食物摂取後にSpO2の低下が認められるということは、何らかの誤嚥が起きている可能性が高いと思います。大きな食塊でなくとも、SpO2が低下することは十分考えられます。
この患者さんがもし脳血管障害をお持ちであるならば、一度は嚥下能についての評価が必要かもしれません。食事も誤嚥しにくいようなとろみのついたものを主体にするなどの工夫が必要でしょう。
老人のSpO2の正常値についてのご質問ですが、(酸素解離曲線をご存知という前提で書きます)確かに加齢とともにPaO2の値は低下していきます。ただしこの低下の程度は、酸素解離曲線で言うとちょうど平坦な部分で、ほとんど正常の範囲内で動く程度のものです。ですから、老人だからSpO2の正常値が若年者と比較して低いということはありません。(というより、老人で正常値が低いと評価できるほどの大きな変化をSpO2に見出すことは一般的に無理だと思います)
SpO2がどこまで下がったら危険なのかということについても若干補足させていただきますが、SpO2単独の値から危険かどうかということをいうことは困難です。なぜなら、強い換気努力をしていてSpO2 95%と、平常の呼吸で95%では意味がまるで異なりますし、SpO2がかなり低下していたとしても、慢性に経過する疾患では体の代償が働くため直ちに危険な状態とは必ずしもいえないからです。
SpO2は末梢の循環の状態に依存するので、常に血液ガスと同じ肺機能の評価指標とはならないことにも注意が必要です。
お礼
ありがとうございます。 結局次の日患者さんは熱発してました。 患者さんは重度の痴呆で嚥下にも問題のある方でした。食事にはトロミがついてましたが、食介する際すごい勢いで介助者が口に入れていくんです。 きっと誤嚥性肺炎ではないかと考えられます。 でもDr.やNrs.は風邪だと言ってました。