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手塚治の『どろろ』について(差別用語等)
小さい時にちらっと読んだのとテレビで見た時におもしろいと思ったので、最近新しく編集した単行本を買いました。 でも、読んでみると何かが違います。 私が気付いたところでは「差別用語」と考えられる言葉は削除されて、差し支えの無い言葉に替えられていました。 正直、がっかりしました。 数年前にWOWOWで「どろろ」のアニメをやってたときは、始まる前に「時代背景を考慮して敢えて差別用語等を編集していません・・・」のようなテロップが出て、そのまま放映されてました。(実際はアニメは漫画のように簡単に編集できないこともあると思いますが。) ということは、断わっておけば法律に触れるわけではないのですよね? 他の古い漫画でもこのようなつまらない編集をされたものがあるのでしょうか? そしてみなさんはどう思われますか? 私としてはとても違和感を覚えます。
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以前に他の質問でも解答したのですが、 マンガ等に対する自主規制が強くなっている理由として、 1999年に施行された「児童買春・児童ポルノ禁止法」が関係しているようです。 元々は書店等で18禁の雑誌などを簡単に売って良いのか? ということで考えられた法案です。 しかし、「青少年有害環境対策法案(素案)」として拡大解釈し すべてのメディアを規制しようとする動きが国会で起こりました。 これに対し日本ペンクラブやTVキャスターたちが反対声明を発表したのは 記憶されているのではないでしょうか? この法案(素案)を読んでいると戦時中の言論統制を連想します(笑 難しい歴史は戦時中からいろいろありますし、戦後もリンチのようなマンガ狩りがありました。 その後も雑誌やコミックスの書店からの回収騒ぎもありました。 週刊誌などが発売日に書店に無いこともありました。 自主規制が強化された1990年代以降は発禁処分などはほとんど無いようですが、、、。 直接の影響としては上記の法案が可決されれば政府や地方自治体の判断で 現在のマンガやアニメに限らず、すべてのメディアが 簡単に排除できることになります。 一部の人間の独断で処分が行えるようになるのです。 断り書きをしようが、抗議をしようが逃げられなくなるのです。 現在の経済状況で雑誌や書籍、TV番組などが発禁、放映禁止になったり、 回収、二次販売(ビデオ、古書)禁止などになったら倒産する会社も出ると考えられます。 ということで各社とも自主規制の強化で乗りきろう、と考えているのでしょう。
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- t-6000
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「差別用語」とは出版社側の自主規制(逃げ)です。 基本的に出版社にとって漫画は芸術や表現ではなく商売道具に過ぎず、社員はまともな抗議であれ難癖であれ厄介ごとは避けて利益を上げたいのが本音でしょう。写植を打ち直すのは簡単ですから。 絵を描き直したりアニメの音声は差し替えは難しいですから注意書きで逃げるわけです。 かつて差別抗議団体がした以上に 激しい「言葉狩り反対運動」をすれば変わるとは思うのですが…
- nemosan
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手塚治虫先生はもと医者ですからね。 もし生きていたら、再版にあわせて手直ししたと 思います。『ブラックジャック』も単行本では 連載時に問題のあった場所を自分で直してますよ。 理不尽な運命や偏見・差別のある現実を描きながら、 他人の痛みを分る心があるから、手塚治虫先生の 作品は感動できるのだと思ってます。 なを、古い漫画をオリジナルなまま読みたければ、 古い本を探せば良いだけです。けっこう有りますよ。
用語自体が主題ではないもの、言い換えてもストーリー自体に直接影響を及ぼさないものは編集されてしまうようです。 しかし、言葉だけではなく主人公の設定が“差別にあたる”場合は出版や放送をされなくなってしまいます。昔、よく再放送をしていた藤子不二雄の「ジャングル黒ぺえ」などは現在では本も含めて見ることはできません。 出版社としては、抗議に対してトラブるのが面倒なので、反論せずに、もしくは抗議が来る前に削除・修正してしまう事が多く、また、特に手塚自身がこういった抗議についてはかなりナーバスになっていたらしく、本人自らがストーリーを削除してしまったケースが多くあります。 http://gtm.cool.ne.jp/uwasanohousouhatubaikinsisakuhin.htm 特定の人物や団体の名前を出してしまった場合やそれを思わせる名はまずいとは思いますし、悪質な差別はよくないのですが、特に悪意や作為的に使用したものではなく、また作家の本意を読みとらず(読みとれない?)に作品や用語をやみくもに「差別だ」とするのは、過去に作家の筒井康隆が言ったように、“言葉狩り”であるし、むしろ抗議自体が被差別者を差別していることだと思います。 なお、発禁されている作品については、復刊させようとする運動もあります。 http://www.fukkan.com/list/index.php3?mode=rank1&search=&mask=9&c_no=0&sort=vc&order=&ebook=0&page_no=1
- cliomaxi
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>・・・断わっておけば法律に触れるわけではないのですよね? 法的には差別用語は無かったと思います。 業界等の自主規制と言うやつです。 そうでなければ断ってさえおけば何でも許される事になるでしょう。 私もどろろのLDを買う前にその辺を確認した方ですが漫画は確かに編集で当たり障りの無い言葉に変更される事は珍しくないでしょう。 でも手塚作品にはどろろ以外でもブラックジャックなどでも再編集だけでなく「欠番(カットされている。)」になっているものも少なくありません。 人種的、民族的、身体的、思想的、宗教的等差別はどんな形であっても許されるものではありません。 確かに私もわざわざ言葉を差し替える事に違和感を感じますが、その言葉にとても敏感に反応してしまう人の事を考えると簡単に「作品だから」と言えないとも思いかなり複雑な気分です。
- mappy88
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ブラックジャックの文庫本サイズを10年くらい前だったと思いますが購入しました。 その時には「時代背景を考慮して~」「作者は差別の思いではなく~」のようにかかれていました。 特にどの部分が差別かはわかりませんでしたが・・・ 30年ほど前の石森正太郎先生や赤塚不二夫先生の作品はかなり子供ながらに差別に近いセリフが多かった記憶があります。ご本人達は差別のつもりではなかったでしょうが。ちなみに初版本に近いものでしたから特に校正はされてなかったんだと思います。 しかしながら故人となられた作者さんの作品をあまり改変して欲しくないですね。
お礼
みなさまありがとうございました。 大変参考になりました。 時代にあった校正は必要であるという方の言い分も納得しました。 ただ、差別用語を安易に使うのはよくないとしても、この時代のこんな人がこんな「丁寧な」言い回しをするだろうか、というのが相変わらず私の率直な感想であり腑に落ちない点です。 差別用語であるという理由で削除する以上、何が差別であるか、ということもある程度定義されるはずですが、結局のところ「特定の社会集団から強い反発を得る言葉」であり、かつ同時に「周りの集団もタブー視している言葉」としか説明できないと思います。 例えば「ハゲ」と言う言葉もテレビ等で使うと苦情が殺到するそうですが、それでも禁止されるには至りませんよね。 「ハゲ」や「デブ」等も人の外見をけして良いほうに評価していない言葉ですし、実際傷つくひとがいます。 しかし「ハゲ」や「デブ」は社会集団ではありませんし、タブー視もされていないようです。その逆を考えると「差別用語」とは何を指すのか明らかです。けして個人の感情に配慮して使用しない、という訳ではないのですよね。 従来使われてきたいわゆる「差別用語」をこれからも残せというのではないですが(それはメディアよって決まる事ではないですし)、風潮に従ってさっさと削除してしまうのではなく、「不適切であるが昔こんな言葉がこう言う意味で使われていた」等の補足をするほうがよっぽどましだと思います。