一長一短でバランスの問題ですね。
例えば、今まで厳しい公務員法の下で行っていた仕事を民間に開放し、民間事業者がそれを行うという事は、国からすると税負担が減り、加えて事業者の収入の一部が税収入として入ってきて良い事だらけともいえます。
しかし、今まで民業のインフラ基盤として、公的なものとして公務員によって運営されていたものが、又は税金によって補助を受けていたものが、今度は税金を支払って使用するという事になるので、事業者が税金を負担し、最終的には利用者である一般市民が料金などで負担するという事です。
ここで発生するバイアスが効率性と採算性です。
公務員はよく杓子定規で、融通が利かない などと言われますが、大組織で厳しい規制の元で仕事を行っていれば、仕事としては公の人としての役割が求められ、自分の意志で何かをする事は許されません。多かれ少なかれ組織の中ではそのような事が求められますが、大組織となれば更にその傾向が強まります。
国という立場としてはその役割を果たす事に重点が置かれ、採算が合わなくても国がやらなくてはならない事は沢山あるので当然採算性という意識がうすまります。また、その緩い採算性の意識の中、上で述べた公としての面とも相まって、効率性も失われてゆきます。
一方民間企業は、いくつかの事業者がいれば、必ず価格競争があり、安く物やサービスを提供する事が求められます。しかし、効率性や採算性などの利益追求が優先される結果、モラルや安全性が失われてしまうという結果を時に生みます。
何をどこまで公務の仕事とすべきか、そこの判断は非常に微妙な問題で、民も官も一長一短、バランスの問題という事ですね。