「絶対権力は絶対に腐敗する」と言う言葉の通りです。
社会主義国では、共産党等の支配党につながる権力機構が無謬であることが前提であり、これに対するチェック機能がありません。形式的にチェック機能(監察機構)があったとしても、無謬であることを追認するだけで機能しません。
即ち、共産党書記長から村の党支部長に至るまで、国中に多数の「王様」が成立することになります。それぞれの王様は、自分の支配区域(共産党書記長は全国、村の党支部長は村)の中のことについて全権を持ちます。王様に異議を唱えることは許されません。
王様の中には立派な人も稀にいるでしょうが、多くの王様は恣意や縁故や賄賂で物事を決めることになります。「王様」にとっては、それが一番利益になりますので。そして、王様の腐敗をチェックする機能はなく、逆に王様を告発した者が「無謬の党を批判した」罪で処罰されます。
実際、ソ連、中国、北朝鮮などの社会主義国の建国当初には多数の「反革命派」が処刑されたといわれます。これは、社会主義の恐ろしさを知らずに「王様」に立ち向かった者が「反体制派」として処分されたことを意味します。それ以後は、反体制派と看做されることの恐ろしさが皆に分かり、そうした動きは少なくなります。
お礼
ありがとうございます。 やはり権力とは本質的に悪なのですね。 社会主義の前提として、権力を持った者が誤りのないことが挙げられる。しかし権力は悪である。 それが腐敗の原因となる。 権力に逆らった者は反革命として弾圧される。 よって民主主義は確立しない。 このような解釈でよろしいでしょうか?