僕は首都圏に住んだことがないものですから、実感としてはよくわからないのですが、知識として知っていることを。
もともと、「生活クラブ生協」と呼ばれる生協運動の一流派が、私たちの「代理人」をということで、地方議員を送り出すようになったものが、ローカル政党に発展したものです。
生協運動には、いくつかの潮流があるんですが、賀川豊彦などの人道主義的な立場から出発したもの、共産党員が中心となったもの、総評などの労働組合が中心となったもの、などがありますが、生活クラブ生協は「生活者」をキーワードに、市民主義的な流れとされます。運動創始の中心となったのは、旧社会党江田三郎派と共産党離党組からなる「構造改革派」のようですが、新中間層の主婦たちが実際の運動の担い手とされます。「新左翼」運動活動家の大学卒業後の受け皿になったと指摘されることもあるようです。生協運動を、こういう風に政治的色分けで見るのは当事者の側からは違和感があるものなのですが、こういう通俗的理解はわかりやすいといえばわかりやすいのです。
「私たちの代理人を政治の場に」ということで、議員は「代理人」で、議員在任期間が長くならないようにする、という政治的アマチュアリズムを特色としています。経験を蓄積して、知識や技術の面での高度化を否定することにそのジレンマを指摘する人もいます。
組織のあり方については、強固で整然とした官僚制の要素のある組織を嫌い、ゆるやかな横のつながりによる、ルーズな組織を志向し、「ネットワーク」という名称にはそれが反映されています。その志向はともかく、幹部はいるはずなんですが、そのあり方が理念通りになっているかは、首都圏に住んでいない僕にはわかりません。
地方政界での位置については、僕は一定しないところを感じます。国立市長は生活者ネットワークの出身で、共産党・社民党と協力して自民党に対抗する姿勢を見せていますが、自民・民主・公明と相乗り与党を形成している自治体もあります。都議会でも、石原慎太郎都知事の方針に「対決」「抵抗」ということではないようで、知事提出案件のほとんどに賛成しているそうです。