- ベストアンサー
工学?それとも理学?
私は4月から高三の男子です。 理系科目全般に興味があり、将来は研究者に就ければいいなぁとぼんやり思ってます。そこで、大学で工学系に行ったほうがいいか、理学系(生物)がよいか皆さんの御意見をお聞かせいただければと思い質問しました。就職面や、実際職に就いたときの楽しさ、大学に入ってからの違いなど、どんなことでもいいので教えてください。志望大学は京都大学です。よろしくお願いします。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
いくつかのポイントに分けて補足説明します。 1)講義内容と就職について 理工系の研究の場合、実験装置が重要な役割を果たします。 理学部の研究でも、研究のために自分で実験装置 を作るということは良くあるのですが、装置を作る ために必要な知識(機械工作をする上で必要な材料の 知識、製図の仕方、電子回路の組み方、等々)につい ては、講義時間があまり割かれず、研究室で詳しい 先輩に聞いたり、自分で本を読んで習得したりとい ったことが多くなります。 一方、工学部の場合、これらの授業の割合が理学部 より多いはずです。 職業としてみた場合、装置を使って実験をすること をメインにするならば理学部もよいのですが、装置を 作ることをメインにするならば工学部の方がいいよう に思います。たとえば、島津製作所や日立ハイテク、 といったバイオを含む研究機器を研究開発している メーカーに就職したいのなら、工学部の方がいいん じゃないでしょうか。また、工学の知識は、バイオ 関連以外のメーカーで共通して使えるものが多い ので、就職の選択肢は多くとれます。 なお、バイオ系で、実験をすることをメインの仕事 とするなら、理学部の生物科学専攻生物物理学教室 も当然いい選択肢ですが、農学部や医学部といった 選択肢もあるかもしれません。 最近は、どこの研究室もインターネットで研究内容 を詳しく紹介してくれています。これらは進路を 決める上で有益な情報となります。 2)忙しさ(大学による拘束)等について 現在のカリキュラムを正確に把握しているわけでは ないので、私の在学当時の話をします。 理学部でも工学部でも1,2回生時点では、あまり 忙しさは変わりませんでした。夕方以降や週末は 自由に使える時間が多くありますので、それを サークル活動やアルバイト、その他に使うことは 十分できます。 3,4回生については、授業や実習による明示的な 忙しさという点では工学部の方が上だったように 思います。 ただ、これは理学部が学生側に自由度を与えてくれ ているだけです。高校などよりずっと難しく密度の 濃い授業を本当に理解するには、しっかりとした 自主学習をする必要があります。 与えてくれた自由度を悪用し、取りやすい単位を 揃えていけば、工学部よりも理学部の方が、卒業 するだけなら、ずっとしやすいでしょう。 でも、そんなことをして損をするのは自分です。 自律心が弱いと京大理学部では、深みにはまって しまうかもしれません。 自由度という点では、前の回答でも少し触れました が、京大理学部は、まだ系制度という運営をして いるようです。これは、工学部とことなり学科を 設けず、自主的に系(物理系、数学系、生物系など 5種。私の当時は無所属もあり)を申告するだけで 物理でも数学でも生物でも好きな講義を、好きな 組み合わせで選択できる制度です。基本的に必須 単位もありませんでした。 ただ、ある講義が、他の講義の知識を前提と したものが多いので、そんなに無茶な組み合わせを する人はあまりいませんが、いわゆる学際分野を 目指したり、入学時点では専攻を絞りきれていない 学生にはありがたい制度です。 最後に) 理学部にせよ、工学部にせよ、京大はいい大学で、 京都は学生生活を送るにはいい場所です。頑張って 合格してください。 参考) 理学部の方針について http://sci02.rigaku.kyoto-u.ac.jp/modules/tinycontent1/?id=6 理学部生物科学専攻生物物理学教室 http://www2.biophys.kyoto-u.ac.jp/ 工学部紹介 http://www-s.kogaku.kyoto-u.ac.jp/introduction/subject/subject.htm
その他の回答 (3)
- nzw
- ベストアンサー率72% (137/189)
理学部というのは、『なぜ?』を考えるところであり、 工学部というのは、『どうやって人の役にたつものを 作るか』を考えるところです。 したがって、理学部の場合、興味をもてない内容では 『何のためにこんなこと考えるの?』と思う 場合もあるかと思います。 一方、工学部の場合、役に立つものを作るために 物理などの知識を利用しますが、天下り式に 法則などを与えられる場合があり、 『なぜそうなるの?』と疑問が残る場合もあります。 原理的なことを追求したいのか、役に立つものを つくる喜びをもとめたいのか、を考えてみても いいでしょう。 ただ、最先端の工学を追求する上で、あらたな理学 を研究する必要がでてくることも多々あります。 したがって、工学と理学の境目が曖昧な分野、どちら でも同じようなことをしていることはよくあります。 就職に関して言えば、修士から企業の研究者に なるというのであれば、一部のテーマを除き、 理学系でも心配する必要はあまりないと思います。 ただし、理学系で博士に進み、いわゆるアカデミック な研究をしたいというのであれば、茨の道である ことを覚悟しておいてください。 私は京大理学部物理卒で、同期に非常に優秀な 人間は多数いましたが、大学や研究機関に恒久の ポストを得ている人間なんて、ごくごく一部です。 博士にはなれたけど、職がなくて苦しんでいる 友人も何人もいます。(まぁ、アカデミックな 世界に残るかどうかは、修士で決めればいいこと で、今心配する必要はありませんが) あと、京大特有のこととして、入試制度があげられ ます。理学部は学部一括で合格者を決めるので、 入学後生物より物理や化学に興味を持ったとしたら、 そちらに切り替えることができるはずです。 工学部は学科単位で入試を行うはずですので、 基本的には出願時点で学科を決めておく必要が あるはず。 このあたり、私のころ(ずいぶん昔です)とは 変わっている可能性が高いので、募集要項などで 確認してみてください。
お礼
ご意見ありがとうございます。 実際に京大を卒業した方からのお話、とても参考になりました。自分的には『どうやって人の役にたつものを作るか』に興味を持っているのですが、生物工学という可能性もあって工学か理学かで悩んでいます。 もうひとつお聞きしたいのですが、工学部と理学部に入った場合学生の忙しさはどれくらい違うのでしょうか?大学に入ってからやりたいことがたくさんあるのでそれも気になります。
一般論としては、京大といえども、工学部の方が理学部よりも就職は良いとはいえるでしょうが、理学部生物系であれば特に心配するほどのことはないと思います。理学部の一部の学科の就職は結構厳しいようですが、生物系はこれには該当しないと思います。 それよりも、工学部の場合には、どの学科を選択するかという問題があります。最近では生物工学系の研究室もあるかもしれませんが、いわゆる生物ということであれば、理学部をお勧めします。分野によっては農学部という選択肢もあるかもしれません。 また、理科で生物を選択するつもりでしたら、工学部が生物で受験できるかどうかも調べる必要もあります。来年度の京大工学部がどうなるかは知りませんが、工学部では物理と化学が指定されていることが多いと思います。 なお、企業での研究者を目指すのであれば、工学部でも良いでしょうが、大学などでの研究者を目指すのであれば、理学部の方が有利です。すなわち、理学部出身者の中には理学部以外の教員になる人も多くおり、つぶしがきくとも言えます。もちろん、理学部から企業の研究職に就く人も多くいます。その場合、大学院修士課程修了者がほとんどだと思います。
お礼
ご意見ありがとうございます。 理学部のほうがつぶしがきくというのは初めて知りました。しかし理学部には入試科目に自分の不得意な国語が入っているので、合格率でいうと工学のほうが分がある気もします。様々な事を考慮して学部を決定したいと思っています。ありがとうございました。
京大目指される方なら存じてると思いますが 工学は応用科学、理学は自然科学ですね。 ということで実生活にも関係ある工学 のほうが仕事も幅広いでしょうし 就職も理学より上と思いますよ。
お礼
ご意見ありがとうございます。やっぱり大学の学部選びは就職のことも考えないといけませんよね。参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
お礼
丁寧なご説明、本当にありがとうございます。楽したら自分に返ってくることはわかってはいるのですが、何しろ高校が自由が全くなく楽しくないのでつい尋ねてしまいました。 人から聞く京都大学の校風や京都の町並みなど、京大は自分の理想とする学校なので勉強してぜひ合格したいと思います。ありがとうございました。