結論は,残念ながら出ていないと思います。
しかし,カッコウの仲間は生理的に特殊です。
(1)体温の問題は,#1さんご指摘のように,昼は39℃ほどですが,夜間等には20数度に下がります。
(2)卵も生理的に特別でして,低温耐性が極めて高く,生みっぱなしのハ虫類の性質を色濃く残した卵です。これが暖められますと,一般の鳥類より遙かに早く孵化します。
(3)卵の模様を変えることが出来ます。
(4)カッコウは刷り込みが起こります。仮親を親と思うわけです。子は親を親と思わず,親は子を子と思いません。
次に仮親等の一般的な鳥類の本能についてですが,卵形を見ると抱かざるを得ず,黄色の縁の赤い口が開くと餌を与えざるを得ない性質があります。
以上は事実です。以下は私見も含めまして,どのようにして現在の習性に至ったかの仮説をお話しします。
第一段階(一般的な時代)
求愛の儀式に巣作りの動作が含まれますから,かっては自ら巣を作り子育てしていたと思われています。ただし,絶えず暖める必要はありませんから,かなり手抜きの子育てだったと思われます。
第二段階(巣の乗っ取り屋の時代)
スズメのような留鳥は,文字通り空き巣ねらいです。しかし,カッコウのような渡り鳥は,卵がすでに産み落とされた巣を乗っ取ります。この際にすでに産み落とされた卵は捨てるのが普通です。ここでも生みっぱなし的で絶えず暖めることはなかったと思われています。
第三段階(托卵への道)
巣の乗っ取りの過程で,完全に乗っ取らずに途中で中断し,それを仮親が育てるか,または,完全な乗っ取りだったが生みっぱなし的ですから,乗っ取られた側が卵を見ると抱かざるを得ない本能から育てるかしたのではないかと思われています。どちらにしましても,結果的に仮親の本能をうまく利用しているわけです。
私は,第一段階などほとんどなかったのではないかと思っています。元からハ虫類的に生みっぱなしの性質が強かったためではないでしょうか。何かの参考になりましたなら…
お礼
>カッコウの仲間は生理的に特殊です。 →驚きました。初めて聞くことばかりです。たしか、ホトトギスとよく似た鳥だと思いますが、なぜカッコウだけなんでしょうね。 >どちらにしましても,結果的に仮親の本能をうまく利用しているわけです。 >元からハ虫類的に生みっぱなしの性質が強かったためではないでしょうか。 →なるほど。爬虫類的だった。そして、他の鳥の本能を上手に利用したということになりそうですね。 それにしても、suriran2 さん、とても一般人とは思えない分析ですね。恐れ入ります。 私の素朴でとんでもない疑問にお付き合い頂きました、本当にありがとうございました。