まず派閥のイメージですが、大学のサークルのようなものと捉えれば分かりやすいです。
A大学の甲と言うサークルと乙と言うサークルでは、それぞれにサークルのカラーがあり、微妙に雰囲気は違います。
しかし、同じA大学なわけですから、大きな視点で見れば、学風は同じと言うことで、実際は甲の部員も乙の部員も印象に大差ないわけです。
森派も津島派も主張は微妙に異なりますが、大きな視点で見れば同じ自民党の議員なわけですから、大差はありません。
次に、派閥の存在意義ですが、建前上は政策勉強会です。
教育のプロフェッショナルとして選挙に当選しても、国会ではその人の専門外の経済や外交について、自らの賛否を表明しなければならないことが多々あります。
その専門外の領域について、党員としてどう身を処したら良いのかを勉強するためにあるわけです。
そんなことは、サークルを作ってやらなくても、党の事務局なりが積極的に主催してやれば良いと言うのはもっともな意見ですね。
そこで、とりあえずの試みとして、先の総選挙で初当選した議員に対して派閥には属さないよう、自民党は呼びかけています。
そして、党自らで勉強会や懇親会などを催して、派閥に入らないデメリットのカバーに努めています。
この動きが今後どの程度まで広がるかは注目したいですね。
最後に、ではどうして派閥間で争いが起こるかと言うと、国会議員である以上、勉強会が単なる勉強だけで終わってはならず、勉強した結果得られた「政策」を実現させる努力をしなければならないからです。
最初にサークルによって微妙にカラーが異なると言う話をしましたが、派閥も(同じ自民党ですから大きな違いはないとは言え)微妙にカラーが異なるわけです。
微妙な関係が時に大きな騒動をもたらすのは、一般の人間関係でも言えることですね。
複雑そうで単純、単純そうで複雑、それが派閥なのです。