資先として考えられています。
- ただし、債券市場の動きにはリスクがあり、金利が予測外の方向に動く可能性もあるため、注意が必要です。
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3つほど気づいた点を申し上げます。 1.短期金利と長期金利の関係 >今回はある程度までなら預金金利も上昇するのでは、というのが素人の浅読みでの予測です。 債券ベア型は、その多く(ひょっとしたら全部?)が10年もの国債の利回りに連動する(正しくは、±が反対の連動、というべきか)ものでしょう。一方、預金金利と言えば、一般的には普通預金や、せいぜい1~3年の定期預金で、期間がかなり異なります。 現在の金利構造は、期間が長いものほど金利が高くなっています。これは、市場が将来の金利上昇を織り込んでいる、という事を意味します。例えば、1年の金利が1%で、2年の金利が2%だとしたら、「これは1年後の1年もの金利が、3%になるだろう」と市場が予想している事になります(1.02^2=1.04、1.01×1.03=1.04) ですから「短期金利の一種である預金金利が上昇しても、国債利回りは上昇しないので、債券ベアファンドは儲からない」というケースもありえます。別の言い方をすれば、現在市場が予想している通りに短期金利が将来上がっていくだけでは、長期金利は上昇しません。10年もの国債価格に逆連動するファンドを買うのなら、預金金利ではなく、10年もの国債利回りに関する相場観が必要です。 とは言っても、今が金利上昇局面の初期段階だ、とお考えであれば、金利上昇局面の初期に、市場が将来の金利上昇を完全に織り込んだ例は、経験的にはまず「ない」と言えるので、それほど気にされる必要はないかも知れません。 2.債券空売りのキャリーコスト 国債先物を売り建てるというのは、本質的には10年もの国債を空売りする、というのと同じ事です。空売りする場合、債券を品借料を払って借りてきて、それの債券を市場で売り、受け取った代金は短期で運用する事になります。品借料は、少なくともその債券のクーポン分は支払う必要があるので、支払品借料>短期運用での受取利息となります。つまり、空売りのポジションを持ち続けると、長短金利差分コストを払い続ける必要があります。 現在の10年もの国債の利回り(複利)を2%と考えるならば、大雑把に言って空売ポジションを1年間続けるためには、2%のコストを支払う必要がある、という事になります。(短期運用金利はごく僅かなのでゼロとみなす)長期金利が全く変わらなくても、少しずつ損をしていく事になります。 元本比2%のコストは、10年もの国債の金利の変化にすれば、だいたい0.25%ぐらいですから、毎年0.25%ずつ10年もの国債の利回りが上がっていけば、このコストは取り返せます。 少しわかりにくいかも知れませんが、そこら辺の事情を別の質問に回答しましたので、宜しければごらん下さい。↓ http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2182634 3.一直線に金利上昇をするか、行きつ戻りつしながら金利が上昇するか この手のファンドは、金利上昇によって、利益が出ると、売りポジションを積み増しする事が多いようです。いつそのファンドを買っても、つねに同じ倍率の連動を保とうとする為です。この結果、金利上昇で儲かると売り増して、その後金利が下がると、売り増したポジションを買い戻す事になり、その時損失が発生します。レバレッジがかかったファンドだと、これは顕著になります。 具体的に言えば、基準価格1万円の時にそのファンドを買った人は、レバレッジが5倍だとしたら、5万円分の債券の売りポジションがある事を期待するはずです。その後、金利が上がって、債券の価格が例えば1%下落した場合、基準価格は1万5百円になります。(債券の売りポジションの時価は、49,500円) さて、この時点で新たにファンドを購入する人が、5倍のレバレッジを得る為には、売りポジションは、1万5百円×5=52,500円必要です。だから、儲かれば儲かるほど売りポジションを積み増し、元に戻るとそれを買い戻さなくてはなりません。ですから、相場がもみ合いになると、損失が少しずつ発生します。(参考URL)この点も念の為ご確認下さい。
お礼
大変に詳細且つ極めて判り易い御回答、本当に有り難うございます。 参考頁etc.も参照させていただき、このファンドの仕組み並びに債券先物のメカニズムというのが少し理解できた気がします。 デリバティブによくある、保有するだけで価値が減衰していくタイプ(御指摘いただいたように読み通り長期金利が上昇していけば充分補填できるとして)であることも判りました。 また、実際のところ日本景気自体はそろそろピークアウトするのでは、という危惧も抱いており、そうなると当面短期金利はある程度上昇するとしても長期金利については大きな変動はないかもしれませんね。 さらに余禄として、この御説明のおかげでアメリカのイールドカーブ平準化(もしくは逆イールド)がなぜ起きるのか、ようやく実感を持って納得出来ました。 本当に感謝いたします。